虚無層

exit from society

vS Report 258(リッチキング⑩・2023/3/17)雑翻訳

 ETC前の環境です ETCの話もちょっとだけ出ます

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-258/

エディターズノート

 このレポートのパワーランキングとマッチアップの図には大量のデッキが詰め込まれているが、実は非常に濃い情報が含まれていることにお気づきだろうか。レポート本編に掲載されている画像は、オリジナルの「Tableau」で利用可能なデータの、あくまで一部サンプルであり、元データの掲載ページに行くには、画像をクリックするか、ウェブサイトのナビゲーションバーを経由するとよい。(※この翻訳ではパワーランキングのセクション冒頭のリンク「マッチアップ分布」「パワーランキング」から飛べます。)

 『集え!レジェンド・フェス』の拡張前レジェンドである《E.T.C.》は、このレポートのデータベースには含まれていない。このカードは火曜日に登場したばかりなので、このレポートでは適切に評価することができなかった。ETCについてちょっとしたコメントはするが、環境にどのような影響を与えるかはわからない。来週は、どのデッキに採用し、どう活用するのがベストなのかを確認することにしよう。評価が難しいカードなので時間が必要。

クラス使用率解説

 ローグは再び、トップ・レジェンドで最も人気のクラスに舞い戻った。先週のラクルローグの成功により、多くの高レベルプレイヤーがこのアーキタイプに戻ったが、それでも泥棒ローグの方が多い。

 アンデッドプリーストは、ラダーでこのデッキの強さを知ったプレイヤーが増えたことで、さらにプレイ数が増えている。《ナジャク・ヘクセン》のプレイが急増し、カード選択をより最適な形にしている最中である。コントロールプリーストはやや関心を集めているが、かなり使用率の低いデッキであることに変わりはない。

 トップレジェンド以外では、デスナイトが最多のクラスであり、デッキに大きな変化はない。トップレジェンドではこのクラスは著しく減少し、全てのアーキタイプが一様に減少していく。

 デーモンハンターはプレイ数が増え、レジェンドで人気クラスとなった。クラス内はほとんどフェルデーモンハンターが使われている。《シルバームーンの秘術師》の採用は広まっておらず、ほとんどのプレイヤーはパッチ初期に出現した型に固執している。スペルデーモンハンターの使用率はいまひとつ。

 エスドルイドドルイドクラスを占領しており、クエストのないランプドルイドは衰退している。このデッキはラダーを登るにつれて徐々に人気が出てくる。

 凍気アグロメイジはラダーで明確に増えたが、それでも使用率は控えめである。アグロメイジの増加以外には、メイジ・クラスに変化はない。

 パラディンは減少している。歴史的にピュアパラディンの評価が低い高ランク層では、この減少がより顕著に見られる。ピュアコントロールパラディンは、フェルデモハンとクエスドルイドの台頭により、あまりプレイされていない。一部のプレイヤーはピュアパラディンに”シルバーハンド新兵”の大型パッケージを採用しており、私たちはそれをピュア新兵パラディンとして分けている。

 ウォーロックのプレイ率は、特に高レベルで大きく低下している。今週は魂壺ウォーロックが強くなると予想していたので、この結果は興味深い。インプウォーロックも先週はかなり強かった。アンデッドプリーストとミラクルローグの増加が、このクラスにとって問題になるかもしれない。

 ハンター、シャーマン、ウォリアーに大きな動きはない。これらのクラスは発展途上のメタから除外されているように見えるが、少なくともそのうちの1つは除外されるべきではない。

パワーランキング解説

マッチアップ分布

パワーランキング

  • ローグ
    • 先週予想した通り、ラクルローグがアンデッドプリーストとごく僅差でトップレジェンド1位を獲得した。ミラクルローグの現在の姿は、拡張初期にあったような圧制的暴力とは程遠い。そのマッチアップ分布は乱れており、高レベル帯でも、多くのデッキがそれに対して有利を示している。ミラクルローグが現時点で好調なのは、クエスドルイドとフェルデモハンに対して非常に強いため。この2つのデッキは増加傾向にあり、ミラクルローグに好都合な環境を形成している。アグロ系デスナイトの減少も後押ししている。
    • 泥棒ローグはいつも通りの平凡さ。特に変わっていない。このデッキが人気なのは、プレイヤーが楽しんでいるから。
    • 断末魔ローグは人気が出るにつれて同時に勝率が落ちてきた。いくつかのメタトレンドはこのローグデッキにとって有利に働いておらず、特に恐ろしい相手である凍気アグロメイジの増加による影響が顕著に出ている。
  • プリースト
    • アンデッドプリーストはよく持ちこたえている。メタはアンデッドプリーストに対して有効なカードをすぐさま採用するには至らず(フェルデモハンはそれができるはずだが)、カウンターデッキは比較的不人気。これまで述べてきたように、アンデッドプリーストはスタンダード環境を消し飛ばして支配するようなことはない。このデッキは環境の優れたデッキの多くと僅差のマッチアップを持っているが、最も重要な点は、弱いデッキを踏み潰すという点だ。これが、このデッキが大成功した最大の理由。そのマッチアップ分布は非常にバランスが良く、メタの変化にも強い。
    • コントロールプリーストはアンデッドプリーストの明確なカウンターの1つだが、マッチアップ分布が偏っており、ある程度増えるとメタられてしまうため、Tier3から抜け出せずに苦戦している。
    • より有望な選択肢がスヴァルナプリーストで、このデッキは急激な学習曲線を描いて、徐々に勝率を向上させている。問題は、このデッキを十分なレベルまで操縦できるプレイヤーが少ないこと。そのため、このデッキのプレイ率は低く抑えられている。もし使いこなすことができれば、スヴァルナプリーストはトップレジェンドの正当なメタ候補となり、Tier2あたりに位置するだろう。
    • 祝福プリーストは少数サンプルによるとTier2に落ちたことを示唆しており、ローグに苦戦することを考慮すれば納得。エストプリーストはラダー全体を通して、素晴らしいとは言えないがそれなりにプレイできる選択肢である。
  • デスナイト
    • 凍気アグロデスナイトはラダー全体で強力なデッキであり、特にダイアモンド4以下では圧倒的支配者であり、より上のランクでもアンデッドプリーストにごく近い2位。クエスドルイド/フェルデモハンに不利なため、トップレジェンドでようやくTier2になる。
    • トップレジェンドでは不浄アグロデスナイトの成績が急上昇し、ドルイドとデーモンハンターに対してより良い結果を出す傾向があるため、凍気よりも優れた選択肢となる。しかしこれはプレイ率に反映されていないことから、プレイヤー層はこの現象を特に意識していないらしい。
    • 血コントロールデスナイトはどのランクでもかなり悪い。低ランクのメタはまだ寛容だが、高ランクになると、このデッキはあまりにも多くの戦略にとってカモになる。
  • デーモンハンター
    • 《シルバームーンの秘術師》をビルドに組み込むと、フェルデモハンスペルデモハンより優れていることがより明らかになった。これがこのアーキタイプの足枷になっている。ほとんどのプレイヤーは秘術師を採用していないため、フェルデモハンはすでに強いのに、もっと強くなる可能性がある。クエスドルイドとミラクルローグに対して苦戦するにもかかわらず、このデッキはトップレジェンドでTier2になるだろう。特にアンデッドプリーストとのマッチアップが現在よりも良くなる。これは重要。
  • ドルイド
    • エスドルイドは、いくつかの重要なカウンターのおかげで、Tier 2で抑制され、フォーマットを支配せずに済んでいる。トップレジェンドはミラクルローグがカウンターを担当しており、それ以外のランク帯ではピュアパラディンとインプウォーロックが戦線を維持する。魂壺ウォーロックは、現在のスタンダードで唯一、クエスドルイドよりも早く起動できる勝ち筋を持ったレイトゲームデッキ。コンクエスト形式の大会ではクエドルが支配的な存在になるだろう。
  • メイジ
    • 凍気アグロメイジは一歩後退したが、デーモンハンターとドルイドのコンビに苦戦を強いられていることを考えれば、それほど驚くことではない。アンデッドプリーストやミラクルローグとの強力なマッチアップのおかげで、あらゆるランク帯に対応できる、非常に優れたデッキであることに変わりはない。
    • ビッグスペルメイジはいつも通り。ラダーの大部分では非常に優秀だが、より高いMMRではその予測可能なプレイパターンを相手に悪用される傾向があるため、勝率が低下する。
    • 山火事メイジはこの環境で良い時間を過ごしているとは言えない。ファームできる相手が少ないだけでなく、魂壺ウォーロックに狩られる。
  • パラディン
    • パラディン・クラスもお決まりのパターンで、新パッチで強力なスタートダッシュを決めたあと、メタが落ち着き、高レベルプレイヤーが対応方法を身につけたことで悪化している。各種ピュア系パラディンのデッキはどれもトップレジェンドでの性能が崩壊しているが、ピュアパラディンはレジェンド外ではいまだに非常に強い。ちなみにピュア新兵パラディンはピュアパラの下位互換に過ぎない。
  • ウォーロック
    • ラクルローグやアンデッドプリーストが増加し、魂壺ウォーロックからプレイヤーを遠ざける要因となっているが、実のところこのデッキは強くなっている。追い風となる要素もある。魂壺はクエスドルイドとフェルデーモンハンターの両方に対して強く、このフォーマットで唯一、低速デッキでありながら両デッキを安定して倒すことができる。もう1つの抑圧的カウンターであるピュアパラディンが減少したことも、ポジティブな要因である。それでも、ミラクルローグの心理的プレッシャーが魂壺のプレイ率を下げていることや、現在のメタにおいて極めてマッチアップの偏ったデッキであることは否めない。
    • インプウォーロックは間違いなく弱くなった。アンデッドプリーストの台頭が大きな要因だが、トップレジェンドにおけるミラクルローグの使用率の高さも理想的とは言えない。これらのデッキに対しては、呪いパッケージの運用も意味がない。
    • ビッグウォーロックはビルド調整のおかげで大幅に改善されたが、それでもかなり悪いデッキであり、やはり姿を消しつつある。
  • ハンター
    • ハンターは評判が悪いようだ。スピッターハンターはラダー全体で良く、このデッキは特に過小評価されているといえる。最強デッキではないが、おそらく現状の1%よりはもっとプレイされていいはずだ。クエストハンターはトップレジェンドまでは勝率が高く、トップレジェンドでは環境に敵対的なデッキが増えるために墜落する(ミラクルローグ/クエスドルイド/フェルデモハンは致命的なトリオ)。ビッグビーストハンターでさえも、低ランクでは悪くない。このクラスは間違いなく死んではいない。
  • ウォリアー
    • 激怒ウォリアーは素晴らしくはないが、ビルドの洗練により、このレポートに載せたビルドは、集計上の勝率よりも有望に見える。過去に何度も言ってきたように、このデッキの最大の問題は、ほとんどのプレイヤーの目に魅力的に映らないこと。
  • シャーマン
    • シャーマンは死んでいるように見える。特に競争力がありそうなものは何もない。我々は、プレイヤーが試しているシャーマンのビルドをすべて把握しているが、これまで見てきたデッキで楽観視出来るものはない。このクラスがあまりプレイされない理由は、それが正真正銘とても弱いからである。

クラス別分析

ローグ

 ラクルローグは構築を微調整して、《アスタラー》と2枚目の《乗り乗りダンサー》を採用するとよい。《ダンサー》はパッチの発売以来、徐々に強くなっているが、アスタラーによるレイトゲームの保険をカットするのはまだ非常に不本意なので、代わりに《釣りバカフィッシン》1枚が道を空けている。

 泥棒ローグは《E.T.C.》を試しており、このカードの最大のサンプルはこのデッキから得られたが、採用圏内の強さとは言いがたい。ETCを採用した現在の構築のごく初期の印象は、最適とは言えないように見えるが、それはやはり、ETCがデッキの悪いカードというよりは、ETCで引くカードの選択が悪いせいである可能性が高い。特に、”サイドボード”のカードにするために、わざわざ”メインデッキ”から《ダイオウガニ》をカットするのは、まったくの狂気の沙汰のように見える。そんなことをしてはいけない。

居直り強盗・泥棒ローグ

ドラカ・ミラクルローグ

ちょいと拝借!・断末魔ローグ

プリースト

 アンデッドプリーストのプレイヤーは楽しい時間を過ごしている。掲載のビルドは完璧。我々は《思考喰い》よりも《ボーンコーラー》を優先する。ちなみに、リアル・チャレンジに興味があるならば、スヴァルナプリーストは(ミラクルローグ以外で)最も学びがいのあるデッキとなるだろう。相手だけでなく自分も(上達するまで)多くの苦しみを味わう可能性があるので、注意してください。

ナジャク・アンデッドプリースト

祝福(ミラクル)プリースト

疫病コントロールプリースト

メタセイヴァー・クエストプリースト

ヒーラー・スヴァルナプリースト

デスナイト

 デスナイトデッキはかなり洗練され、確立されているが、血コントロールデスナイトは来週、多くのETCデータを得ることになりそうだ。ただしその結果、広範囲に及ぶマッチアップの問題が解決されるかどうかは、大いに疑問が残る。

メネシル・凍気アグロデスナイト

伯楽・不浄アグロデスナイト

XL・血コントロールデスナイト

デーモンハンター

 フェルデモハンの《シルバームーンの秘術師》は完全にゲームチェンジャー。安定剤としての《フェル全開》による序盤戦の安定性と、フィニッシャーとしての《フェル連射》による後半戦の安定性は、どちらも《秘術師》のおかげで大きく向上している。ブランは完全に不要。秘術師の採用によってデッキの総合勝率が1~2%良くなる。

ミニオン・フェルデーモンハンター

フェル遺物・スペルデーモンハンター

ドルイド

 エスドルイドの構築は完璧に見えるが、《E.T.C.》はこのデッキの有力候補。ETCの採用によって、来週までにクエスドルイドがいくつかの厳しいマッチアップを解決できるかを観察したい。

ガフのラストダンス・クエストドルイド

クエスト抜きランプドルイド

伝令・アグロドルイド

メイジ

 凍気アグロメイジは、このフォーマットで最も支配的な2つのデッキを打ち負かす。ミラクルローグとアンデッドプリーストだ。これは非常に重要なことである。別のところにマッチアップの問題はあるが、これらのデッキを倒したいのであれば、このデッキこそ最善策である。

凍気アグロメイジ

アスタラー・ビッグスペルメイジ

ワーム・山火事メイジ

パラディン

 パラディンはレジェンドへの昇りで選ぶべき最高のクラスの1つであることに変わりはないが、もっとMMRが高くなると行き詰まることになるかもしれない。ターボ・女伯爵・ピュアパラディンのルートは、間違いなく高レベルのプレイヤーにより予測されやすいプレイパターンである。ピュア・コントロールパラディンは、もう少し動きやすいが、レイトゲームの強力なコンボデッキに対処するのは難しい。

ターボキョメーターピュアパラディン

防御型ピュアコントロールパラディン

ウォーロック

 ウォーロックはそれなり。このクラスはミラクルローグとアンデッドプリーストに苦戦する傾向というガッカリ要素はあるものの、良いニュースは、現環境のデッキはこれらだけではないということだ。ウォーロックは、序盤デッキ(インプウォーロック)と終盤デッキ(魂壺ウォーロック)の両方でクエスドルイドを倒せる唯一のクラス。

フカ能はないンプウォーロック

呪い・インプウォーロック

ノール抜き魂壺ウォーロック

魂裂破・ビッグウォーロック

ハンター

 スピッターハンターはかなり過小評価されている。プレイヤー層が単にショックスピッターに飽きている可能性もあるが、貴方が相手に唾を吐く(spit)のが好きなら、我々は貴方の味方だ。

ラストダンス・クエストハンター

ヒドラロドン・スピッターハンター

調整版ビッグビーストハンター

ウォリアー

 激怒ウォリアーはそれなり。この環境では、火炎ビルドの方が少し優れていると思われる。掲載の構築は、我々のPatreonサポーターの1人であるWorldEightの作成したリストと全く同じ。

火炎・激怒ウォリアー

シャーマン

 シャーマンは最悪。私たちは知っている。XXXXのあのデッキとYYYYのあのデッキがあるんだ。残念ながら、どれもダメなんだ。シャーマンは進化した罪の代償を払っている。

デッキリストは無し)

 

今週のメタブレイカ

 エスドルイドは、現環境のメタを真の意味で定義しているデッキかもしれない。そのレイトゲームの支配力によって、他のデッキはドルイドよりも早く動かなければならず、それによって、ミラクルローグがレジェンドトップで活躍するデッキとして確立し、ピュアパラディンとインプウォーロックがレジェンドへの上りのメタで重要なデッキとして確立する原因に繋がった。結局のところ、ミラクルローグのマッチアップ分布はそれほど恐ろしいものではない。ミラクルローグが強いのは、レイトゲームに突入する能力を持ちながら、フェルデモハンやクエスドルイドといったレイトゲームの強豪を倒すための序盤のスノーボール系カードも持ち合わせているから。アンデッドプリーストもクエスドルイドを比較的苦しめるデッキだが、マッチアップは接近しており充分勝てる相手。

 このデッキでは《E.T.C.》の活用が大いに可能であり、プレイヤーも実験を始めている。クエスドルイドはETCを活用して弱点を補い、もう一段上のレベルを目指すことができるだろうか。新レジェンドの活用が環境に大きな影響を与えるかどうかという点で注目すべきデッキがあるとすれば、まずはこのデッキだろう。

クエストドルイド

 

 お疲れ様でした

 

 普段あまりこういうことは言わないんですが、最近発売した「パラノマサイト FILE23本所七不思議」というゲームの志岐間春恵という女性キャラが非常に良かったので、皆様にお勧めしておきます。ゲーム自体もめちゃくちゃ面白かったです。PCとスマホとSwitch対応