虚無層

exit from society

vSワイルド33(リッチキング・2023/1/16)雑翻訳

 ワイルドアグロ三銃士のコラ画像を作ろうかとも思いましたが、その時間でさっさと投稿したほうがいいことに気付いたのでやめました

https://www.vicioussyndicate.com/wild-vs-data-reaper-report-33/

クラス・アーキタイプ使用率

クラス・アーキタイプ使用率グラフ

 ローグはワイルドで最も多いクラスの1つであり、その人気はラダーを登るにつれて増加する。クラス内比率は主に海賊ローグが多いが、トップレジェンドでは亡霊ローグが増える。ラクルローグも少し存在する。

 同じようなことがシャーマンにも言え、このクラスの使用率は高ランクになるほど増加する。シャーマン・クラス内のデッキは、偶数シャーマンシャダウォックシャーマンの2つの伝統的なアーキタイプが占めている。

 メイジは、ダイヤ5以下のランク帯で最も人気のあるクラス。主に秘策メイジエストメイジの2つのデッキで構成されている。秘策メイジはダイヤモンドランクで非常に多く、10%前後の使用率を誇るが、トップレジェンドでは大幅に減少し、そこでは代わりにクエストメイジが5-6%の安定した使用率を維持している。

 プリーストのプレイ率はラダー全体を通して安定しているが、トップレジェンドになると構成が少し変わり、ビッグプリーストが減ってシャドープリーストが増える。レノプリーストはブロンズからトップレジェンドまで全てのランク帯で非常に安定したプレイ率が見られる。

 ドルイドはトップレジェンド以外では人気のクラスで、ランプドルイドが最も多くプレイされている。しかし、そのランプドルイドアーキタイプ自体は非常に苦戦しており、プレイヤーはナーフされたレナサルに適応するために様々なデッキリストを試みている。

 《文書改竄》の禁止を受けて、ウォーロックアーキタイプは分断され、あまり人気を得ていない。破棄ウォーロックレノウォーロックが最も目につくアーキタイプだが、そのプレイ率はかなり低い。偶数ウォーロック呪いウォーロックも見受けられる。

 デスナイトは新しいクラスなので当然プレイされているが、スタンダードほどのプレイ率はない。ほとんどのプレイヤーは血コントロールデスナイトや凍気バーンデスナイトといったスタンダードの戦略に似たデッキをプレイしているが、ごく一部のプレイヤーが手にしたワイルド限定のデスナイトデッキ、不浄偶数デスナイトもある。

 下位4クラスには大きな落差がある。ハンターパラディンデーモンハンターウォリアーはどのランク帯でもほとんど関心を持たれておらず、どのデッキもワイルド・フォーマットの定番となるほどの注目を集めていない。彼らのデッキの中に、過小評価された眠れるデッキが存在するかどうかを確認する必要がある。

パワーランキング解説

マッチアップ別・勝率分布

ワイルド・パワーランキング

 このフォーマットは現在、3本柱のアグロデッキによって定義されている。偶数シャーマン海賊ローグ秘策メイジである。ランク帯に関わらず、この3つのデッキは非常に好調で、デッキ選択やカード選択をする際にはその存在を十分に考慮しなければなりません。しかし、このフォーマットには未解決の要素があり、いくつかの驚きの要素もある。

  • ローグ
    • 海賊ローグはワイルドで最も強力なデッキのひとつに返り咲き、ラダー全体でTier1のパフォーマンスを発揮している。海賊ローグが現在強力なのはレナサルがそれほど普及していないためであると言っても過言ではないだろう。偶数シャーマンに対するわずかな弱点は存在するが、今は秘策メイジに対して有利なため快適にプレイできているようだ。
    • 《罪石の墓地》と《ドラカ》のナーフを受けて、ラクルローグは水の泡になると予想されていたが、スタンダードと同様、適応する力があったようだ。トップレジェンドでの性能はすでにTier1であり、さらなる改良とその高いスキル上限によって、高レベル帯で最強のデッキになっても驚きではない。他のTier1デッキに対するマッチアップ分布は非常に有望。
    • 亡霊ローグもまた、前回のレポートでついにレジェンドトップでTier2に入ることができた、スキルを試されるデッキである。しかし、レナサルのナーフにより、亡霊ローグ側が有利なマッチアップの多くが落ち、アグロデッキとの対戦も増加した。これにより、亡霊ローグの性能は最弱級に逆戻りしてしまった。偶数シャーマンや海賊ローグ、ましてや秘策メイジに対処するための装備がこのデッキにはない。
  • シャーマン
    • 偶数シャーマンは、他のTier1アグロデッキに勝てるTier1アグロデッキであるため、ワイルドで最も成績の良いデッキである。このデッキに安定して対抗するには、シャダウォックシャーマンやコントロールウォーロックなどの防御パッケージに頼らざるを得ないだろう。
    • シャダウォックシャーマンは現環境で強力な選手であり、構築の洗練によって改善される可能性を秘めている。レナサルのナーフに伴う30枚構築への回帰の動きにもよく適応しているが、まだこの変身は完了していない。偶数シャーマンへの最高のカウンターであり、ミラクルローグへの唯一のカウンターである。しかし、海賊ローグと秘策メイジは手強い相手であり、彼らがいるせいでTier1に食い込むことはできないようだ。
  • メイジ
    • 秘策メイジは、スローな戦略への最強のカウンターとして機能するアグロデッキ。偶数シャーマンと海賊ローグの両方に対して不利なマッチアップを持っているが、それらをカウンターしようとするデッキを罰することができる。レノデッキであろうとコンボデッキであろうと、あるいはその他の防御的なデッキであろうと、秘策メイジは手強い相手となるだろう。
    • 新拡張とバランスパッチで高速化した現ワイルドフォーマットにおいては、多くのアグロデッキに不利なエストメイジは苦しんでいる。
  • プリースト
    • レノプリーストは拡張とそれに続くバランスパッチの最大の敗者の1人。レナサルのナーフは大打撃を与えた。海賊ローグ以外のアグロデッキには勝てないようだし、他の、よりクロックの速いレイトゲーム戦略にはカモにされるままだ。ラダーのどこでもTier4。
    • ビッグプリーストも久々に昔と同じ状況に戻っており、低ランクではTier2、ダイヤモンド4以上ではTier3と平凡な成績ながらも、プレイヤーの人気を集めている。
    • より高速なプリーストデッキは、歴史的に過小評価され続けてきたが、今回も眠っている。神授の霊力プリースト影プリーストは優れたパフォーマンスを発揮しているが、どちらもあまり構築が洗練されていない。霊力プリーストは全てのランク帯でTier2。シャドウプリーストはラダーのほとんどでTier1であり、トップレジェンドでさえも非常に有望なマッチアップ分布を持っている。
  • ウォーロック
    • 破棄ウォーロックは、最終的に《文書改竄》の禁止につながった、フォーマットを定義するデッキだった。この禁止後も、このデッキは非常に競争力のあるレベルで機能している。禁止後の改良されたリストには、秘めた力がある。
    • 偶数ウォーロックはパッチ後に復活し、全てのランクでTier2レベルで戦っている。偶数シャーマンのカウンターを探しているプレイヤーはぜひ検討してみるといい。主な問題は秘策メイジである。
    • 呪いウォーロックは、遅いデッキが流行っており、レナサルも強かったパッチ前環境でさえもダメだった。今は明らかにうまくいっていない。プレイヤーはデッキリストを見直し、再設計する必要がある。
    • レノウォーロックは新しいメタでは苦労しているようだ。レノプリーストと同じく、完全にレナサルに固執してしまっている。このアーキタイプは再起動が必要で、おそらくトップレベルのアグロデッキを倒すことに焦点を当てた非レナサル型のリストが必要だ。現在、このアーキタイプは何もうまくいっていない。
  • ドルイド
    • ランプドルイドもレナサルを手放さなければならないデッキだ。太子は重荷になっている。この戦略は30枚構築に戻ったほうが有望で、現在の統計データよりも優れたポテンシャルをもっている可能性が高い。このフォーマットで最も逆風が吹いているアーキタイプの1つに見えるにも関わらず、Tier3の順位を保っている点は悪くない。ここには可能性が秘められている。
  • デスナイト
    • デスナイトはワイルドで非常に強力で競争力のあるデッキを持っている! 不浄偶数デスナイトは全てのランク帯でTier1デッキであり、他のアグロデッキに対して有利なマッチアップを持っている。海賊ローグを破壊し、秘策メイジと偶数シャーマンとは僅差のマッチアップを保っており、フォーマットのトップ3デッキに対して有利な位置にいる。しかし、ビッグプリーストやシャダウォックシャーマンのような、巨大なパワースパイクを利用する戦略に対しては、その”安定した”ゲームプランを吹き飛ばされ、ひどい目に遭っている。新しいデッキであり未開拓であることを考慮すると、試してみる価値はありそうだ。
  • ハンター
    • ビーストハンターはもはやワイルドの最強デッキではないようだが、まだ強い方ではあるので、ハンターはプレイ率から想像するほど悪いクラスではない。
  • パラディン
    • アグロパラディンは最新の拡張で大きな力を得たので、パワーランキングの順位もそれを反映している。そのマッチアップ分布はほとんどのデッキに対して良好だが、偶数シャーマンと海賊ローグへのマッチアップが難しいのが痛いところだ。アグロパラディンは、これらのデッキが大量に存在し続けるかぎり、エリート集団から外れる運命にある。
  • ウォリアー
    • 海賊ウォリアーは眠らせておこう。もう限界だ。激怒ウォリアーは大丈夫かもしれないが、サンプル数が少ないので自信を持って言うことはできない。コントロールウォリアーは、こちらのフォーマットでは決して良いものではない。
  • デーモンハンター
    • ワイルドのエストデーモンハンターの事情はミラクルローグと異なる。このフォーマットには全く対応できていない。クエストデッキには様々な型があるが、他のデーモンハンターデッキと同様、どれも非常に悪いものばかり。

クラス別分析

ローグ

 海賊ローグはワイルドにおいて最も支配的なデッキの1つとなっている。ナスリア時代からも強力だったものの、高レベル帯では全く歯が立たなかった。状況は変化し、海賊ローグは、現環境で最も多いデッキの1つでありながらも、あらゆるランク帯で並外れた勝率を発揮している。

 レナサルのナーフは海賊ローグにとって大きなプラスとなったが、他にも対秘策メイジのマッチアップが有利に反転するなど、他にも複数の変化が有利に働いている。海賊ローグのビルドは、ここ数回の拡張でも変更がなく、解決済のままである。

 対照的に、亡霊ローグは暴落している。メタはますますアグロになり、ワイルドで最も脆い”ガラスの大砲”コンボデッキにとっては悪夢と化している。前拡張では有望だった亡霊ローグは、現在高レベル帯でもTier 4に甘んじている。相手を倒す前に自分が死んでしまう。

 《ネクロロード・ドラカ》と《罪石の墓地》がナーフされたことで、ラクルローグは死滅するのではないかと予想されていた。ナーフの反動でこのデッキのプレイ率は低下しているが、上位ランクでの勝率は非常に良いようだ。このアーキタイプにはさらなる改善の余地があり、改良を重ねればワイルドで最高のデッキになるのではないかと考えられる。《ポスト乗り乗りダンサー》の構築が最も広く見られるが、《マエストラ》と《ワイルドポーのノール》を含むごく最近の展開はより優れているようだ。トップレジェンドでこのデッキに一貫して勝つことができるのはシャダウォックシャーマンだけ。

 爆弾ローグは《怪しい情報》のナーフ後、ほとんど姿を消したが、ある程度競争力のある選択肢となる可能性はある。

海賊ローグ

亡霊ローグ

マエストラ・ミラクルローグ

爆弾ローグ

シャーマン

 偶数シャーマンはこのフォーマットの頂点捕食者であり、他のアグロデッキを打ち負かす最高のアグロデッキ。ラダー全体で最も高い勝率を誇り、上位になればなるほどその使用率は増えていく。このデッキは非常に強力で、トップレジェンドでは”偶数シャーマンbot”の目撃例さえある。ダイヤモンドランクでは海賊ローグや秘策メイジが好んでプレイされているが、偶数シャーマンとそれ以外のデッキの間には明らかな性能差がある。

 シャダウォックシャーマンはバランスパッチによく反応し、ワイルドで最高のコントロールデッキとなった。プレイヤーは30枚リストの探求に意欲的で、これらのバージョンはレナサル型よりも強いように見える。《スカーギル》、《クマノミ》、そして猛毒のコンボを中心とした、フルマーロックパッケージが支配的なアプローチとなっている。

 対海賊ローグと秘策メイジのマッチアップの弱さがシャダウォックシャーマンの障害となっている。しかし、偶数シャーマンとミラクルローグに対してはプラスの勝率を誇っており、ワイルド環境がこのまま順当に変化していく場合、いずれ重要なポジションを占めることになるだろう。

 マーロックシャーマンは低ランクでは競争力があるものの、レジェンド上位では完全に消滅している。

偶数シャーマン

シャダウォックシャーマン

マーロックシャーマン

メイジ

 秘策メイジはラダーにおけるアグロデッキ三本柱の三本目となる。どのランクでもトップクラスの性能を誇り、使用率はダイヤモンド上位でピークに達する。しかし、海賊ローグや偶数シャーマンとは異なり、このデッキはトップレジェンドまで同じプレイ率ではない。

 秘策メイジの最大の弱点は、他の上位のアグロデッキ全てに対するマッチアップで負けてしまうこと。海賊ローグや偶数シャーマンがトップレジェンドに大量にいることを考えれば秘策メイジが落ちるのは当然に思えるが、貪欲なコンボデッキやシャダウォックの多さも、その勝率を引きずり落としている。将来的にメタがより厳しくなり、秘策メイジの成績が落ちる可能性はあるが、ワイルドは最高のデッキしかプレイできないような冷酷なメタになることはほとんどない。

 エストメイジもまた、アグロ中心の環境によって息の根を止められつつあるコンボデッキのひとつ。このデッキがプレイ可能なのはレジェンドトップだけで、ダイヤモンド以下では大惨事となる。

秘策メイジ

クエストメイジ

プリースト

 新拡張とそれに伴うバランス変更は、レノプリーストにとっては大災害だった。このアーキタイプは前回のレポートではトップレジェンドTier1に位置していたが、今ではTier4にまで落ち込んでいる。プレイヤーは新しいビルドを試すことを極端に嫌がり、古いリストでレナサルを使うことに固執している。このアプローチは明らかに失敗しており、このアーキタイプに希望があるのなら、プレイヤーは初心に帰る必要がある。

 いつものように、シャドウプリーストは非常に過小評価されている。このデッキはすべてのランクで好成績を残し、レジェンドトップでは大量の偶数シャーマンと海賊ローグが問題となるが、それでも少ししか下がらない。このデッキのマッチアップ分布は一般的に非常に均整が取れており、流行とは別のアグロデッキでラダーを上がりたいならば、素晴らしい選択肢となるだろう。

 ビッグプリーストはラダー全体を通して平凡で、上位に行くほど悪くなっていく。秘策メイジとの安定したマッチアップを除いては、このアーキタイプをプレイする良い理由を見つけるのは難しい。

 神授の霊力プリーストもまた、過少プレイなプリースト・アーキタイプである。今回、初めて、このデッキの呪文中心のバージョンがかなり強固に見えている。これらのリストがこのアーキタイプの大半を占めており、ミニオン重視のバージョンはあまり人気がない。このアーキタイプはほとんど全てのデッキに対して競争力があり、このフォーマットで最も強力なメタ外デッキの選択肢の1つ。

Lレノプリースト

影プリースト

ビッグプリースト

呪文・神授の霊力プリースト

ミニオン・神授の霊力プリースト

ウォーロック

 レナサルへのナーフはウォーロックの様々なアーキタイプにダメージを与えたが、そのおかげで1つのアーキタイプが再浮上することができた。偶数ウォーロックが復活し、すべてのランクでかなり競争力があるようだ。このデッキは、秘策メイジとの相性が悪いことと、複数のプリースト・アーキタイプとの相性が悪いことを除けば、よくまとまっている。偶数ウォーロックの人気が急上昇することは考えにくいが、シャーマンのカウンターになりうるものを探しているプレイヤーにとっては、これ以上ない選択肢である。

 他のハイランダーデッキと同様に、レノウォーロックもドン底の奥深くに新たな住処を見出している。このアーキタイプは他に類を見ないほどひどく、ワイルドで最も悪いデッキの1、2を争っている。おそらく、レナサルをやめてアグロ対策に特化すれば、このデッキをTier4上位までは導くことができるだろう。

 《文書改竄》が禁止されたにもかかわらず、破棄ウォーロックは依然として妥当なレベルのパフォーマンスを発揮している。そのマッチアップ分布は非常にフラットで、変更前にプレイヤーがカウンターの候補を見つけるのに苦労していたのも納得である。禁止後のプレイヤーはこのアーキタイプを試すことに消極的で、新しい具体的なリストが出現しない。高レベルでは、このアーキタイプをOTKスタイルのデッキに構築する実験が行われており、これは有望と思われる。またアグロ型も強いようだ。

 呪いウォーロックは弱い。これもまた、レナサルの調整後にプレイヤーベースがほとんど適応を示さなかったアーキタイプの1つ。そのマッチアップ分布は微妙で、偶数ウォーロックと比べて明確な利点がない。

偶数ウォーロック

レノウォーロック

アグロ破棄ウォーロック

コンボ破棄ウォーロック

呪いウォーロック

ドルイド

 ランプドルイドはワイルドで最も苦戦しているアーキタイプの1つ。人々はたくさんのアイデアを試しているが、そのほとんどは悪いものだ。レナサルデッキはまったくの無力だが、価値のある代替案もいくつかある。30枚のアスタラードルイドは堅実そうだ。

 このクラスの最良の選択肢は、クトゥーンドルイドかもしれない。このデッキはアルタラック渓谷環境で強力な対アグロの選択肢として注目されたが、それは今も変わっていないようだ。《菌々財宝》を使った《樫の召喚》のリストが有望だが、クエストメイジのような全く勝ち目のないマッチアップをいくつか抱えることになる。コンボが制限されたアグロ環境は、クトゥーンドルイドにとっては夢のようなものだ。

 前線崩しドルイドメックトゥーンドルイドは非常に限られたプレイしか見られない(そして弱い)し、アグロドルイドは他のアグロデッキと比べるとかなり遅れている。

クトゥーンランプドルイド

アスタラーランプドルイド

デスナイト

 血コントロールデスナイトはスタンダードのものとほぼ同じだが、どういうわけかワイルドでのほうが成績が良い。そのマッチアップの広がりは非常に歪んだものだが、海賊ローグに対して圧倒的に強いマッチアップが、このデッキをプレイアブルの境界線を越えさせた。このクラスにワイルド限定のカードは存在しないことを考えると、このデッキに有意義な改善の道筋を見出すことは難しい。

 さらにエキサイティングなニュースだが、デスナイトクラスにちょっとしたメタブレイカーが登場している。不浄偶数デスナイトは全てのランク帯でTier1だ! このデッキは1マナのヒーローパワーを活かしてミニオンを素早く吸魂させ、完全にボードをコントロールすることができる。《ボーンフリンガー》、《疫病の一撃》、《ヴライクルの死霊祭司》によって容易に序盤のボードスイングができる。

 このデッキの性質は両極端。すべてのアグロデッキに有利で、いくつかの特定のマッチアップは面白いくらいに簡単に勝てる。海賊ローグに対する75%以上のマッチアップが目を引くが、ビーストハンターやシャドウプリーストも圧倒している。一方、最悪のマッチアップは恐ろしいものである。ビッグプリースト、偶数ウォーロック、シャダウォックシャーマン、亡霊ローグらには、出会ったことを後悔させられるだろう。

 構築面では、高バリューのカードが鍵となる。《ロード・マロウガー》と《アスタラー》はこのデッキの中で最高のカードであり、レイトゲームの必要性を物語っている。残念ながら、現在のカードプールを考えると、このデッキのレイトゲームを強くするための他の選択肢はそれほど多くない。

L血コントロールデスナイト

不浄偶数デスナイト

ハンター

 ビーストハンターはワイルドで最もバランスのいいデッキの1つ。ほとんどプレイされていない偶数デスナイトに対する悪いマッチアップを除けば、このデッキは環境のほぼ全てのデッキに対して45%以上である。その人気は依然として低く、我々が繰り返し見てきたパターンだ。

 エストハンターはいくつかのエキサイティングな新カードを受け取り、完成度の高いリストに仕上げることができた。しかし残念ながら、このデッキはまだ弱い。特に偶数シャーマンに対して弱いため、今のワイルドでは厳しいだろう。

ビーストハンター

クエストハンター

パラディン

 いくつかの重要な追加要素が、アグロパラディンをティアリストに押し上げるのに貢献した。《ケルサラスに勝利を!》と《血の紋章》はリーサル能力を大きく増やし、そして重要なことに、このデッキが《御苑の御恩》をプレイする可能性を開いている。《御苑の御恩》と《権威の祝福》のパッケージは普遍的にプレイされているわけではないが、《裁判所命令》よりも優れた選択肢である。

 アグロパラディンはほとんどがクリーンなマッチアップ分布だが、海賊ローグと偶数シャーマンへの悪いマッチアップが障害となっている。海賊ローグと偶数シャーマンはこのフォーマットで最も人気のあるアーキタイプであり、アグロパラディンが上位パフォーマーに入るのを阻んでいる。

 奇数新兵パラディンは低ランクではプレイ可能だが、高レベルでは大幅に低下し、ほとんど消滅する。メックパラディンは完全に消滅する。

アグロパラディン

奇数新兵パラディン

メックパラディン

ウォリアー

 ここが特に悲惨なところである。激怒ウォリアーはこのクラスにとって最良の希望であると思われるが、プレイヤーはこのデッキに挑戦することに全く興味を示さない。これはスタンダードでも同じで、すぐに状況が変わることはなさそうだ。

 海賊ウォリアーは、低いレベルではまだ何とかプレイされており、ひどいものではない。しかし、プレイヤーがダイヤモンド上位に到達する頃には、このデッキは使い物にならなくなってしまう。

激怒ウォリアー

海賊ウォリアー

デーモンハンター

 デーモンハンターの存在はただの噂や神話のたぐいに過ぎない。エストデーモンハンターに挑戦したプレイヤーの話を聞いたことがあるかもしれないが、彼らはスタンダードに行く途中で迷子になっただけだと断言する。

 

 

 お疲れ様でした