虚無層

exit from society

vS126勝手にざっくり翻訳後編(クラス分析)(2019/4/19)

 

 クラス別分析

 今回、vS編集部オリジナルの構築と解説がついており目新しい。

ローグ

 初週の王。手先ローグが勝率使用率ともにトップ。悪党同盟の悪漢が強すぎた。手先ローグには2種類のタイプがありどちらも強い。

  • 顔面バージョン:今はこっちのほうが強い。新カードはワグルピックと悪漢のみ。vSが作成したリストのポイントは以下。
  1. ヘンチクランのゴロツキ:ミラーでは簡単に除去される、先攻3Tに置かないと弱い等、基本的にはいらない。いつだって悪漢、段取り、ぶんどり部隊のほうが欲しい、よって1枚のみ採用。
  2. ジリアックス:ミラーで凶悪。2対1交換、ヒール、挑発で自分のミニオンを守れるなどいいことづくめ。
  3. ナイフの雨:特にドルイドに強く、ドロー付きなのでレイトゲームでも仕事する。
  • 強盗バージョン:ヘンチクランの強盗、ブリンクフォックス、血の復讐、最下層の故買屋、の強盗シナジーで中盤の盤面やミラー戦に強い。トグワグルを構築することでさらに粘り強く戦える。(予言なんてなかった)現在は数字が悪いものの、リストが洗練されれば変わるはずとのこと。ポイントは以下。
  1. 強盗王トグワグルとマイラの不安定元素は両立しえないという見方があるがvSは賛成しない。確かにこのリストは比較的手札に困らないので不安定元素のバリューは相対的に下がるが、だからといってリストから抜くほど弱くはない。また、両方を採用すれば、終盤引けたほうに合わせてゲームプランを決定すればいい。これによって対ウォリアーが改善する。また両方採用はミラーに弱くなるが、ほかのカードがミラーに強いのでそれほど痛くない。
  2. 強盗王は電線ネズミがいると大いに強くなる。何人かの有名プレイヤーが強盗王をカス呼ばわりしているのはこのせいでもあるだろう。トグワグルを使うリストならネズミはコアカードと言っていい。T3に切っても強いし以降でも使いやすく、SI:7のために手先を雑に使いやすくなる。
  3. 影隠れは過大評価。ワグルピックで充分。
  4. ウーズ、おいしそうなテックカードだが環境全体に対してワグルピックを壊すくらいしか用途がない。コライダー壊しても勝率そんなに変わらない。このデッキにとって大事なのは相手の顔に与えるダメージで、その観点では結局ブラッドフェン・ラプターと変わらない。大会なら採用されるがラダーには入らない。
  • その他のデッキは弱い。泥棒ローグもまだ弱い。血の復讐も故買屋も手先ローグに魂を売った。vSが一番マシと判断した泥棒ローグにはぶんどり部隊と悪漢が入っており学術スパイは入っていない。果たしてそれは泥棒ローグなのか? 一応テスちゃんはいる。

ウォリアー

 DKとOTKがマンモスと共に去ったことで装甲が意味を持つ時代になり、残った3人のDK(「ヒーローカード」はタイピングしにくいのでDKで通します)のうちひとりがこのクラスなのも追い風。

 全体的にはラダーの最適解はローグなのだが、ウォリアーも充分トップレベルだしローグに強い。いくつかのデッキがあるがコアは共通のパワーカード。

  • 爆弾ウォリアーは初日の王だった。悪党同盟でクラスに与えられた個性の爆弾はただターンが進むだけでライフを削れるし、爆発王ブームを素出しで最強に育てられる。ドクター7の上位互換が出る時代
  • 爆弾ウォリアーには2学派あって、片方はシーフォーリウムやグリーンスキン、アップグレードを採用した爆弾フルシナジー型だが少々やりすぎで不安定。もう片方はコントロールウォリアーに数枚の爆弾カードを加えたようなタイプで、エリシアナがあるためミラーにも希望がある。エリシアナは他のマッチアップではゴミだがウォリアーミラーの多い現在では価値あり。
  • コントロールウォリアーはそこからさらにすべての爆弾を取ってパワカに集中したものと考えていい。アグロに強くなった分、遅いマッチではエリシアナのファティーグに頼ることになる。ポイントは以下。
  1. 急襲セット(お触れ役、民兵指揮官、ジリアックス)はおそらく必須。スロットがあるならダリアスクロウリーも優秀。
  2. 止めの一撃とオメガ・デバステイターでは、序盤の盤面にもなりDKブームとのシナジーもあるデバステイターのほうがいい。
  3. 兵器プロジェクトは序盤の除去、シルスラ起動、武器破壊と優秀。ハリソンとシナジー
  4. 苦痛の侍祭は弱い。いいシナジーがない。また、ヤジロボを使われるようなミラー戦においては完全に逆効果。ドローならお触れ役のほうがずっといい。
  5. ミラーではヤジロボが強力。エリシアナも重要。ミラーが多いなら銀行家や酒造大師でエリシアナを戻すまで考えていい。
  6. こっそり妨害工作はコンボデッキの少ない現環境にあっていない。

 ウォリコンパッケージが強力なために他の戦術を盛り込んでも戦える。

  • メックトゥーンウォリアーはエリシアナファティーグのかわりにコンボで終わらせることを選んだ型。他のウォリアーと違って気楽にドローできる。
  • ドラゴンウォリアーも注目。爆弾ウォリアーと同じように、はじめはフルシナジーデッキとして生まれ、次第にウォリコンの亜種に落ち着いた。リソース量は一番多い。(戻しエリシアナを除く)

 まとめるとウォリコンであればどんな味付けをしてもおいしいということ。

ドルイド

 トークンドル一本でトップ3に入った鹿。トークンドルは広く浅いマッチアップでほとんどのデッキに五分以上。最もラダー向きと言ってもいい。

  誰にでも渡り合うためのキーカードは2つ。T4の狐火の森はAOEのないデッキなら対抗不可。また、森の助けは強力なリロード。このカードのおかげでウォリアーとわたりあえる。

 拡張前に予想したリストが的中してvSの中の人が喜んでいる。クリスタルソングのポータルは予想したほど壊れではなかったが遅いマッチでのリソースになるし序盤の狐火の森が強くなる。完成された30枚リスト。アージェントの従騎士、メカンガルー、結晶術師などの他の1マナミニオンは全く不要で、仮に採用したとしても殻斗果流格闘家、ドリームウェイ、狐火が欲しすぎてマリガンで返すレベル。奇抜な書記官、自然の援軍、マルチマンチャー、樹木学者も弱い。一番マシな不採用カードはマイクロロボ操縦者。

 ドルイドにとって一番の不幸はトークン以外が弱いこと。マリゴスは消滅し、回復ドルイドも強いカードはあるがプラン自体が弱い。鹿がピン芸人を脱するには新しい発想が必要。

メイジ

 はじめの数日はデッキ開発に難航したもののApxvoid氏のおかげでドラゴン招来メイジが誕生。

 召術師の招来というカード自体はまずAoEと凍結を入れたコントロールメイジに入っていたがこのデッキは失敗。次にドラゴンシナジーミニオンデッキが作られ、強力なドローである亡霊の書が使えるように。さらに亡霊の書とシナジーのある山の巨人とトワイライトドレイクも採用。巨人は招来ともシナジー(7/8挑発に変身できる)。

 ドラゴンたちはハンバーグのツナギ的なものではなく、ミニオン主体デッキの弱点となる除去要素を擬似的に担ってくれる。スケイルワーム、ドラゴンモー、ドッカンドラゴン、カレクゴス、どれも失った盤面を取り返す能力をひめている。ファイアツリーの呪術医も同じように使える。かつての性悪デッキと同じような運用で戦える。結果として、重いミニオンを継続的に出せるためウォリアーの除去を超えることができる。

 招来メイジは重いデッキに強いがアグロに弱いため、vSのリストはそれを補うカードを入れている。

  1. ドラゴンモーの爆炎竜は2枚必須。ドルイドとズーに強い。AoE効果のあるミニオンはなるべくほしい。同じ理由で苔むしたモノノケも1枚採用。
  2. 朽ちかけたアップルバウムや金庫番はステータスの低さ、ローグに弱いことなどにより不採用。最も有効なローグ対策は招来サンフューリーの護衛で一度に2体の挑発をつくること。
  3. 精神支配技師と伝書鴉はともに微妙。今のアグロは4体くらいの中型ではなく盤面が埋まるレベルの小型を出すタイプなのでMCTはない。鴉はやってることが巨人までの暇つぶしでしかない。ともに不採用。
  4. 会場警備係を2枚採用。トークンに強く、招来とシナジー

低コストスペルのデッキはTier6くらい弱い。招来メイジ以外で使えそうなのはSoLegit氏のフリーズメイジくらい。

ハンター

 ミッドレンジハンター、メカハンターともにウォリアーに強いが、ともにローグ・ドルイドに弱いため総合的には苦しい立場。

  • ミッドレンジハンター:スタン落ちした枠をうまく埋めてしまう。1マナにホタルチョウ、2マナにヘンチクランの騎豚とダイアウルフ・リーダー。終盤にズルジン、合わせて野獣放つべしと凄まじき狂乱。DKが失われて狂乱の価値が上がった。
  • メカハンターは初期のメカ・チビドラゴンとその復活にのみシナジーを絞ったリストはローグドルイドに弱すぎて失敗。
  • vSが推す新しいメカハンターのリストはゴブリン爆弾関連のカードを採用。マナカーブ通りにメカを出し、超電磁バフし、相手の顔を殴る。まずメカなのでウォリアーに強いのはチビドラ型と同じだが、ローグドルイドにも強い。Uberer氏がレジェ2位。ブームマスターフラークを初日クラフトした俺がやっと報われた。
  • マリゴスハンターも初日は人気だったがローグドルイドに押されて消滅。確かにジェペットを出せれば次の数ターンで勝てるものの序盤が耐えられない。

ウォーロック

  • AoEの少ない現環境では絨毯を得たズーウォーロック中では最強。
  • 魔法の絨毯1枚で1マナミニオンだらけのデッキがここまで成立するとは予想していなかった。スカラベの卵と悪党同盟の異才の組み合わせも強く、人身御供や海の巨人と合わせて横並べシナジー。またラファームによって遅いデッキにも可能性が見いだせるようになった。ただしサロナイト鉱山の奴隷監督はダメです。
  • 初期の熱狂も冷めてズーにも問題点が見え始めている。まず当初の予想と異なりローグに勝てない。ウォリアーもつらい。ドルイドにだけは強いがトップ2に弱いのは痛い。今後環境が整えば勝率は落ちていく予想。

 他のデッキは弱い。グルダンの未来やいかに。

シャーマン

 多くの強カードを得てたくさんのデッキタイプが考案されたものの、どれもトップ3ほどのパワーを作り出せなかった。

  • シャーマンのなかではマーロックがいちばんマシ。多くのプレイヤーがフル部族デッキを組んでいるが、vS事前予想のように精鋭マーロックに採用を絞った型のほうが強いらしい。vSのリストは雷雲サンフューリーの戦魔術師が採用されている。このリストに統一されていけばデッキ勝率も上がっていくはずとのこと。トークンドルを的中させたおれたちのvSを信じろ。(駿台模試かな?)
  • モーファーシャーマンもまた本来より実数が低く、これはマリゴス型のせいとのこと。マリゴスのことは忘れてビッグプリ的な踏み倒しに集中したほうが強い。他のデッキに比べて全然実験されてないので改良に期待。ベロベーロでアグロに強くしたリストでKrea氏がトップ200。
  • 数々の遅い強いカードを得てコントロールシャーマンが強化されたと誰もが思った。間違いはウォリアーが完全に上位互換だったということ、そしてコントロールウォリアーをメタろうとする他のデッキについでに轢かれてしまうこと……

パラディン

  • 秘策パラディンは事前予想と全然違ってトップデッキではなかった。デッキはだめだったが新カードは優秀で遅いデッキに流用されている。
  • プレイヤーに選ばれたのはメカパラディン。序盤を秘策シナジーでしのぎつつスタン落ち後の最優フィニッシャーのひとつケンゴーの無限軍団を利用。ウォリアーとドルイドに強い。ローグには弱い(特に昏倒に弱い)が、トップ3のうち2に勝てるのはよい
  • vSによる改良案として、要するにこのデッキはメカチビorメカーノエッグに挑発が超電磁さえすれば勝てるので、メカを絞って秘策シナジーを充実、序盤用にブロンズゲートキーパーを入れたものを提示。データも悪くないとのこと。

プリースト

 恐れていたとおり影の幻視と心霊絶叫を失ってアンドゥインは死んだ。新カードが強いから何とかなるかと思っていたがそんなことはなかった。

  • 沈黙プリーストはダメだと思われているが、データ的に悪くはない。幻視のないいまでも神授の霊力と内なる炎を使うべきらしい。
  • 壁プリーストも希望。やはり勝つためには内なる炎プランが必要。ブドゥ祭のころに比べれば月とスッポンだが戦えるレベルではある。カトリーナムエルテ大いなる復活でレイトバリューもある。

 

メタブレイカ

 手先ローグ、トークドルイド、コントロールウォリアーの三位一体。ローグとドルイドはほとんどのデッキに安定して強い。ウォリアーはいくつか苦手な相手がいるがローグへの唯一の解答。

 ダークホースを狙うならメカパラディン。ローグ戦のあがき方とその他の相手の勝ち方を覚えれば充分戦える。

 vSは今後の環境を変えそうな要素をいくつか発見している、まだ慌てる時間じゃない。たぶん。それにしてもローグはヤバイけど。

 

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