虚無層

exit from society

vS Report 253(リッチキング⑤・2023/1/20)雑翻訳

 先週末はタイミング悪く温泉旅行に行ってたんですが、翻訳は需要があるかぎり続けるつもりです。

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-253/

クラス使用率解説

 メタの停滞感はピークに達している。トップレジェンドはくすぶる荒地であり、ローグの圧倒的な使用率によって長い間破壊され続けている。このクラスは高レベル帯で環境の50%近くを占めている。ニッチなカウンターデッキが出現し、暴君クラスへの抵抗となることを試みているが、注目を引くことはできていない。コントロールパラディンは状況を変えることはできなかった。スヴァルナプリーストは、少数ながら出現した最新の希望だが、期待しないほうがいいだろう。

 他のラダーランク帯は、それほど厳しい状況ではないようだ。レジェンド下位やダイヤモンド上位では依然としてローグが大人気だが、ブロンズからダイヤモンドにかけてはかなり戦略的多様性がある。有効なデッキがたくさん存在する。ラダー上りでは様々な種類の対戦相手と出会える可能性がある。デスナイトはダイヤモンド5以下では最も人気のあるクラス。スピッターハンターが圧倒的な勝率を誇っているが、特に高い使用率には至っていない。

パワーランキング解説

マッチアップ分布

パワーランキング

 状況は非常にはっきりしている。トップレジェンドでは、ミラクルローグとクエストデーモンハンターが最高のデッキ。スピッターハンターと泥棒ローグは勝率50%近くに位置しており、それ以外のデッキは最適とは言えないように見える。

 先週のレポート以降、コントロールパラディンが注目を集め始めた途端、時計仕掛けのように高ランクでミラクルローグとクエストデモハンに対するマッチアップが悪化しはじめ、現在は五分五分にまでなっている。その理由は2つ考えられる。1つ目は、レジェンドのトッププレイヤーが「パラディンの相手がローグの変装である」と想定しなくなったため、マッチアップに応じたマリガンを正しく行うようになったこと。もう1つは、ミラクルローグとクエストデモハンは非常に難しいデッキなので、プレイヤーが新たなマッチアップを学び、適応するのに時間がかかったということ。

 つまり、コントロールパラディンは高レベル帯の他の失敗した戦略に比べれば立派なデッキではあるが、メタブレイカーにはなり得ないということ。泥棒ローグとの難しいマッチアップを補うためには、2強とのマッチアップがもっと有利でなければチャンスはなかった。残念なことに、Tier3まで沈んでしまった。しかし、トップレジェンド以外では地味ながらも堅実なTier2デッキ。

 スヴァルナプリーストもまた、絶望的環境の産物である。ミラクルローグに対してやや有利なマッチアップを持つことに成功しており、このカード投げモンスターデッキに対してプラスの勝率を誇るデッキ一覧(クエストデモハンとこれの2つだけ)に入っている。泥棒ローグに対してはやや不利で、コントロールパラディンとコントロールウォリアーには勝っている。このようなマッチアップ分布を持つデッキで、レジェンドのトップ100やトップ10で成功する人がいることは不思議ではない。しかし、このデッキはこれら以外のほとんど全てのデッキに負けており、あと少しでも多様性のある環境ではプレイできなくなるだろう。

 他のラダーはそれほど悪くはない。レジェンドへの登りでは、競争力のあるデッキがたくさんあり、スピッターハンターが最良の選択であるようだが、プレイヤーは他の良い選択肢を使うこともできる。ブロンズからレジェンドまで、少なくとも1つのTier2デッキを持つクラスが8つある。問題は、レジェンド上位のメタがこれほど狭いと、コンテンツクリエイターが新しい発見をする可能性が非常に低くなり、ラダー全体のより多様な環境にいる人も、環境が陳腐であるように感じてしまうということ。その結果、何も新しい情報がないクラスがたくさんある。

 年末年始の休暇とパッチの周期から、開発チームにはここ数週間バランス調整を行わなかったが、来週はついに大きなバランスパッチが行わる。優先すべきはローグ、デーモンハンター、ハンターへの対応だ(ショックスピッターをナーフしないでローグとデーモンハンターをナーフしてはいけない)。しかし、不調なデッキへのバフもありそうだ。特にウォリアーとプリーストには何かが必要だ。

クラス別分析

ローグ

 メタがますます少数のマッチアップに絞られる中、ローグは最もハードな挑戦となる1つのマッチアップに勝つことに重点を置いている: クエストデーモンハンターだ。

 ラクルローグにバーストとリーチを提供してくれる《邪道刺し》の人気が上昇している。以前から言っているように、鋸歯の骨針をカットするとクエストデーモンハンターと五分五分のマッチアップになる。しかし、そこに邪道刺しが加われば、マッチアップはローグ側に有利になるのだ! この調整は、ミラーマッチや対泥棒ローグに対するミラクルローグの性能を落とすこともない。

 トップレジェンドでのカットは、《ダイオウガニ》(対デーモンハンターに弱い)と《釣りバカフィッシン》1枚。もしあなたがトップレジェンドでプレイしていないのであれば、これらのカードはキープし、代わりに《影渡りの扉》をカットすべき。よりアグロ的な環境では、扉はそれほど重要ではない。

 泥棒ローグもまた、《不審な侵入者》の代わりに《邪道刺し》を追加することで、ミラクルと同じことを始めている。侵入者の代わりに《影隠れ》をカットすることもできる。

ローグ:クラスレーダー

邪道刺し・ミラクルローグ

邪道刺し・泥棒ローグ

デーモンハンター

 エストデーモンハンターはローグをカウンターするためにできることを全てやったようで、ローグに対してこれ以上成績を上げる方法はない。泥棒ローグは大した結果を出していないにもかかわらず高い使用率を保ち続けているので、クエストデモハンはトップレジェンドで支配的なデッキであり続けるだろう。対泥棒ローグのマッチアップは、その気になればデモハンを苦しめることができるミラクルローグよりも快適だ。

デーモンハンター:クラスレーダー

烙印・フェルデーモンハンター

烙印・クエストデーモンハンター

グレイヴ・アグロデーモンハンター

ハンター

 スピッターハンターはローグ/デモハンの支配に対抗するために最後の抵抗をしている。トップレジェンドで発生したトレンド(McBanterFaceによって広められた)として、《矢の創造》と《観的手》は対デーモンハンターで有用なカードではないためカットされることがある。その代わり、プレッシャーに強い《ワンワンビスケット》と《銛撃ち銃》を採用している。

 これらの変更は対ローグのマッチアップにほとんど影響を与えないので、デモハンが非常に多いフィールドではこの代替案を実行したほうがいい。

ハンター:クラスレーダー

アスタラー・ビーストハンター

ヒドラロドン・スピッターハンター

プリースト

 スヴァルナプリーストは、トップレジェンドでは非常にニッチな使い方のあるデッキである。コントロールウォリアー同様、いくつかのマッチアップだけが重要な、極めて狭い環境の産物である。このデッキの功績は、ミラクルローグ・コントロールパラディン・コントロールウォリアーに対して有利なマッチアップを実現したこと。泥棒ローグに対して五分に近くもあるので、ローグが無限に出てくる状況であれば、活躍できる可能性はある。

 問題は、それ以外全部に負けてしまうことだ。クエストデーモンハンターのせいで、スヴァルナプリーストは高レベル帯でも決して真に素晴らしいものではなく、さらに多くのマッチアップが増えた途端、このデッキは火の車と化す。また、プレイするのが非常に難しく、アクション数も多いので、モバイルでゲームをプレイしている人や、ただ単にレジェンドに登るデッキを探している人は、このデッキには近づかないことをお勧めする。

 注目の構築は、このデッキで最も成功を収めているPocketTrainに触発されたもの。《なりすまし》(イマイチなカード)をやめて、《瞬間回復》と《貪蝕の疫病》を採用した。

プリースト:クラスレーダー

しぶとい祝福プリースト

スヴァルナプリースト

パラディン

 コントロールパラディンはミラクルローグとクエストデーモンハンターに対抗することができなかった。その存在が知れ渡ると、ローグとデーモンハンターのプレイヤーは学習し、調整し、対戦で大きく勝率を獲得した。パラディンのプレイヤーたちが対応できることは何もなかった。《遠方の番所》は仕事をすることができなかった。

 パラディンはどちらのデッキとも五分の争いができ、それは立派なことだが、そこに泥棒ローグが加わると、コントロールパラディンは高レベル帯で本物のメタブレイカーになることができない。しかし、トップレジェンド以外ではそれなりのデッキであるため、ラダー登りに適した元の形にビルドを調整した。

パラディン:クラスレーダー

ピュア・ブラッドパラディン

メタブレイカーじゃなかったコントロールパラディン

ウォリアー

 コントロールウォリアーは優れたデモハンカウンターとしての地位を確立しているが、ミラクルローグに対して十分に有利を得ることは不可能に思える。対ミラクルは五分がせいぜい。そうなると、より困難な対泥棒ローグが、大きな足かせになる。

 スヴァルナプリーストと同じく、このデッキは絶望的なフォーマットから生まれたニッチデッキである。

ウォリアー:クラスレーダー

ハンマー・コントロールウォリアー

アスタラー・激怒ウォリアー

ドルイド

 (なし)

ドルイド:クラスレーダー

巨人・ランプドルイド

伝令・アグロドルイド

デスナイト

 (なし)

デスナイト:クラスレーダー

スリザー・凍気バーンデスナイト

「L」血コントロールデスナイト

メイジ

 (なし)

メイジ:クラスレーダー

アグロ・フロストメイジ

アスタラー・ビッグスペルメイジ

アスタラー・山火事メイジ

ウォーロック

 (なし)

ウォーロック:クラスレーダー

バニラ・インプウォーロック

呪い・インプウォーロック

喰らい魔・魂壺ウォーロック

シャーマン

 (なし)

シャーマン:クラスレーダー

ネプチュロン・進化シャーマン

今週のメタブレイカ

 もう諦める。このデッキは、外部からの介入以外には止められない。使えるうちに使い倒し、ゴールデンのカードを持っておこう。終わりは近い。

ミラクルローグ

クエストデーモンハンター

スピッターハンター

 お疲れ様でした