虚無層

exit from society

vS130雑翻訳(2019/5/19)

vSはこの週で3周年!おめでとう、そしてありがとう。おかげさまで僕も翻訳・文章とは露ほども関係ないバイトで脱ニートしました

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-130/

 

 クラス使用率

 相変わらずローグはアホほどいるし5クラスしか存在しないし環境デッキの種類は歴史的な少なさを誇っているが、それでも環境末期とは言えず、今にも環境に大幅な変化が訪れそうだと予測できる。

  1. ローグ:手先ローグ、ついに全ランクで減少。レジェ帯では2割まで減った
  2. メイジ:特に上位でミラクルメイジが爆誕しメタを塗り替え。
  3. ウォリアー:上位で爆弾ウォリが増加。レジェではメイジに数を抜かれている
  4. ハンター:秘策ハンターが全ランクで大幅増。爆弾は微減。ミッドレンジはそこそこいる。
  5. プリースト:ミラクルメイジに抑えられたか何かでレジェではミラクルプリ減少、全体も停滞の様相。
  6. ドルイドトークンドルは減少にも歯止め。少数枠としてメタに居場所あり。
  7. シャーマン:若干不況。マーロックは強いが他は生存力に疑問。
  8. ウォーロック:レジェではパラ以下まで減少。ただし勝率は消滅する級ではない。
  9. パラディン:レジェで聖なる怒りの実験が少数。ほぼ幽霊。

デッキランキング

  • 手先ローグの勝率は先週に引き続き減少しており、もはやデッキパワー1位ではない。もちろんローグ対策の流行の結果ではあるが、その対策が成功していることが重要。現在のメタはワグルピックと武器破壊で回っている。かつての翡翠ドルイド、偶数パラディンやミッドレンジシャーマンのように、どうにも対策できないタイプのデッキではなかったということ。
  • ローグが減ればウォリアーも減る。上位ではローグの減少をダイレクトに受けてコントロールウォリアーの成績も下がっている。もちろんレジェ到達までは優秀だし、今後ミラクルメイジがさらに増えるならば、ミラクルメイジに弱いドラゴン型召喚メイジが減るため、また有利になると思われる。ただ今のところレジェでは、ミラクルプリと当たりやすいため爆弾ウォリアーのほうが優秀。いまは大会でも爆弾が増えている。
  • ラクルメイジは本物、全ランクで勝率が大幅上昇。といってもレジェンド以下では勝率は5割以下。リストが悪いのではなくデッキの使用難易度が高いからで、実際レジェンドでは非常に強い。今ホットなデッキ。
  • ハンターも良い目を見ている。レジェでは爆弾ハンターがローグ減少により業績改善。ミッドレンジハンターも本来数字が良くなるはずだったのだが下手に改造するプレイヤーがいるせいでむしろちょっと悪化している。秘策ハンターはローグに強いのでもちろんありがたくないが、ミラクルメイジに強いので今も優秀。
  • 忘れられしトークドルイドの勝率が上がりなおしておりレジェ以外ではTier1に帰ってくるほど。理由は多くのデッキが横並び対策を抜いていることや、秘策ハンターに非常に強いこと、天敵のズーがいないことなど。最初期に暴れすぎたせいでみんなに嫌われメタられたもののやっぱり地力はあった。
  • ラクルメイジが成し遂げたような成長をラクルプリは成し遂げられずまたTier4に戻る。非常に高いスキルを要求するだけでなく、環境も変化してミラクルメイジや秘策ハンターといった非常に弱いマッチアップが増えた。また手先ローグが減少し、爆弾ウォリアーが増加したことなど今週起きたことだいたい全部が痛い。よってレジェでもTier4。
  • シャーマンも環境変化で弱くなった人。ビッグシャーマンもミラクルメイジや秘策ハンターに弱い、特にハンターにとても弱い。マーロックシャーマンは現在の環境にも適応し高勝率を保っている。コントロールシャーマンはゴミ級に弱いわりにそこそこ使われているのが疑問。

 ところで以前主張したように現在のメタは多様性に若干欠ける。Tier表は日に日に小さくなる。vSがよく聞かれる質問のひとつが「どのようなバランス調整がなされるべきだろうか?」というもの。vSはあまり強引でない調整を望んでいる。

 たとえばワグルピックを5マナにする。現在のローグにとってテンポスイングが1ターン遅れるのは大きい。0マナ挑発も1T遅れるし、グリーンスキン船長がマナカーブ通りに出てきて1本の武器でスムーズに14点えぐられることもない。海賊キットの魅力が減る一方で悪の手先を利用する戦略自体は生き残り、面白いデッキとして生き残るのではないか。現在の顔面デッキからバリュー重視のデッキになり、相手にも余裕ができる。現在の「ワグルピックvs.ウーズ」環境もなくなるだろう。特定のテックカードがどんなデッキにも入っている状況は総じて面白みがない。

 大幅すぎるナーフを望まない理由はハンターの存在。ローグを弱体化しすぎるとハンターの天下になり、それはおそらく今よりずっと悪い。ミッドレンジハンターのマッチアップは広く優秀で、もしローグが抜けたら天敵が消えて暴れることになる。よって腐肉食いのハイエナを3マナにして序盤から圧倒されるのを防ぐなどしておきたい。ブドゥ祭の時点でやっておくべきだった、それはそう。

 最後に文書管理官エリシアーナを10マナにしておきたい。これはレートゲーム戦術のQOLを上げるための調整。現在のウォリアーのファティーグ戦術とDKブームの組み合わせはあまりにも強力で他のコントロール系デッキを完全に排除しており、ウォリコンミラーはエリシアーナをバウンスしたりデッキに入れたりして退屈地獄で死にそうになる。とりあえずエリシアーナの再使用を防ぐことで、ウォリアー使いはよりアクティブな戦術に移行し、面白みのあるフィニッシャーを使うようになるだろう。現在のウォリアーの数字から見てDKブームがナーフされる可能性は低いとみられるが、もしされるとしたらメカに急襲を与える効果にメスが入ると思われる。

クラス別分析

ローグ

  • 勝率・使用率ともに落ちてきている手先ローグ。最強デッキがバランス調整なしで引きずりおろされる光景は珍しいもの。ウォリコンへのヘイトが高まりシェフノミの採用が増えているが、ほとんどの場合全体成績は落ちる。シェフノミ入りのリストで一番マシなものでも対ウォリコン勝率は7%増加で「ちょっと不利」くらい、そしてその代償にウォリアー以外全てに対する勝率が下がる。よってよっぽどウォリアーの多い(2割以上)環境にいるのでないかぎり全体勝率は下がる。結論としてシェフノミはないほうがいい。強盗王トグワグルのほうが強い。vSが載せた一番マシなシェフノミ構築のポイントは以下。
  1. 致死毒はうまく使えばウォリアーにも強い。ワグルピックではなく、相手の兵器プロジェクトで得た武器につけるといい。グリーンスキンも同じ用途。
  2. 影隠れは現在、対ウォリアーでシェフノミに使う場合のみ強力なカードなのでこの構築には入っている(「普通に強い構築」には不採用)。他の用途で使うのは弱いのでやめたほうが良い。
  3. サメの精霊は罠で、ウォリアーに強くはない。盤面への影響が弱く、夢の中で思い描くようなベスト使いどころは滅多に訪れない。不採用。
  4. ウィスプはやめろ。やめろー

メイジ

  • ラクルメイジが今一番熱いデッキ。レジェでは旧型の召喚メイジを抜いて使用率2位のデッキに。多くのトップ配信者がこのデッキでトップレジェを達成したため。特にAsmodai氏のレジェ1位と、RDU、Apxvoid両氏の2位は鮮烈。しかしいま流行りのリストには改善の余地が見られる。
  1. 会場警備係は単純に弱い。ローグ、ウォリアー、ハンター、メイジと相性が悪い、つまり環境の四天王に弱い。そしてほぼ不在のトークンドルやズーに強い。なぜこんなに幅を利かせているのか理解に苦しむ。
  2. フロストノヴァは相手が横展開したときに海の巨人を出しながら相手を妨害できるため強い。今後増えるであろうミラー戦にも強い。プリーストには非常に強い。いくつかのマッチアップでは瀕死からの逆転を狙える。
  3. バナナ・バフーンは巨人を早く出せるようになるしマナサイクロンとの相性もいい。2積みしたい。
  4. 武器破壊はミラクルメイジにはあまり利益が大きくない。まずシナジーのないカードをいれる余裕があまりない。ウーズ2枚とハリソンを入れても対ローグ勝率は5%上がるのみで他のマッチアップが犠牲になる。ウォリアーの兵器プロジェクトと(たまに)スーパーコライダーに対してハリソンでドローを狙うくらいに留めるのが吉。ウーズがなくても元々ローグ勝率は悪くない。
  5. 焦らすカラスは明らかにこのデッキの最弱カード候補なのだが他に入れるべきカードも見当たらないので占星術師ルナエスト中の冒険者1枚を入れている。ルナは決してコアではないが充分役に立ちうる。クエスト中の冒険者もハマれば強いので1枚。他の案もあったがテスト中なのでまだ掲載しないことにした。もちろん現在のリストも確実に強い。

ウォリアー

  • コントロールウォリアーは確かにローグの減少で悲しいのだが、ミラクルメイジの増加で召喚メイジが減っているのはありがたいこと。確かにミラクルメイジも巨人パッケージを内包しているのだが、継続的にミニオンを投下してくる召喚メイジよりも1ターンで一気に盤面を作るミラクルメイジのほうがウォリアー的には処理しやすい。vSオススメのリストには自信あり。巨人召喚コンボにスーパーコライダーを採用したい人もいるだろうが、みんなローグ対策で武器破壊を持っているので微妙。ローグ減少のいまも充分つよいビルド。
  • みんなウォリコンについて語りたがる(我々も)が、いまは爆弾ウォリアーのほうがラダーでも大会でも強い。特にミラクルプリーストに強いことが注目を集めた。近年はMeati氏のトップレジェ到達でアザリナ・ソウルシーフが増えている。エリシアーナを採用するよりも、ミラーではアザリナで相手のエリシアーナ(とバウンス)をパクるようにすればいい。アザリナの採用によってオメガアセンブリなどのリソースカードを減らす余裕ができ、ローグをみたテックカードの枠が空く。アザリナの弱点は、相手がこちらのアザリナに気付いてさっさとエリシアーナを使われてしまうこと。とりあえず現時点ではエリシアーナよりも強い。

ハンター

  • 秘策ハンターのポテンシャルに気付いた人間が増えており全体的に使用率が増加。vSのオススメ構築は先週のものが優秀だったので続投。ミスディレクションは予想通り強かったが理由は予想とは違ってローグではなくメイジ。
  • ミッドレンジハンターはとにかく最大の天敵である手先ローグをどうするかという話になる。Senfglasはネズミ罠を2枚採用。ローグに強くなり他のマッチアップでも優秀。武器破壊環境なので首狩り斧を抜いてネズミ罠を入れたことで勝率が大幅に改善。もちろん今後、ネズミ罠が予想されるようになれば弱くはなるものの、ローグやメイジがネズミ罠を起動しないように立ち回ることはそれだけでこちらに有利でもある。
  • ご主人様の呼び出しを採用した獣秘策ハイブリッド型は現時点では純粋な秘策ハンターほど強くない。

プリースト

  • 今後レジェ上位ではより優位になっていくだろうと予想したのも束の間、秘策ハンターとミラクルメイジの爆発的増加のせいで壊滅的に使えなくなったのがラクルプリースト。有利マッチの手先ローグも減少。天敵の爆弾ウォリアーも増加。もちろん先週も言ったようにプレイングの難しいデッキだが、最高のプレイヤーでもいまの環境ではもはや厳しい。メイジにあわせて集団ヒステリーを採用したものの、基本的にアンチシナジーカードであり効果もそこそこ止まり。トップレジェ級の実力者なうえに環境がローグ・ウォリアーばかりというのでないなら、ミラプリは使うべきでない。

ドルイド

  •  ドルイド戦線に異常なし、トークドルイドは現在もっともマッチアップの偏りが少なくてプレイングが快適なデッキとしての地位を固めつつある。どんなデッキにも勝つ見込みがあり、そのために環境最序盤で暴れまくって粛清されたものの、いま再評価の流れが来ている。最大の弱点はその安定性ゆえの圧倒的退屈さで、拡張1日目から1枚たりともリストが変更されていない。他のアーキタイプも弱い。

シャーマン

  • 今週のシャーマンは特に輝くことなく、むしろ勝率は下がっている。今後もメタを変えるほどの旋風は起こさないまま地味に環境に適応していくと思われる。マーロックシャーマンは今も強いのだがローグ・ウォリアー戦には限界がある。ビッグシャーマンはハンター・メイジの増加で成績悪化。コントロールシャーマンは明らかに現環境で生き残れるポテンシャルを持っていないにもかかわらず過剰にプレイされている。残念ながらコンシャーについてこれ以上語れるものはない。

ウォーロック

  • ズーはもはや壊滅したといっていいレベルで使用率が低いのだが、実はミラクルメイジにフェアに戦えるので希望はゼロではない。あと最近メックズーが見られるが端的に弱いのでやめたほうがいい。

パラディン

  • もはや誰もパラディンを使っていないし君も使わないほうが良い。メカパラディンはもはやおすすめできないレベルまで勝率が下がっている。メカで遊びたいならハンターかウォリアーを使うといい。vSのリストは一番マシだがそれでもラダーで上がることはたぶん不可能。シンプルに環境が得意な環境と真逆。聖なる怒りパラディンはレジェの一部で実験されているが現時点では見るものはない。ブレイクスルーが起きるのを待つばかり。

今週のメタブレイカ

ラクルメイジ:文字通り今週のメタを破壊した存在。今なお改良中の段階で多くのカードが試されている。完成まではあと1,2週間かかると思われるが現時点でも相当に強力。旧来の召喚メイジに対して非常に強く、メイジの限界を一気にトップまで引き上げた。このデッキが本物の支配者になるにはローグ・ウォリアーの壁があるが、対ローグと対ウォリアーでは適したリストが大幅に異なる。そこがこのデッキの改良の難しいところになっている。

 

お疲れさまでした