虚無層

exit from society

vS149(ドラゴン大決戦第3週、緊急ナーフ後)雑翻訳(2019/12/30)

 実はブラボをクリアまでやり通せたことがないので(5敗)年末年始にまたチャレンジする予定です。といってもバイトに挟まれて2日だけですが、フリーター界では休めるだけで充分マウント取れます。あと今月久々に回しました。ランク9まで行けました。

 これは緊急ナーフ後の環境の記事です。ドラゴン大決戦ローンチから緊急ナーフまでの環境については、期間が短すぎて記事の公開はキャンセルされました。

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-149/

 次回は1月9日ごろの予定。

クラス使用率

 ドラゴン大決戦初週ではガラクロンドシャーマンが完全に支配したが、バランス調整によって風景が一変した。パッチ前はローグが2番目に強いクラスだと多くのプレイヤーに思われており、よってパッチ後の使用率が一番高い。また多様性に富み、いくつかのアーキタイプが存在している。

  • ハイランダーローグがローグ内最人気のデッキで、レジェンドでは全体で最人気のデッキ。改良が早く、安定したビルドがここ一週間多くのプレイヤーに使われている。
  • 断末魔ローグはアヌビサスの「クエストローグ」風ビルドが圧倒的に多い。ヴァリーラが再びイノシシとスケイルハイドを悪用し、多くのプレイヤーのトラウマを再発させている。
  • ラクロンドローグは最も構築が多様で改良の進んでいないアーキタイプ。様々なアプローチ、パッケージを仕込むことができる。多くの構築は薬師・断末魔パッケージとのハイブリッドにしている。

 ランク4-1ではウォリアーが最多のクラス。主にガラクロンドウォリアーと海賊ウォリアーに分かれており、どちらのデッキも現環境において非常に影響力が大きい。ちなみにガラクロンドパッケージを採用した海賊ウォリアーもいるが、海賊ウォリアーとして計上している。

 より低いランクではハンターが支配的。これは拡張以降爆発的に増加したフェイスハンターのせい。フェイスハンターはレジェンド外では最多のデッキだが、レジェンドでは非常に少ない。ハイランダーハンターもある程度いるが、クエストハンターは少ない。

 シャーマンの使用率は大きく下がり、全てのランク帯でクラス使用率が4位以下。多くはガラクロンドシャーマンで、直撃したナーフに適応しようとしている。その結果については後述。少数のクエストシャーマン(これもガラクロンドは使うが)とアグロシャーマンが残りを占める。

 ウォーロックの数はパッチによって大きく増えた。現時点ではハンドロックがズーよりも少し多いが、次のレポートまでには逆転するだろう。ガラクロンドはもっぱらズーに歓迎されており、わずかにハンドロックにも見られる。

 プリーストは初めの数日は死んだように見えたが、その低い勝率はガラクロンドプリーストのせいであり、これは想定できる中でも最弱に近いデッキ。バランス調整によって古きアーキタイプが目覚め、復活プリーストを先頭にコンボプリーストも少し存在している。

 ドルイドは様々なアーキタイプで注目を集めようとしているが、どれも人気を獲得していない。現在最多のデッキはトークドルイドで、新カードのトレントシナジーを活用している。

 サイクロンメイジは実際始まる前に終わっていたのだが、現在のメイジはハイランダーデッキに傾倒している。数は多いが、最少クラスから脱出できるほどの強さではない。

 ほとんどのランク帯でパラディンが最少で、ドルイドと同様いくつかのアーキタイプに分かれているがどれもぱっとしない。皮肉なことに最多デッキはほとんど変化のない聖なる怒り。

パワーランキング論議

 これらの結果を分析する前に、我々が新拡張最初の記事で何をしているか、あらためて説明しておきたい。メタの初期においてはどんなデッキも改良がまだ進んでいない。プレイヤーはまだどのカードを採用すべきか知らない。(我々がまだ言ってないからね!^^)またデッキによって成熟度も異なる。したがって現時点で最も勝率の高いデッキが、真に最強のデッキとは限らないということ。各デッキの改良可能性を図るのも難しい。我々の目的はこれらの数字を比較によって推測し、できるだけ正確にパワーレベルを予想すること。

 現時点では、ウォリアーが最強のクラスに見える。最高レベルの成績を出すデッキを2つ持っている。海賊ウォリアーが復活し、昔と変わらず顔面を叩いている。ガラクロンドウォリアーは最強のデッキのようであり、なお改良の途中でもある。唯一安定して対抗できそうなのは復活プリースト。

 フェイスハンターは罠。低ランクではまだ数字がいいが、ラダーの頂に近づくごとに急降下していく。ガラクロンドウォリアーが苦手なため、特にランク4-レジェンドでは弱い。レジェンドではローグが多いためわずかに成績が改善するが、それでも二流の成績。完全に消えるとは思わないが、現時点の多さはあくまでも一時的であり、メタが安定するにしたがって大きく減るだろう。

 実際ハイランダーハンターのほうが良いデッキらしい。長い試合での耐久力があり、その点ではクエストハンターもフェイスハンターよりは一考の余地がある。フェイスハンターが減れば、それを天敵とするクエストハンターが増加するだろう。

 ローグの強さはフェイスハンターの存在率に依存する。基本的にランクが上がるほど、フェイスハンターが減り、ローグが強くなる。これはローグの未来が明るいことを示している。メタが安定すればフェイスハンターが減るため。では、3つのアーキタイプについて詳しく見ていく。

  • ハイランダーローグは特にレジェンドで見た目いい成績だが、多くの認識のようにこれが最良のローグかというと我々は確信がない。このデッキは既に改良が完成しているが、ほかのローグはまだ改良の余地が残っている。
  • アヌビサス断末魔ローグはドロー依存で極端なプレイ感覚により、不安定なデッキに見えるが、ベストパフォーマンス時の強さは段違い。確かにゼフリスはナイスだが、薬師もまた強く、2枚あるに越したことはない。特にフェイスハンターが減った後、クラス内使用率がこのデッキに揺り返してきても不思議はない。ヴァリーラが石牙のイノシシを使い始めたとき、次に何が起きるか我々は知っているはず。ただ、本物の旧クエストローグと違って、このアヌビサスローグに対しては遅いデッキが効果的に対策できるため、今後流行したとしても危険度は比較的少ない。
  • ラクロンドローグは最弱のローグデッキらしい。しかし改良が最も進んでいないデッキでもある。言い換えるとたくさんの悪い構築が混ざっており、それが減った後にどこまでいけるかはまだ未知数。現時点の勝率は50%であり、充分成長の可能性を感じられる。

 復活プリーストは非常に強く思えるが、将来どうなるかは非常に多くの要素が絡み合っており予測が難しい。現時点で最強デッキらしきガラクロンドウォリアーに対する唯一のカウンターであること。しかし、それ以上にフェイスハンターに対するカウンターでもあり、全体勝率の多くはこのマッチアップに依存している。そして極端なマッチアップ。すなわち不安定なデッキの完成。高レベルでは勝率が明らかに下がる。また将来増えそうなデッキのいくつかもこのデッキに強い。したがっていつまでこの成功が続くか疑問。そしてガラクロンドプリーストは明らかに最弱、コンボプリーストも微妙なためアンドゥインの未来は暗い。

 ガラクロンドシャーマンの勝率はまともなレベルにまで下がったが、果たして世界は平和になったのだろうか。構築を詳細に調べると、眠れる巨人が見つかる。ほとんどのプレイヤーはナーフに正しく適応できていない。クラス別の項目で、ガラクロンドシャーマンを再び頂点に引き戻す構築を紹介したい。げこ。

 バランス調整によって救われたクラスの一つがウォーロック。パッチ前はひどかったが、現在のズーはかなり戦えるように見える。ローグの全アーキタイプに有利で、フェイスハンターが減少すれば好都合。しかしウォリアーとシャーマンには強くないのでトップデッキになるとは考えにくい。彼らのガラクロンドヒロパはズーにとって非常に厄介。ハンドロックもハンター減少はうれしく、マッチアップ分布からは希望も見える。トップデッキたちの今後の成長次第では、このデッキを見捨てるのはまだ早い。

 トップレベルにおいてはバランスがとれているように見える。しかし「バランス」などこの拡張にふさわしくない。探検同盟は悪党同盟に対して苦戦しているようだ。

  • ドルイドの新環境は良くない。唯一の希望トークドルイドもそこそこ。改良の余地もありそうなので、トップデッキ達から完全に蹴り出されることはないだろう。
  • メイジは主にフェイスハンターが消滅することで現状の窮地から脱するのを待っている。他のデッキにはまだやれるが、フェイスハンターは端的に地獄。他のデッキは全然ダメ。
  • パラディンは環境に本格的に置いて行かれかねない真の危機の中にいる。聖なる怒りはローグのせいでラダーに向いておらず、ハイランダーパラディンはどうあがいてもTier4。ピュアパラディンはピュア大惨事。

クラス別分析

ローグ

 ローグは現時点では最強クラスの一つであり、どのクラスよりも広く多彩な実験がされているクラスでもある。この章では最も堅実な主流について語る。

 まずは語りやすいハイランダーローグから。今回の他のローグとことなり、このデッキはかなり早期に構築が一つに安定し、その状態で走り出した。よって数字上は最も多く、最も安定したアーキタイプとなっている。Jambreがかなり早期に最良の30枚を選んでレジェンド1位に到達。彼が全部やってくれたので、各々がハイランダーローグについて悩む必要がなかった。バランス調整後はTylerが少しいじって再びレジェ1位に到達。

 薬師パッケージ、血の復讐パッケージ、そしてガラクロンドパッケージにハイランダー効果のカード。掲載のリストは両プレイヤーのリストとほぼ同じ。シンプルにして強い。

 次に、純粋に薬師とのシナジーに集中した断末魔ローグ。メカ・チビドラゴン型はほとんど使われておらず、アヌビサス・ウォーブリンガーを使った「令和のクエストローグ」がより多く、より成功している。このアーキタイプは改良が難しい。とっかかりとしてまずは魔法の絨毯がカスで、ネクリウムの小瓶が過小評価されているという点から。薬師は往々にしてプレイされた返しには無視されるため、小瓶を当てればたいていは勝てる。またアンカとの相性も良く、相手が沈黙や変身など対応する前にバフを載せられる。小瓶がある場合はウィスプも強く、ファラオ猫の代わりに入りうる。

 マリガンについて一言。薬師でもアンカでないカードをキープしすぎる人がいる。このデッキはこれらの特定のカードを引けるかどうかに大きくかかる。少々大げさだが、ほかのカードはどうでもいいのだ。薬師が来ていないなら、猫、スカイ賊、悪漢をキープしてアグロに備えようとしなくていい。薬師がないなら刃もいらない。ほしいのは薬師、もう1枚の薬師、アンカ、刃。この順番。そしてバックスタブは薬師がいて先攻の時だけでいい。それ以外のカードも薬師がない限りキープは考えない。薬師のないアヌビローグはクエストのないクエストローグ。

 最後にラクロンドローグ。最も改良が進んでいないアーキタイプであり、勝率が低いのもそのせいかもしれない。しかし、改良が完成したとして、どれくらい強いかも現時点では言い切れない。

 ガラクロンドローグを組む時最初に問題となるのはガラクロンドのほかに採用する勝ち筋。構築は薬師型とクエスト中の冒険者型に分かれており、薬師のほうがポテンシャルが高いらしい。

 次に考えるのはメカ・チビドラゴンとアヌビサスのどちらを入れるべきかだが、これははっきりわからない。驚きかもしれないが、ガラクロンドローグは往々にして手札に手先が貯まっており、7/7まで成長すれば大きな脅威になる。

 よって我々はリストを”2つ”掲載することにした。メインにあるのがJ_Alexanderのメカチビ型で、フレックス枠とテックカード枠を入れ替えることでアヌビ型に変わる。

ローグ:クラスレーダー
ハイランダーガラクロンドローグ
アヌビサス断末魔ローグ
ハイブリッドガラクロンドローグ

ウォリアー

 ハッ、武運を。ウォリアーはバランス調整以降、ほぼ間違いなく最強のクラスとなり、頂点の領域に2つのデッキを持っている。

 ラクロンドウォリアーはおそらく最強のデッキ。拡張初週はガラクロンドシャーマンに手も足も出なかったが、シャーマンナーフ後に蘇ってトップに到達した。

 これほど成績がいいのに、ガラクロンドウォリアーはさらなる改良の余地を持っている。BoarControlによって広まった現在一般的な構築では自傷シナジーが多く、リロイ、怒り、血盟の傭兵のコンボを搭載している。しかしこれらのカードは単独では弱く、状況を選ぶために使いにくい。とくに旋風剣と狂瀾怒濤が弱く、採用レベルですらないと考えられる。

 このデッキで最も強いカードは破滅の御子であり、ZachOはこれを最大限生かしつつ単独で強いカード(ツーデンランス、ジリアックス、新デスウィング)も入れたリストを作った。重要なのはドラゴンブリーダーとバリスタのリンチェンで、これらで御子をコピーして盤面の支配を狙う。ブリーダーとバリスタの成績は非常によく、最終的にはどのような型であってもコアになっていくと予想している。

 フレックス枠を入れ替えれば傭兵を呼び戻すこともできる。掲載のビルドは特にウォリアーミラーに強く、シャーマンを含む他の多くのクラスにも強い。傭兵パッケージは対ローグにおいて序盤で圧倒したり終盤のリーチを伸ばしてくれる。対ローグで気を付けたいのはフリック・スカイシヴで、御子は場合にもよるができるだけ除去に使い切り、盤面に残らないようにしたい。御子にフリックを当てられるとひどいことになる。

 海賊ウォリアーもまた非常に成績がよく、またガラクロンドウォリアーと異なり最適ビルドが早く見つかった。飛行砲撃はしけ、空の略奪者、パラシュートパイレートは素晴らしい追加カード。このデッキの最大の特徴はリソース持続力と耐久性の高さで、ガジェッツァンの海賊ウォリアーとは正反対。イカリ、ツーデンランス、財宝荒らしは遅いデッキをバリューで圧倒できる。特にイカリは強力で、序盤に引けたときの勝率上昇は往年のケレセスやバーンズ並み。

 念のため書いておくが、ガラクロンド・海賊のハイブリッドデッキは特に強くはない。大いに劣化するように見える。

 最後に、ラダーにはごく少数のコントロールウォリアー爆弾ウォリアーがいるが、どの構築も極めて弱い。古いアーキタイプたちはドラゴン大決戦環境では生き残れない。ガラクロンドなどの新しい強力なリソースに打ち勝てない。相手のリソース量に応じて勝率が変わるようなこれらのデッキには凶報。

ウォリアー:クラスレーダー
七御子ガラクロンドウォリアー
アグロ海賊ウォリアー

ハンター

 フェイスハンターは今拡張の一番乗りで、作成コストの低さもあり人気を獲得した。他の強みはナーフ前のシャーマンに唯一強く出られるデッキだったことで、あとローグにも強い。しかしバランスパッチによって環境は大きく変わり、フェイスハンターは人気を失った。ガラクロンドウォリアーが増加し、単純なプレイスタイルのフェイスハンターはライフゲインするだけで容易にカウンターされ、信用を失った。

 フェイスハンターが突出したデッキとして復活することはないと思うが、改良によって成績改善する余地はある。人気の構築は最適とは程遠い。最大の誤りはフェーズ・ストーカーに合わせて6枚もの秘策を入れていること。秘策は即座にプレッシャーにもダメージにもならないため、フェイスハンターとしては絶対に素引きしたくない。古参のプレイヤーはナクスラーマス時代に爆発の罠だけとマッサイを採用したハンターの強さを覚えているだろう。現在の正解もそれ。

 悪い秘策を抜いたことで、序盤、とくに1マナのミニオンをもっと採用できる。このデッキの最良の1ターン目は三匹がキルを貼ることだが、それが引けなかった場合に1マナミニオンが置ければ仕事ができるし、より後にヒロパを打って余ったマナを埋めることもできる。したがってドワーフの狙撃手、レプラノーム、爆熱バトルメイジは全部採用したほうがいい。ただし森林オオカミは人気だが弱いカードで、コボルトのサンドトルーパーは過小評価され気味。

 このドラゴン環境ではおそらくハイランダーハンターのほうが強く、生き残る可能性が高い。またラダーの構築は最適化されているとはいえない。人気のビルドはストームハンマーとドラゴンのビルドと、ズルジンと呪文のビルドに分かれているが、我々はどちらかのみを選ぶのが間違いだと考える。

 掲載のリストはどちらのパッケージも採用しつつ、ヴェラナスの効果を最大化するために砂漠の槍とスプリングポーも採用。おかしなことだが、人気の構築はこうしたサポートなしにヴェラナスだけを採用している。サポートなしではヴェラナスは弱い。

 エストハンターは少数プレイされており、我々はこのデッキが将来増加する可能性は否定できない。とくに将来、最大の天敵であるフェイスハンターが減少するならば。トップメタデッキに対してマッチアップ分布が優秀で、大決戦環境にも居場所があるかもしれない。眠れる可能性。

ハンター:クラスレーダー
三匹フェイスハンター
ドラゴンハイランダーハンター
急襲クエストハンター

シャーマン

 バランス調整前のシャーマンは歴史に残るレベルの最強クラスだった。言うまでもなくメタは不健全な状態で、結果的に史上最速のナーフが行われることになった。

 ラクロンドシャーマンはもはや環境の暴君ではないが今でも強く、しかも改良の余地もあると思われる。新しい構築が現れており、古いものよりも強い。

 その構築はカエルの精霊を利用し、メタデッキに対応する呪文を搭載。大地の衝撃や呪術はローグに強く、魔女の薬はハンターに強い。大地の力はたいていの場合追加効果が発動でき、ウォリアーにテンポを取れる。魔古の肉細工師は今はもうマリガンで優先キープするカードではないが、後半に引けば強く、突然変異すれば強いためカエルともシナジー

 この強力なドローエンジンの追加はナーフ後のガラクロンドシャーマンに驚くほど効果的。ガラクロンド系のパワースパイクがより早くなり、スペル関係のレジェンドであるゼンティーモ、ヴァルゴス、エレクトラがより安定する。シナジーは素晴らしく、試してみることを薦める。すぐにもTier1に帰ってくる予感が感じられるだろう。

 アグロシャーマンはどうやら完全に見捨てられたが、それはまだ早いと考える。バランス調整によって魔古の肉細工師・突然変異は遅すぎて採用できなくなったが、ドゥームハンマー型はローグに非常に強く、期待できる。

 エストシャーマンはパッチ前はガラクロンドシャーマンの劣化だったが、ナーフ後もそれは同じ。弱いので当然減少する。

シャーマン:クラスレーダー
かえるガラクロンドシャーマン
ドゥムハンアグロシャーマン

ウォーロック

 拡張ローンチ時は絶望的に思われた。ズーもハンドロックもシャーマン、フェイスハンター、ローグの圧の前に崩壊、最弱クラスになるだろうという予想が実現しかけていた。しかしバランス調整によって希望が再燃し、トップレベルではないものの、往年のどん底からは脱したようだ。

 ガラクロンドズーウォーロックはガラクロンドシャーマンのスローダウンに助けられ、最近は盤面をとることが許されている。Pizzaがきれいなマナカーブのリストで成功している。気を付けるべきは無貌の変性者の弱体化で、今や簡単には採用されない。ガラクロンド系のカードは他のクラスに比べると強くないが、存在意義なので1枚たりとも抜くわけにはいかない。

 ハンドロックはガラクロンドよりも純粋にドラゴンシナジーに寄せることで成功している。注意すべきはサンフューリーの護衛は強くないこと。過去のハンドロックにはよく採用されたが、今日では弱い。本人が挑発を持っているミニオンを採用したほうがいい。よって躱し身のドラコニッドは驚くほど相性がいい。カルトゥートの守護者もなくはないが、それよりもプレッシャーになるミニオンがほしい。

ウォーロック:クラスレーダー
ガラズーウォーロック
マリゴスハンドウォーロック

プリースト

 騙されて気が付いたら窮地に立たされていたクラス。今のところ、ドラゴン大決戦のプリーストは大失敗。ガラクロンドと運命の紡ぎ手を戦えるレベルまで活用することができなかった。新カードはほとんど使えない。

 しかしプリーストは古のデッキで頑張っている。確かにコンボプリーストは新環境についていけず、成長する環境に対して新カードも得られていない。しかし、復活プリーストはハンターとウォリアーに強く、現時点ではラダーの強い選択肢。現時点では。

 あくまで現時点である。問題はフェイスハンターが消えた後で、ハイランダーローグとシャーマンという頭痛の種が残り、ウォリアーも改良されつつある。

 したがって、メタが予想通りに今後進むとすれば、未来は明るくない。何か新しいデッキでも発見されない限り、クラスは二流か、それ以下にまで落ちるだろう。

プリースト:クラスレーダー
ブワンサムディーコンボプリースト
クエスト復活プリースト

ドルイド

 ドルイドの新拡張体験は今のところ残念で、どのアーキタイプも注目獲得に失敗している。でっか化は確かに強いが、それを利用するミッドレンジデッキは他のクラスに配られた強力な除去や急襲ミニオンに勝てない。テンポをめぐる争いはじわじわと平均戦闘力が上昇しており、ドルイドは出遅れ気味。

 エスドルイドもまた脇道に追いやられた。夢竜の息吹と新イセラを含む小規模なドラゴンパッケージを採用した型を見かけるが、あまりに弱いため消えつつある。ハイランダードルイドも消えていく。

 唯一戦えそうなドルイドトレントトークドルイド。ゴル、盆栽ボンバー、遊撃隊、空中栽培はどれも強力。

 カード選択を変えれば微妙に改善できる。かつて使われていたが強くないカードが使われている。代表は森の魂と古代樹の祝福。どちらも活用するには大展開が必要で、今のメタでは難しい。トレントトークドルイドは以前よりも遅いデッキとなっており、序盤からは並びにくいので古代樹の祝福が光りにくい。野生の力も比較的弱いが、選択によって死に札になりにくい。

ドルイド:クラスレーダー
トレントトークンドルイド

メイジ

 メイジのここ数週間は大変だった。熱狂的に迎えられたハイランダーメイジは今のところ残念な結果であり、一方サイクロンメイジは使えるデッキですらない。他のクラスのパワーレベルについていけてない。

 しかしながら、将来のメタの傾向を考えると可能性はまだ残っている。ハイランダーメイジの最大の天敵はフェイスハンターであり、他の相手にはまだ戦える。この相手さえ減少してくれれば、環境の中でもかなり戦えるほうになる。シャーマンとローグに強く、プリーストには圧倒的に強く、ウォリアーにも少し苦戦する程度。

 したがってフェイスハンターが理論通り消滅すれば(そう遠くないはず)、ハイランダーメイジの勝率は飛躍的に伸びるはず。トップメタまで行くことはないだろうが、かなりいいところまでは行けるだろう。

 構築に関してはいくつかの考察が得られた。フロストボルトと終末予言者はどちらも現時点では非常に弱い。序盤のミニオンがそれほど多くないメタにおいては、序盤の除去も必要ない。さらにトップメタデッキは終末予言者を簡単に処理できるため、ほぼ使いものにならない。ターン2まで自分を守ることよりも、自分の勝ち筋を増やしたほうが強い。また終盤に引くと弱い。

メイジ:クラスレーダー
ドラゴンハイランダーメイジ

パラディン

 状況は絶望的に思える。ハイランダーデッキはまるで偽造品のよう。ドラゴンシナジードルイドよりも弱く、ハンドバフでトップデッキとテンポを争う余地もない。かろうじてラダーに持ち込めるデッキはある。

 もっとも、大会はまた事情が違う。BANができるということは、聖なる怒りパラディンは最大の天敵であるローグを回避することが出来るということ。フリック・スカイシヴは悪夢。ローグでもウォリアーでもないクラスにはある程度以上に戦うことが出来るため、コンクエスト形式では悪くない。しかし、ラダーにおいては最大の天敵が頻繁に現れるため、勝率は低い。

 メカパラディンはラダーでひどい成績を出さない唯一のパラディンデッキだが、しかし強いかと言われると自信がない。我々は予想構築のうちいくつかのカードを成績を見て変更した。使うことはできるはず。メカーノエッグとケンゴーの無限軍団を利用したリストも見られるが、成績はひどい。やらないほうがいい。

パラディン:クラスレーダー
サスロヴァール聖なる怒りパラディン
スカイメカパラディン

今週のメタブレイカ

 ローグ、ウォリアー、シャーマンが最良のクラスであり、この章では各クラスの最強のデッキを紹介しておく。

 ラクロンドウォリアーは非常に強力らしく、現時点で最良のラダーデッキ。掲載のリストは我々自ら作ったもので、何人かのトッププレイヤーが既に使用して成功している。破滅の御子を最大限に活用するために組んだリストで、ガラクロンドのヒロパで顔を削りながら御子で盤面をとり続ける。コンボパッケージを採用することも可能だが、メタ次第では使えるかどうか不明。

 断末魔ローグは恐るべきポテンシャルを示しており、ローグのデッキはすべて強いが、最もメタを「破壊」しうるのはこのデッキ。アグロデッキが減少すれば、相手をひどく圧倒し10/10突撃を飛ばしてくる。最も重要な2枚のカードを把握すればもっと強く扱える。

 ラクロンドシャーマンはまだ消えておらず、頂点に復活する力を秘めている。おそらく、拡張当初ほど暴虐的ではないが、掲載のリストは本当に強い。かえるを信じよ。

ガラクロンドウォリアー
断末魔ローグ
ガラクロンドシャーマン

 お疲れ様でした