虚無層

exit from society

vS232(潮の玉座①・2022/6/11)雑翻訳

 YouTubeの「ピクチャー イン ピクチャー」がものすごく便利なんですが、それにしてもChrome版は何でこんな隠しコマンドみたいな方法でしか出せないんでしょうね

 

 『潮の玉座』最初のレポートです

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-232/

クラス・アーキタイプ使用率解説

 『潮の玉座』の発表により、仮装したローグの群れが潮のごとく打ち寄せてきたのだった。「アルタラック」と同じような雰囲気が漂っている。このクラスはラダーのほとんどで20%あたりのプレイ率を推移しているが、レジェンドで最多となり、約30%を迎える。爆弾ローグは《シャッターシャンブラー》を取り入れ、環境序盤には人気を博したが、それ以降は減少傾向にある。泥棒ローグは非常に多様な構築のクラスタをもち、残念ながら明確にサブカテゴリを分けることはできなかった。船/スマイト構築と、多くのプレイヤーが実験を楽しんでいる禁制品/テス構築は、多くのパーツが重複している。この2つを混ぜた構築も多く、ほぼすべてのカードの組み合わせが試みられている。対戦相手が何のビルドを使っていたかを明らかにしないままゲームが終了することも多く、3ターン目の《段取り》《船》《フィッシン》によって早期決着した場合などもデッキを判別できない。このアーキタイプの多くの構築や、ユーザーデータによって何が効果的なのか分かったことについて、徹底的に議論したい。話すことはたくさんある。

 ウォリアーはこのフォーマットで2番目に数が多いクラスで、高レベル帯ではコントロールウォリアーが最多アーキタイプである一方、主に低ランクではエストウォリアーが特定のニッチを占めている。コントロールウォリアーは非常に構築が多様で、さまざまなアプローチと、このクラスが手に入れた新しいカードにまつわる開発が行われている。主に、3つの構築カテゴリーを見出すことができる。エレメンタル、カザカサン、そしてガルヴァンガーOTK(これが一番少ない)だ。

 デーモンハンターはミニセットによって復活し、レジェンドで3番目に多いクラスとしての地位を確立しようとしている。フェルデーモンハンターはドレクサーの遺灰の中から立ち上がり、《カリア・フェルソウル》を使った新しいインチキパッケージを活用し、新しいカードを実験している。

 プリーストは最も変化の少ないクラスの1つで、ナーガプリーストは真剣なラダーの選択肢に見え、イノシシプリーストはいつも通りレジェンドトップで高いプレイ率を示している。クエストプリーストも普段通り、ランクが上がるほど減少していくが、新しいカードが新しい試みに火をつけたのは事実。

 神聖パラディンはラダー全体でよく見られ、《ヒカリエイ》や《ナーガ戦士》を試している構築もあるが、このデッキはコントロールウォリアーの影に隠れている。メカパラディンハンドバフパラディンはレジェンドで減少しているが、これはいつものこと。ビッグパラディンの実験が少し見られるが、あまり注目されてはいないようだ。

 ドルイドはレジェンドより下のラダーでは最も少ないクラスであり、レジェンドではプレイ率が少し増加している。星界配列ドルイドはトップレジェンドでは特にウォリアーとイノシシプリをファームするために選ばれるが、それ以外の場所ではほとんど無視される。

 バーンシャーマンは、ミニセットの初日に、《生物発光》がすべてのミニオンに+2呪文ダメージを与えてしまうバグを悪用するために出現した。ホットフィックス以降、このデッキは存在しないも同然まで減少した。《クマノミ》を使った実験がいくつかあり、雄叫びを利用するコントロールデッキと、種族を利用するアグロデッキの両方で使用されている。

 メイジはあまり変化がない。下位ランクではメカメイジの割合が多いが、ラダー上位では消えていき、代わりにナーガメイジが占めるようになる。火付けと山火事の2つのビルドに分かれており、最近のトーナメントでの成功により、火付けを支持する人が多くなっている。

 ハンターはほとんどがビッグ獣ハンターで構成されている。クエストハンターは下位ランクには存在するが、上位ランクでは消滅する。このクラスでは新カードの実験は少ない。

 ウォーロックはラダーでは多いクラスだが、上に行けば行くほど見かけることは少なくなる。トップレジェンドになると、最も少ない相手となる。呪いウォーロックは激減し、マーロックウォーロックは姿を消す。あまりいい兆候ではない。

パワーランキング解説

マッチアップ分布

パワーランキング

 また新たな「メタの暴君」が誕生するのか、それともナーフの裁きを受けるのか……?

  • ウォリアー
    • コントロールウォリアーは狂気の強さに見えるが、恐ろしいのはこのデッキがまだ構築の洗練も進んでいないということだ。プレイヤーは、レジェンドトップも含め、最適とは言えない構築でさえ信じられないような結果を出しているが、このデッキは非常に強く、最終的にどのカードを入れても極めて支配的であり続けるのだ。これだけ強力な防御パッケージがあれば、ミスの許される範囲も広い。もちろん、我々はコントロールウォリアーをさらに強くする方法を見つけ出しており、信じられないほど恐ろしい構築が2つある。コントロールウォリアーと2番目のデッキの間には、大きな力の差がある。
    • しかし、現在の環境はウォリアーに対してのパフォーマンスを改善する余地があり、どのレベル帯でもこのデッキに対する回答は存在するのだ。泥棒ローグはこのマッチアップにおいて、特定のカードを採用することでより良い結果を出すことができ、現在ほど大きな不利はつかないはずだ。ナーガプリーストはソフト・カウンターであり、もっとプレイされていいデッキ。メカパラディンとハンドバフパラディンはウォリアーを罰することができるが、ランクが上がると減少する。イノシシプリーストとドルイドは最もハードなカウンターだが、マッチアップ分布が偏っており、トップレジェンド以外ではプレイできないように見える。
  • ローグ
    • 泥棒ローグには、改善すべきことが多い。このアーキタイプは構築が混乱しているので、数値上の勝率では環境に対する真の強さについて十分に分からない。このアーキタイプの最強の構築は勝率52%に迫る勢いであり、Tier1デッキのボーダーラインであることは留意しておきたい。ウォリアーに対するマッチアップも、後で説明する特定のカードのおかげで、現在表示されているよりもかなり良くなる可能性がある。また、隠し禁制品とテスを採用した、推定勝率50%の構築も存在する。そう、ついにこれらのカードがファンデッキ以外に採用されたのだ。結論として、「泥棒ローグ」は環境が洗練されれば最強デッキの1つだが、環境の洗練が(来るべきナーフ前に)完了するのかどうかは正当な疑問である。
    • 爆弾ローグはそれほど強くはない。このデッキは、コントロールウォリアーと神聖パラディンのマッチアップに大きな問題があり、それが総合勝率にも重くのしかかっている。しかし、これらの苦戦を除けば、接戦が多く、マッチのバランスが取れているように見える。当初、このデッキは「人気だがひどく弱い系デッキ」に思えたが、いくつかの小さな調整により、環境に定着する可能性がある。驚異的な忍耐力を持たない受け身のデッキを確実に破壊する。先日のポッドキャストを収録したときよりも、マッチアップ分布が大きく改善されている。
  • デーモンハンター
    • デーモンハンターが復活し、フェルデモハンはレジェンドでコントロールウォリアーの次に強く、ラダー全体でもTier1の、最強デッキの1つになっているようだ。そのマッチアップ分布は非常にバランスがよく、不利な相手(コントロールウォリアー、神聖パラディン、ビッグ獣ハンター)がクサリヘビによって大きく改善されるのは注目に値する。
  • プリースト
    • ナーガプリーストは非常に過小評価されている。私たちは、このデッキがあまりプレイされていないのは、プレイヤーが泥棒ローグの人気に怯えているからだと考えているが、このマッチアップは見た目ほど悪くない。さらに、ナーガプリーストはコントロールウォリアーに対して充分よくやっており、全体的にもそれほどマッチアップの偏ったデッキではなく、ほとんどのデッキに対して勝ち目がある。最も厳しいカウンターであった《バーンシャーマン》はもういない。ウォリアーに問題を与えつつ、充実したマッチアップのデッキが欲しいなら、これがそうだ。
    • イノシシプリーストはウォリアーへのハードカウンターだが、他の相手に対するマッチが問題。コントロールウォリアーや神聖パラディンだらけならば夢のデッキだが、そのようなメタでも、ドルイドがすぐに追随してイノシシプリーストをハードカウンターしてしまうだろう。ラダーで安定して活躍できるニッチを見つけるのは難しい。現状ではほぼトーナメント専用のデッキだ。
    • エストプリーストは……うまく構築すれば、ひどいことにはならない。そう、ゴミのかたまりの中に、最適化すればTier3並みになる可能性のあるビルドを発見したのだ。
  • パラディン
    • 神聖パラディンはコントロールウォリアーの影に隠れている。非常に優秀ではあるのだが、圧倒的により優れた防御力の持ち主がおり、それとの直接対決にも勝てないとなれば、プレイされる正当な理由が見つからない、という問題を抱えている。ナーガプリーストがもっとプレイされるようになれば、これはパラディンデッキが得意とするマッチアップなので、状況は良い方向に向かうかもしれないが、その結果ウォリアーが大きく減少するということはないだろう。最もハードなウォリアーのカウンターのいくつかは、パラディンもカウンターする傾向がある。
    • メカパラディンは強力なコントロールウォリアーのカウンターである。当初はウォリアーがこのマッチアップをきちんと把握しているように見えたが、ウォリアーのミラーにおける軍拡競争が、このマッチを逆転させた。ハンドバフパラディンもまた、ウォリアーへのカウンター手段として優れたデッキだが、カウンター力はやや弱い。これらのデッキはスキル上限が低く、またコントロールウォリアーが最も多い高レベル帯において、いくつものデッキに対して勝率を失うことが明らかな問題。レジェンド外では非常に強いままだが、レジェンド上位ではTier2~3の地位に落ち着くのではないかと思われる。
  • ドルイド
    • ドルイドの競技プレイにおける役割はただ1つ、星界配列によってコントロールウォリアーとイノシシプリーストへのハードカウンターとしての役割だと思われる。それ以外にこのクラスをプレイする理由が全くないのは、少し悲しいことだが。
  • シャーマン
    • バーンシャーマンはバグが修正される前、1日だけTier1デッキになった(それでもコントロールウォリアーには及ばなかった!)。今では完全に消え去り、ホットフィックス後の少ないサンプルは、プレイ不可能であることを示唆している。コントロールシャーマンも良いとは思えないし、マーロックシャーマンは低MMRのラダーでもそこそこ程度。
  • メイジ
    • ナーガメイジは堅実なようだ。皮肉なことに、最近火付けがもてはやされているにもかかわらず、山火事型は火付けよりも良いパフォーマンスを見せ続けており、これはすべてのプレイ・レベルで言えることである。メカメイジは高ランクになると崖っぷちに立たされる。スタンダード環境では、クエストウォリアーに次いで2番目にスキル上限が低い。それもまた利点だ。
  • ハンター
    • ビッグ獣ハンターはレジェンド以外ではかなり優秀で、レジェンドではそれほどでもない。他のデッキほど劇的ではないが、スキル上限が低いという同様の問題がある。クエストハンターは破滅的。マルチキャスターのビルドの実験が見られたが、これは最悪。ドラゴン滅ぼしの一矢のナーフがこのデッキを殺した。
  • ウォーロック
    • ウォーロックは完全な最弱層に戻った。呪いウォーロックは、かなり数の多いランク帯でさえも弱い。マーロックウォーロックはマーロックシャーマンと同様、低MMRではまともに見えるが、それ以上では落ち込む。

クラス別分析

ローグ

 今週は、ミニセット以降の泥棒ローグにおける構築の壮絶な混乱を一掃するために、多くの作業が行われた。非常に多くの構築・アプローチがあり、それらの間に多くの重複があるため、我々はラダーに最適なリストを注意深く集めなければならなかった。その結果、最も合理的におもわれる2つの構築が完成した。

 1つ目は、アズシャラの船、フィレファイター、ミスター・スマイトを用いた、クラシックなバニラ型。これはすべてのプレイレベルで最高のパフォーマンスを発揮する構築であり、対ウォリアー戦でも(とある調整によって)最もポテンシャルが高いものである。

 禁制品やテスによる「バリュー」が、除去を多用する戦略に対してより良いパフォーマンスを発揮するはずだという直感に反して、コントロールウォリアーは実際にはそれほど受動的ではなく、ローグはウォリアーに準備の暇を与えれてしまえば盤面の圧で敗北するのだ、と理解することが重要である。《深淵よりのもの》を中心としたウォリアーの能力は、消耗戦に備えてじっくりとリソースを組み立てようとする対戦相手を欺くことができる。

 この型における最大の進展の1つは、《二重スパイ》と《怪盗紳士》を削って《隠蔽の帳》を採用したこと。これにより、ワイルドポーのノールやその他の強烈なミニオンを見つける安定性が増す。二重スパイと怪盗紳士はここ数週間、非常に残念な成績を見せていたので、あまり驚くことでもないだろう。

 デッキの枠はあと2つ残っており、理想的には、隠蔽の帳に干渉せず、エドウィンと相性の良い呪文がいい。2枚目の影隠れを復活させてもよいが、30枚目のカードはちょっと難しい。ヴァネッサやオオカニを選ぶプレイヤーもいるが、どちらのカードもあまり合っていないように見える。私たちは最終的に、デッキに使える可能性のあるカードとして《ちょいと拝借!》を特定した。もっとデータが必要だが、試してみる価値はあるだろう。

 この型の話はまだ終わらない。ごく最近の動向として、プレイヤーは隠蔽の帳の安定性をある程度放棄し、《SI:7の強要》の代わりに《土木作業員》を追加してコントロールウォリアーとのマッチアップを最大化する方向に動いていることがわかった。土木作業員は泥棒ローグにおいて非常に強力な1ターン目のプレイであり、特に先攻の場合、コントロールウォリアーは特にゲーム序盤の回答を持っていない。このマッチアップではかなりの確率で複数枚のカードを引くことができる。トップレジェンド(あるいはこのレポートの後には環境全体)で起こりがちな、多くのウォリアーに直面している場合は、《SI:7の強要》と《ちょいと拝借!》のかわりに《土木作業員》と《クサリヘビ》を採用することは、マッチアップを劇的に変化させる非常に賢明な選択だ。ローグはこの方向に変化していくだろう。

 2つ目のバリエーションは《隠し禁制品》と《テス・グレイメイン》を採用する。そう、テス/禁制品クラスタのいつもの弱いデッキ群の中に、高レベル帯でも活躍できる競技的リストがあったのである。重要なのは、《船》《スマイト》《邪道刺し》によるバーストを抜かないこと。このデッキのゲームプランは、ある種のインチキプレイ(大当たりだ!&スウィフトスケイルのトリックスター、段取り&船、アズシャラ女王&超巨大ミニオン、偵察)を仕掛け、禁制品/テスでさらにアドバンテージ差を広げていき、そしてバーストでゲームを終わらせることだ。

 隠蔽の帳を採用しないので、強要のかわりに土木作業員を採用するのには疑問の余地もない。これもウォリアーに対して充分に強いリストだ。バニラ構築よりは劣るが、スタンダード環境でも一定の居場所をもつことができる。

 爆弾ローグはパッチ初期に多くの支持を得たが、泥棒ローグの最強ビルドの性能に匹敵する能力があるとは思えず、対ウォリアーのマッチアップで大きく苦戦するため、現在は減少の一途をたどっている。もしこのデッキをプレイするのなら、わざわざエドウィンを使う必要はない。このカードはほとんどの試合で勝敗に関係しない。泥棒ローグでの活躍、そしてこのデッキがどれだけウォリアー(とパラディン)に対する改善を望んでいるかを考慮して、土木作業員を採用することをお勧めする。

ローグ:クラスレーダー

バニラ(船)泥棒ローグ
ジャックポット泥棒ローグ

マエストラ機雷ローグ

ウォリアー

 コントロールウォリアーは狂気。『潮の玉座』はこのアーキタイプにさらなる力を与え、このフォーマットを支配するまでになった。《火成の溶岩食らい》は《深淵よりのもの》の完璧なフォローアップであり、《潮のレヴナント》は非常に強力なスタビライザーでありながら、ウォリアーを「攻める側」に変えることもできる。

 このアーキタイプはラダーでのビルドが多様で、大きく分けて3つのカテゴリーを見出すことができる。エレメンタル、カザカサン、ガルヴァンガーOTKだ。我々は他を圧倒する2つのビルドを厳選し、そのうちの1つには驚くべきひねりが加えられている。

 1つ目は、溶岩食らいとレヴナントを組み込んだ新しいビルド。そのレイトゲームの勝ち筋は派手なものではない。除去やアーマーによって耐えた後、大きいミニオンを出して、相手に大きいダメージを与えるだけ。このデッキはフィニッシュためにオフボードのダメージに依存しており、最も人気の構築では《ガルヴァンガー》が抜けているのが不思議である。なぜアレクストラーザは入っていてガルヴァンガーが入っていないのだろうか? 答えは、両方ともデッキに入れるべきであり、ガルヴァンガーがこのリストをさらにレベルアップさせていることはもうお分かりだろう。

 このエレメンタル・コントロールウォリアーの構築は無茶苦茶強力で、現在このフォーマットで「最強の30枚」となっている。しかし、この構築には重大な欠点がある。それは、《カザカサン》型に対する相性の悪さである。カザカサン型は、他の環境デッキに対してそれほど不条理な強さはないにもかかわらず、この一点のために依然として人気がある。

 だが、悩む必要がないとしたら? そう、我々はエレメンタルとカザカサンが同居した、新しいハイブリッド・リスト「ドラゴメンタルズ」を作る方法を見つけた。ガルヴァンガーとアレクスの大型フィニッシャーと、状況に応じた乱闘、そしてシールドスラムを1枚削っているだけだ。相手のミュターヌスに対する耐性を高めるために、2枚目の融合体を追加して重装鎧を1枚抜いてもいい。パラディンドルイドが心配なら、2枚目の重装鎧は乱闘に代えてもいい。

 「ドラゴメンタル」構築は、エレメンタルの構築と同じくらい他の環境デッキに対して強力でありつつ、ミラーではるかに優れている。実際、ミラーでは通常のカザカサン構築に勝り、実質的に上位互換となっている。ガルヴァンガーOTK型はウォリアーのミラーに弱く、いくつかのマッチアップ(イノシシプリースト、ナーガメイジ、呪いウォーロック)を除いて他の環境デッキに対する勝率も低いので、ラダーでプレイする正当性を見出すのに苦労している。

 この2つの構築により、ウォリアーはスタンダードの頂点に立っており、これからもそうなるであろう。

ウォリアー:クラスレーダー

エレメンタル・コントロールウォリアー
ドラゴメンタル・カザカサン・コントロールウォリアー

海底都市環境クエストウォリアー

デーモンハンター

 デーモンハンターは環境における絶好のポジションに急浮上している。《化石マニア》の追加により、フェルデーモンハンターのゲームプランの安定性が増加し、《カリア・フェルソウル》と《深淵のザイラグ》のパッケージにより、《ドレクサー》のナーフ後に欠けていたインチキ要素が追加された。

 《混沌の伝令》は別のフォーマットでは良いカードのようだが、現状では採用には大いに疑問がある。ウォリアーに対して恐ろしく使い勝手が悪く、他のマッチアップでも十分なバリューを得られない。クサリヘビはこのデッキにとって重要なテックカードであり、3マナ3/4のカードとしてはこちらのほうが優れていると思われる。カードドローも対ウォリアーで重要であり、そのためにニード・フォー・グリードを今も採用している。素晴らしいカードではないが、必要なものなのだ。《オオカニ》は《クサリヘビ》の枠に入れることができる、もうひとつの優れたテック・オプション。

デーモンハンター:クラスレーダー

ナーガ・フェルデモハン

プリースト

 プリーストはミニセットによる変化はあまり見られない。ナーガプリーストイノシシプリーストは、以前と同じ構成で運用することを推奨する。以前と同じリストが現在も完璧であり、コントロールウォリアーへの良い回答となるようだ。《ナーガプリースト》はソフトカウンター。イノシシプリーストはハードカウンターですが、他のマッチアップで大きな問題に悩まされる。

 ところで、エストプリーストがついに競争力を持つようになったかもしれない? このアーキタイプは今までで最大のポテンシャルを見せており、洗練されたビルドならばTier 3を突破できるかもしれない。その挑戦のリストは下に掲載している。

プリースト:クラスレーダー

祝福ナーガプリースト

超銀河IQイノシシプリースト

使えなくはないクエストプリースト

パラディン

 神聖パラディンはこの環境でも非常に強いデッキのようではあるが、より成功した防衛力をもつコントロールウォリアーによって萎縮させられているように見える。また、対ウォリアーのマッチアップは、特にウォリアー側の新戦力のせいで、困難であることが証明されている。

 それでも、これは現在最強のデッキの1つであり、いくつかのマッチアップではウォリアーより良いパフォーマンスを出している。《ヒカリエイ》はこのデッキにしっかりと追加されたが、我々は《ナーガ戦士》にはあまり納得していない。30枚目のカードとして最適なのは《迸る生命》だろうと考えているが、他にも機能する選択肢をいくつか挙げている。アズシャラ女王はそこには入っていない。

 メカパラディンハンドバフパラディンはどちらもコントロールウォリアーに対して強力なマッチアップを持っており、特にウォリアーは最近、ミラーに勝つための「よくばり化」により、乱闘をカットしている構築もある。こちらのデッキの構築には変更はない。ミニセットがリリースされる前に、この対戦で最適なパフォーマンスを発揮するように既に改良されているからだ。

パラディン:クラスレーダー

スマイト・神聖パラディン

聖なる盾・メカパラディン

聖なる盾・ハンドバフパラディン

ドルイド

 ドルイドは向かい風。ランプドルイド星界配列型は、コントロールウォリアーの数が非常に多くなると予想されるレジェンドトップでのみ辛うじて使える状態だが、ラダーの他の場所ではクラス全体が非常に苦労している。

 どのドルイドデッキにも大規模な変更はない。礁のドルイドはバニラ型では海藻番より優先される。バトルマスターと2番目の巫女はウォリアーに対して重要。星界配列ではゴールドシャイアのノールが良さそう。

ドルイド:クラスレーダー

カザカサン・ランプドルイド
星界配列ドルイド

シャーマン

 バーンシャーマンは生物発光バグのホットフィックスで死亡し、そのままTier 4に急降下した。このデッキは消滅した。

 《クマノミ》と《ガーロックの荒らし屋》のマロパッケージを採用した新しい構築のコントロールシャーマンは良い結果を出していないが、そのアーキタイプの中でも強いほうの構築では、ピラニアが含まれている。《肉食の魚群》は複数の重要なマッチアップでMVPとなるカードで、魚群と《ピラニア密猟者》の同時採用をテストしてみることをお勧めする。この腹ペコの魚たちはゲーム序盤のボードコントロールを勝ち取るのに優れており、ウォリアーは最近《遺恨》をカットしはじめたので、このマッチで活躍する可能性が高い。密猟者は3ターン目に除去するのは難しい。対ウォリアーで有利なわけではないが、善戦はする。

 クマノミはデッキの中で最高のカードなのだが、それでもマーロックシャーマンが素晴らしい結果を出すにはまだ不十分なようだ。このデッキは確かに今は機能しているが、他の種族デッキと同様に、ラダーを登り、より強いプレイヤーと対戦するとその性能に悩まされることになる。私たちが気づいたことの1つは、《ワイルドポーの洞窟》はこのデッキでは非常に遅すぎるということ。ウォリアーとの対戦では《血の渇き》が2枚欲しいし、オリジナルの《フィンレー》も役に立つ。

シャーマン:クラスレーダー

マロ・コントロールシャーマン

よくばりマーロックシャーマン

メイジ

 ナーガメイジで、他の3ドロップ1枚の代わりにクサリヘビを1枚入れる、という分かりやすい調整は、現在のフォーマットでは非常に価値があるように思われる。現在、私たちは《宝物の番兵》よりも《カニバサミの執行者》を入れる方が好みだが、これはどちらでもいい。

 もしあなたが、あまり強くはないけれどもTier3に入れるに値するかもしれない、新鮮で楽しいデッキを探しているなら、ビッグスペルアミュレットメイジはふさわしいようだ。このデッキのゲームプランは、《ポスト乗り乗りダンサー》のコインで《野蛮な魔術師》や《バリンダ・ストーンハース》に「ランプ」し、ルーンやアミュレットで対戦相手を吹き飛ばすこと。また、さらなるフィニッシュ能力を求めて、「《山火事》抜きの山火事パッケージ」も採用している。ウォリアーとローグに対しては十分に機能し(五分五分)、その他の相手(メイジ、パラディン、プリースト)を圧倒できるようですが、デーモンハンターに対しては苦戦しているようだ。

メイジ:クラスレーダー

山火事・ナーガメイジ

ゲートウェイ・メカメイジ

ビッグスペル・アミュレットメイジ

ハンター

 ハンターにはあまり多くの変化はない。ビッグ獣ハンターはこのクラスで唯一有効なアーキタイプのようだ。有刺投網をデッキに加えたが、これはナーガのパッケージと相性がいいようだ。フェイリンは期待はずれで、2枚目のセイバーは結局のところそれほどホットではない、特にフェイリンなしの場合は。

ハンター:クラスレーダー

ヴァンダル・ビッグ獣ハンター
ナーガ・ビッグ獣ハンター

ウォーロック

 ウォーロックは、またしても競技プレイでは終わってしまったようだ。新カードはこのクラスを前進させるのに何の役にも立っていないが、これは驚くには当たらない。このクラスの既存の凡庸なデッキは、他のデッキからさらに離れてしまった。マーロックウォーロックはラダーの下位ランクでは大丈夫だが、環境にはもっとはるかに良い選択肢がたくさんある。呪いウォーロックはほぼプレイ不可能。

ウォーロック:クラスレーダー
奈落の呪いウォーロック

マーロックウォーロック

今週のメタブレイカ

 コントロールウォリアーは壊滅的に強力なデッキになりつつあり、この荒れ狂う獣に適応できるかどうかは他のフィールド次第となる。他のアーキタイプには構築改良の余地がたくさん残されているため、現在と全く同じパフォーマンスを維持できる保証はないが、コントロールウォリアーが「落ちる」可能性は極めて低い。

 やはり、ウォリアーはまだ最終形には至っていないというのが我々の分析。もし、今回紹介した2つのリストが私たちの予想通り強ければ、ウォリアーを1位の座から引きずり下ろすのは至難の業だろう。

コントロールウォリアー

 お疲れ様でした

 

 「躁」の時期に入ったのでゲーム映画読書自炊など色々やってるんですが、一番よかったのはアガサクリスティ『そして誰もいなくなった』でした、やはり王道

 しかしそのせいか今回の翻訳は若干言葉が固すぎたかもしれない