【紳士】Xyptero・デッキ構築をしてみよう記事翻訳
Xyptero's Deckbuilding - A Case Study – Gwentlemen
今回は読み物です。GwentlemenのメンバーXyptero氏による、デッキ構築の考え方のガイドです。構築にチャレンジしてみたい方やファンデッキマニアの方に是非。
理論
デッキには三つの必要要素があります。
そのデッキの勝ち筋、その勝ち筋をサポートする安定性、相手に対応する柔軟性です。
初めの2つは非常に重要で、デッキの「コア」と呼ばれるものです。柔軟性のほうは「フリースロット」や「テックカード」と表現される、環境に合わせて入れ替える枠になります。今回の記事では「コア」を中心に書いてみます。
まず初めに、自分の使いたいギミックを搭載したカードを入れます。次に、そのギミックまわりのカードで使いたいものを好きなだけ積み込んでデッキを作ります。それが終わったら実験フェーズです。余ったスロットを適当に埋め、実際にラダーで回してみて、使えるかどうか見てみます。ここで使えなくても大丈夫。無問題です。新しいアイデアを実現するには付きものなのですから。たくさんのデッキをどんどん作っては捨てていきましょう。
では例を挙げてみます。最新パッチでXyptero氏が実際に作ったドラウナーデッキです。強いデッキというわけではないですが、説明役としては有能です。
実践: /やあ、ドラウナーだよ\
(これを含め、本記事中の画像は全てGwentlemenの元記事より引用)
まず、中心となる面白そうなカードを選ぶ。
ドラウナー:7点、忠実、ユニット1体をこのユニットと同じ列(同陣側)に移動させる。それが敵の場合、2ダメージを与え、移動先が何れかの「天候」の影響下にある場合、代わりに4ダメージを与える。
このカードはどこが強いのか?
ユニットを動かし、ダメージも与える。天候の中に動かせばもっとダメージを与える。
このギミックを最高に活かせる状況は?
- 天候の中に移動させることで、ドラウナーはもっと強くなる。
- 移動能力でユニットを一列に固めることで切り裂きなどを有効活用できる。
そのために必要なほかのギミックは?
- どのラウンドでも必ず一つ天候が出せる
- ドラウナーや、他の移動ギミック
- 一列ダメージ系
では必要なカードを。
- 天候
選択肢:雨、霧、霜、白き霜、スケリッジの嵐、干ばつ、ラグ・ナ・ログ、アバヤ、カランシール、森の精霊、ダゴン
天候は1列にあれば充分なので、白き霜やゴールド天候は不要。(個人的には入れたほうが勝ち筋が増えて強いと思いますが、いかがでしょうか)切り裂きなどの列ダメージを活かすためダメージが偏らない方が好都合なので、スケリッジの嵐や霜は良くない。天候を生成するユニットはテンポも稼げるので良いが、アバヤよりもブロンズの濃霧+フォグレットのほうが点が高いのは注意。ダゴンはR1で確実に天候を出したいので必須。
- 移動
カランシールは1体移動できる。さらに天候付き。
ジョタンは3体移動、霜の中なら3ダメージ。カランシールと良シナジー。
ドラウナーx3も忘れず。
- 列ダメージ
まずは切り裂き。
アバヤからのアラキスの毒。強いけれどドラウナーとも切り裂きとも微妙に被って使いづらい。
メリゴールドの雹嵐は不要。というのは、移動と同時にある程度ダメージを与えているため、雹嵐が充分なバリューを出せない。
安定性を上げるには?
(「問題と解決」のフェーズ。多くのデッキがこのフェーズで生まれては死んでいく。中心となるコンセプトを見失わず、何がサポートに必要なのかを見極める。)
- 問題:移動アビリティ持ちがまだ足りない。天候と切り裂きは充分にテンポを稼げるが、デッキを機能させるには移動アビリティをもっと発動させたい。
- 解決:もっとドラウナーを増やす。
- ドラガラ。
- 怪物の巣。
- ネッカー・ウォリアー。
- 問題:必要なカードは全て投入したが枚数がまだ足りない。キーカードを弾く確率を下げずに枠を埋めなければ。
- 解決:サーチと圧縮。
- 日の出x3:ドラウナーとネッカー・ウォリアーを引いてくる。ネッカー・ウォリアーが瓶底に溜め込んだドラウナーもこれで引いてこれる。
- フォグレットx1:基本的にダゴンからの濃霧で始めるので、これで圧縮とテンポが稼げる。
- 進軍命令:ドラガラ、アバヤ、ジョタン、ドラウナー/ネッカー・ウォリアーの順に引いてくる。
- ゲールズor勅令:金枠で天候を出すのがラウンド開始時の常連。勅令ならどの金枠か選べる一方、ゲールズなら銀枠を次ドローにしてくれる。
残ったスロットには何を入れるか
コアをすべて入れても残ったスロットがフリースロット、環境に合わせて入れ替えたり、コアのちょっとした問題を解決する。基本的には相手の戦略を潰すためのコントロール系カード、つまり「テック」や、テンポ&圧縮ができるコンビのカード群を入れることが多い。
テックカードについては将来また別の記事で詳しく書く予定。今回はフリースロットに入れるカードの例と、それによる構築のバリエーションを並べてみます。
- ドラガラと怪物の巣:既に採用されているのだが、彼らの生成能力は非常に柔軟性が高いことは再度述べるに値する。
- アバヤ:天候としてもダメージとしてもコアカードよりは弱いが、状況に合わせて選べるのは強力。日の出を消費せずに天候を除去できるのも良い。
- 濃霧:もし全ての天候が除去されてしまったときの追加としては霧が適任。霧は切り裂きと相性がよく、フォグレットも復活する。
- フライテナー:移動とドロー。将来的に切り裂きをすることを考えると、6点与えて圧縮と手札アド。
- モルヴッド:封印は便利。環境次第では旨いダメージ対象も現れる。
- ローチ:R1にゴールドを確実に出せるなら強い圧縮・テンポ。
- アルズールの複十字:基本的に集合(日の出)+2点。ドラウナーかネッカー・ウォリアーを引く。進軍命令には劣るがやはり優秀な圧縮。
- オールド・スピアチップ:封印されなければ強力。ドラウナーは味方も動かせるため、スピアチップを何度も移動させることで何回もダメージを与えることもできる。
- ゲラルト:アード:移動とダメージだが使い方が難しい。天候のある列から敵を取り除いてしまったりする。
- アラキスx3:興味深い選択肢。R1で出せば圧縮になるし、動かしたい相手がいないときに9点ポンと出せるのは悪くない。怪物の巣からアラキスを生成すれば、15点プレイの3枚圧縮になる。相手の撹乱にもなる。
- その他のブロンズテック:慄然たる叫び、ディメリティウムの枷、マードローメなど。環境への依存度が高い。
この記事が、イチからデッキを作りたい時の助けになれば幸いです。次の記事ではテックカードの思考法と選択について書く予定です。