虚無層

exit from society

vSウルドゥムバランス調整分析雑翻訳(19/8/26)

 思ってたより文字多かったので訳しておきます

https://www.vicioussyndicate.com/the-data-reaper-breaks-down-the-balance-changes-of-saviors-of-uldum/

 次回のレポ記事は9月6日ごろ

調整されるカード

召術師の招来

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 ドラゴン年を通して招来はメイジの成功のキーカードだった。まず巨人招来というメイジ最強のムーブが遅れる。また双呪文なのでマナコスト変化の影響がより大きい。巨人招来が最強である理由のひとつは、招来で出た大型を両方除去できないと次のターンにまた招来で増えるということ、またそこにカドガーが絡めば完全に盤面制圧できるということ。この調整によってメイジの最大のスイング要素が弱体化されるため、メイジの戦略に大きく幅広く影響を与えるだろう。今後相手はこれらのパワープレイに対応する機会が増えるし、それより前にプレッシャーを与える時間も増える。次の環境を考える際には特別に考慮すべきカード調整。

ルナのポケット銀河系

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 ウルドゥム環境で最も暴虐だったカード。5ターン目までに引けたときあまりにも強いため、メタ全体がメイジを5ターンまでに倒すことに傾いた。遅いデッキはこの銀河系による永続的な効果を乗り越えられる可能性がほとんどなく、勝敗は銀河が引けるか否か、その後強いミニオンが引けるか否かに強く依存する。銀河系はプレイスキルの介入を妨げ、試合にならない状態をもたらす。また、招来と組み合わせると完全に対処不能になる。7マナに戻すことで、かつての遅すぎて使う暇のないカードに戻るだろう。

狂気の天才Dr.ブーム

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 本家デスナイトがワイルド送りになったことでスタンダードを支配しているヒーローカードのドクターブーム。単独で最強の実質無限バリューエンジン。そのうえ常在効果の急襲ミニオンによって盤面を一生取らせない。7マナなのに対アグロでキープを考えられる場合すらあった。

 この調整の影響を過小評価しているプレイヤーもいるが、今後相手はブーム前に盤面を詰められるようになるし、ウォリアーはブームを出す暇がなくなる。出したターンには盤面への影響がないため、詰められている状況でブームは出しにくいから。これまでと同じ効果に9マナ払うのは重い。また、出したターンはヒロパが打てないのも大きい。

 9マナでもコントロールウォリアーは変わらず採用するだろうが、アグロにとってはもはやそれほど脅威ではない。攻撃系デッキは大いに恩恵を受けるはず。

倍増する腕

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 メカメカバフによって明らかにパワーカードになったがその時点ではクラスのパワーが低く、軽いミニオンさえ揃えば最強デッキが現れるのも時間の問題だった。ウルドゥム追加によってコンボプリーストがこのカードをうまく使いこなし一瞬でトップメタに躍り出た。

 プリーストはスノーボール型のデッキを作りやすく、序盤の盤面リードからそのまま大型ミニオンにつないで押し切る場面が多い。倍増する腕はその序盤のリードを作るための最強のカードだった。シャイアやライトウォーデンに腕をはやせば非常にアグレッシブな動きを可能にしてくれる。

 3マナに戻った倍増する腕はやはり非常に弱いので、たぶん使えない。序盤の爆発力が一気に下がり、受け身にならざるを得ない。新カードが強いためコンボプリースト自体は今後も残るかもしれないが、序盤に圧倒する力は確実に落ちる。

バーンズ

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 ついに来た。何か月もの間ワイルドプレイヤーに文句を言われ続けた結果バーンズにナーフ。バーンズは本質的にルナポケと同じ理由でストレスを与える:ドローされたか否かだけで試合が決まってしまい、プレイヤーの介入がない。5マナになることでビッグプリーストの最も強いターンが遅れるので、元々最近強くないデッキだったが今後はさらに減るだろう。特に高レベル帯では見かけなくなるかも。

クラス別分析

メイジ

 最強のカードが2枚ナーフされるため、パッチで最も弱体化するクラス。招来のナーフによって、特に招来にパワーを頼っているサイクロンメイジには打撃。もちろん既にハイランダーメイジに座を奪われているが、こうなっては復活の目はない。

 ハイランダーメイジは比較すれば生き残る確率はあるが、構築を変える必要はあるだろう。銀河抜きでビッグスペル戦略はやっていけない。マナカーブに沿った構築で序盤を耐えられるようにする必要がある。レイトゲームのカードもある程度残しているが、これまでのように圧倒的ではない。

ナーフ後ハイランダーメイジ

ウォリアー

 狂気の天才ナーフで打撃は受けるが、それでも十分強い。ルナポケ、招来、倍増する腕のナーフによってメイジ、プリーストの圧力が下がるため、スーパーコライダーや怒りの災厄といった大型除去の必要性が下がる。アグロが増えるだろうが、ブーム抜きでもウォリアーはアグロを捌ける。

 アグロウォリアーと爆弾ウォリアーは既にラダーでの成績でウォリコンを抜いているが、ナーフによってこの傾向はさらに加速されるだろう。これまではメイジのルナポケ招来に勝てないから無視されてきたというデッキがいくつか存在しており、それらは強力なバリューエンジンによってウォリコンにカウンターできる。コントロールウォリアーは元々受け身のデッキなのでカウンター自体はしやすく、狂気の天才が遅くなったことで総合バリューがさらに下がっている。従って今後は爆弾ウォリアーで早期の盤面と顔面を取っていきたい。

ナーフ後爆弾ウォリアー

プリースト

 最序盤の倍増する腕による圧倒はなくなったのでデッキを調整する必要があるが、コンボプリースト自体が死ぬことはない。ライトウォーデンを外し、序盤を代償に終盤のバリューを厚くする方向で考えてみたい。ウィッチウッドの笛吹きはシャイアを確定で引いてくれ、中盤に安定して大量ドローの機会をくれる。ストームウィンドの騎士は盤面を取れない相手に対するフィニッシャーで、倍増する腕のない今そうした相手が増える。笛吹きや騎士はパッチ前も二次プランとしてたまに採用され、そこそこの結果を残していた。最後に解呪を沈黙に変えている。軽いスペルのほうが新しいデッキと相性がいい。

ナーフ後コンボプリースト

ハンター

 メイジ、ウォリアー、プリーストがナーフされて残されたハンターが明らかに最強では。もちろん今のトップデッキがあるからこそそれに強いハイランダーハンターが輝けているのだという説もあるが、メタが一瞬でハンターアンチに切り替わるとは思えない。ハイランダーハンターは対アグロだと多少難しくなるが、強力なカウンターデッキがあるわけではなく、またウォリアーが減れば対アグロに構築を寄せることもできる。

 パラディンの人口が急激に増えない限り、ハンターは総合的にハッピータイム。最初の数日はトップを走り、他のデッキが成功するためにはメタらないといけないデッキになるだろう。

 おそらく1日目に最も安全で信頼できるデッキ。

9号ハイランダーハンター

ローグ

 ドクターブームは長い間ローグの悩みの種だったため、最初はこのパッチでローグは強化されると読んだ。しかしそう単純でもない。現在のアグロローグの成功はハイランダーメイジとの相性に支えられており、メイジが減ればそれだけ美味しい相手が減る。

 おそらくアグロローグはパッチ後もトップメタの一因ではあると思われ、その成功の程度はウォリアーとメイジがどれだけ生き残るかによる。ハイランダーハンターに対して強いデッキの一つなので、少なくともパッチ後環境の序盤はある程度強い。

 ウォリアーとメイジの終盤がナーフされたということはクエストローグにワンチャンあるということだが、他のデッキに対してもそれほど強くないのであまり期待はしていない。

スタンダードアグロローグ

シャーマン

 バランス調整によってすべてのクエストデッキに2度目のチャンスが与えられた。おそらくシャーマンがもっとも復活に近いクエストデッキだと思われる。理由は、クエストシャーマンのマッチアップ分布は幅広く優秀でありながらこれまでのトップ3だったウォリコン、レノメ、コンボプリに弱かったため。

 実際、最悪のマッチアップだったデッキがすべてナーフされた以上、クエストシャーマンにとって夢のパッチであることは事実。問題はそれがどの程度かということ。

 もちろんアグロ系のデッキも無視できない。アグロシャーマン、マーロックシャーマンともにウォリアーのナーフが楽しみだが、それぞれ問題もある。マロシャマは他のアグロに弱い。アグシャマはメイジがいないと困る。

パッチ後クエストシャーマン

パラディン

 マーロックパラディンは明確にこの調整の勝者。総合的には強く、トップ3のメイジ、ウォリアー、プリーストに弱かった。1日目の勝者と思われるハイランダーハンターに最も強い。どの角度から見ても次の環境では暴れるだろう。

 クエスパラディンは予測が難しい。極端なマッチアップ相性のせいで、わずかなメタの変化でもTierが2ランク分くらい変動するため。最高の相手であるウォリアーと、最悪の相手であるプリーストが同時にナーフされる。メイジに弱くハンターにある程度強いのも関係してくるし、結局すべてのデッキが大きくかかわってくるのでまだ何とも言えない。

鮮鯛マーロックパラディン

ドルイド

 ドルイドが勝者になることはあるだろうか。現在のドルイドの勝率は悲しいものだが、パッチ後の環境によってはクエストシャーマン以上に盛り返してくる可能性もある。

 ドルイドはルナポケに非常に弱く、たとえ9ターン目に使われても吹き飛ばされるようなクラスの一つだった。ルナポケが消えて招来が遅くなれば、ドルイドは対メイジの勝率が逆転するかもしれない。

 倍増する腕にも非常に弱く、2ターン目の倍増腕に対して最もなすすべがないクラスの一つだった。倍増する腕が消えれば、プリーストは序盤のプレッシャーが弱くなってドルイドが中盤以降逆転しやすくなる。

 狂気の天才はウォリアーがドルイドのコンボ前に押し切るための最大のツールだった。それが遅れるということはドルイドがコンボの準備にかける時間的余裕ができたということ。

 懸念もある。ハイランダーハンターには大して強くなく、横並べのアグロにも弱い(ローグには強い)。しかし、シェフノミコンボはそれらを補う程度には強力。今後に期待。

ノミクエストドルイド

ウォーロック

 ズーウォーロックもまたメイジ、ウォリアー、プリーストに頭を押さえられていたデッキの一つ。問題は、同じくパッチによって解放された他のアグロに対してズーは勝てるのかということ。最新のレポート記事に乗せた海の巨人型は戦えるだろう。海の巨人はメイジとウォリアー以外に強い。

 クエスウォーロックはあまりにも弱いので他のクラスがナーフされても関係ない。次の新カードに期待。

手先ズーウォーロック

 

 お疲れさまでした