虚無層

exit from society

vS138(突撃!探検同盟第2週)雑翻訳(19/8/23)

 文章がナーフ発表前のものなのでこれからの参考にはなりませんがまあ思い出的なアレ

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-138/

クラス使用率

 メイジが全てのランクで増加しており、ハイランダーメイジはメイジクラス内でもゲーム全体でも最多のアーキタイプ。ビッグスペルメイジとサイクロンメイジはともに減少、ビッグスペルメイジは壊滅状態でサイクロンメイジも悪党同盟時代には及ばない。

 ハイランダーハンターも、ラダーと大会の成功に乗って大きく増加。先週我々はこのデッキがメイジ・ウォリアー・プリーストに有利なので隠れたメタブレイカーとして紹介したが、世界にも見逃されなかった。他のハンターで使えそうなのはメカハンターのみ。

 低ランクでは少しずつウォリアーの数が増えているが、高ランクでは頭打ちに。レジェンドではコントロールウォリアー、アグロウォリアーともに減少したが爆弾ウォリアーが微増。

 メタブレイカーの名にふさわしく、プリーストがレジェンドでは2倍、ランク4-1では3倍近くも増加した。高ランクではハイランダーメイジに次いで2番目に多いデッキ。他のプリーストデッキは勢いがなく、レジェンドではほぼ存在しない。

 アグロローグの使用が大幅に増えており、理由はおそらくハイランダーメイジに強いから。多くのプレイヤーがメイジをメタりたがっており、その目的においてはこれが最良。一方でクエストローグの株は下がっている。クエローはメタに充分なインパクトをもたらせず、見捨てられている。

 クエストシャーマンだけが唯一、光速で放棄されていくのを逃れ、改良の余地を探られている。アグロシャーマンは減少しており、トークン型とドゥームハンマー型のどちらが良いかまだ不明。マーロックシャーマンは微増。

 パラディンはレジェンド外ではまあまあ人気。クエスパラディンでさえ少し増えたが、理由はおそらくコントロールウォリアーに非常に強いから。しかしレジェンドでのパラディン人気は急落しており、マーロックパラディンが大きく減少。

 ドルイドウォーロックは共に使用率が半分ほどにまで減少。クエスドルイドは現在のメタで居場所を見つけるのに苦労しており、一方ズーウォーロックは環境序盤のジャンクなメタでは平均より上に見えているが、これからはアグロに厳しい環境になると思われる。

パワーランキング論議

 ハイランダーデッキが支配しており、ウルドゥム環境のパワーバランスを大きく変動させている。コントロールウォリアーの全体的なマッチアップ分布は素晴らしいが、最も不利な2つのデッキであるハイランダーメイジとハイランダーハンターがあまりにも急増したため、ついにTier1から外れるほど勝率が抑えられている。
 一方で、より速いウォリアーのパフォーマンスがコントロールウォリアーを上回っており、このクラスに向けられた敵意を乗り越えるにはもっとアグレッシブになればよいという可能性を示している。爆弾ウォリアーはより対等にハイランダーデッキ群と渡り合える、理由は継続的にプレッシャーを与えつつ相手の最強カードを封じられるから。アグロウォリアーは天敵ウォリコンさえ消えれば環境の覇者になる可能性を秘めている。

 ハイランダーメイジの成功と人気は偶然ではない。安定してカウンターできるのはハンターとローグのみ。現在はこれがクラス内で最良のデッキであり、失われたサイクロンメイジよりも実際に強いと考えられる。サイクロンメイジはやはりサンプルが少ないが、競技的なランクにおいてかろうじて勝率50%という程度であり、使用率が上がる気配もない。

 ハイランダーハンターは現環境、少なくとも高ランク帯においては最強のデッキ。トップメタのデッキ群に対する勝率が高いため。今週のレジェンド1位はコンボプリとハイランダーメイジを僅かに押しのけてハイランダーハンターが取った。

 コンボプリーストのマッチアップ分布は非常に優秀なため、日々の微小なメタ変化に対して強い。これまでただ勝ちだったジャンクデッキが消えたため総合勝率は下がっているが、確立したデッキのなかでもこれに対して有利なものは多くない。よってコントロールウォリアーとは違ってTier1から落ちる可能性も低い。

 アグロローグはハイランダーデッキに強いため今週パワーランクが大きく上がり、レジェンドでは最大のエサとなるデッキが増えたためTier1。またウォリコンが減少しそうなのもローグには嬉しいが、今後もし単純にウォリアー使いがコントロールから爆弾やアグロに移動するだけだったら、予想ほど強くはなれない。

 今週は環境がより改良され、アグロに強くなるため、マーロックパラディンの勝率は下がるだろう、というのは予想されていた。しかし実際高ランク帯では予想を超えて崩壊といえるレベルにまで減少した。時間経過によって対策が進んだのがデータから読めるし、またランクが上がるほど多くのデッキ相性も悪くなってくる。またレジェンドでは非常に少なく、これはこのデッキのスキル依存度が低いことを示唆している。アグロ部門の覇者はローグに取って代わられた模様。
 クエスパラディンは相変わらず不利な状況。ウォリコンが減少し、コンボプリとハイランダーメイジが増えている状況はかなりの向かい風。レジェンドではTier4で、環境に居場所がない。

 メカハンターはハイランダーデッキに強いためある程度は戦えるが、新しいウォリアーに弱いため悪党同盟時代ほどの強さはない。

 クエストシャーマンはまだ大きなブレイクスルーを迎えていないようだが、まだこれから改良されて正しい構築に辿り着けば勝率が改善する可能性は残っている。現時点ではまだアグロ系シャーマンのほうが成績は良い。マーロックシャーマンはラダーでは一応使えるが特に優れた選択肢でもない。アグロシャーマンはドゥームハンマー型ならメイジにかなり強く、Tier2には入る。

 クエスドルイドはシェフノミコンボ型が正しい構築と思われ、この型がアーキタイプ内で増えていくにつれてTier3までは上がれそう。現時点でこれをラダーで使う意味はないが、もしバランス調整によってメイジ、ウォリアー、プリーストにメスが入れば可能性はある。(※この後実際ナーフ発表された)

 ズーの勝率は下がっており、ウォーロック・クラスの展望も暗いように思われる。クエスウォーロックはTier5の深みに消え、最もマシなズーも運が良い日でそこそこ強い程度。次のバランス調整まではこのクラスに注目するところはあまりない。

クラス別分析

メイジ

 メイジはマスターズツアー・ソウルでも大きく成功しており、ラダー・大会ともに最も人気のクラスになった。ハイランダーメイジはクラス内でも突出した優秀さで、ほぼ確実にサイクロンメイジよりも優れたデッキ。一方ビッグスペルメイジはもうダメで、消えていくと思われる。

 レノ、ゼフリスはともにゲームチェンジャーで、序盤を取られがちなメイジが欲しがっていた強大なスイングを提供してくれる。

 事前カード評価から2週間経ったが、驚くべきことに先週掲載したリストは改良の必要がない事が分かった。Nohandsgamer氏が掲載のリストで今週レジェンド5位に到達し、我々はハイランダーメイジの構築についていくつかの発見をした:

  1. 秘策パッケージをあまり多くすると強力なカードの枠がなくなるため古代の謎を抜くプレイヤーがとても多いが、これは統計的にはミスリード。古代の謎はデッキでも最強カードの一つで、序盤の安定のカギとなるカード。アイスバリアを呪文相殺に替える択はあるが、秘策パッケージ自体を抜くのは誤り。
  2. 伝書鴉とヴァルペラの悪党はほぼ同等の強さ。チョッキンガーも3ターン目の選択肢として強い。これらの強さはほとんど同じ。ヴァルペラよりもカラスのほうが攻めに傾いている。
  3. サーチは強い。ウィッチウッドの笛吹きとサンドバインダーの両方を入れることで、中盤までにほぼ確実にゼフリスを引ける。ハイランダーメイジが最強なのはレノとゼフリスのおかげなので、ゼフリスの確率を上げるだけでも大きな差が出る。
  4. プリーストは増えているものの、動物変身はそれ以外のデッキに対してあまりに使えないためやはり弱い。アメトに刺さるためプリーストにはとても強いテックカードなのだが、レジェンド上位で山ほどのプリーストに当たるのでない限りは採用しないほうが良い。
  5. ファオリス王がウォリアーに強いのは理解しやすいが、ハンターにも強いというのは直感ではわかりにくいだろう。対ハンターの勝ち筋としてまず序盤を耐え抜くのは簡単だが、往々にしてそのままレイトゲームがだらだら長引いて押し切られることが多いため、どこかで攻めに転じる必要がある。ファオリス王の作る盤面はハンターには返せないため、それで勝つことができる。

メイジ:クラスレーダー
レノ・ハイランダーメイジ
招来ビッグスペルメイジ
シアマト・サイクロンメイジ

ハンター

 ハイランダーハンターはソウルで大きく活躍し、コンボプリーストに次いで2番目に優秀なデッキだった。ウォリアー、メイジ、プリーストに強いマッチアップ分布を持つため、大会で強いのは想像に難くない。パラディンが多くなければ、このデッキはラダーで最強の選択肢の一つ。

 メカハンターハイランダーメイジに強いため、かなり信用できるラダー向けデッキ。ハイランダーメイジにとって最も苦しいのは継続的にライフを削られてルナポケを出す暇がないような相手。一方アグロミラーには弱く、また挑発が追加されたウォリコンも悪党同盟時代より難しくなっている。

 他のハンターデッキは弱い。秘策ハンターハイランダーハンターの陰に隠れて時代遅れになっており、ミッドレンジハンターは現環境の度のデッキにも苦しい戦いを強いられる。アグロデッキには非常に弱く、それを覆せるほど遅いデッキにも有利でない。

ハンター:クラスレーダー
9号ハイランダーハンター
スタンダード秘策ハンター
スタンダードメカハンター

呼び出しミッドレンジハンター

ウォリアー

 依然として環境の中心ではあるが、メタの敵意が高まり、トップメタデッキのほとんどがドクターブームを倒せるように構築されるようになって、ウォリアーの勝率は下がりつつある。しかしながら結局、アグロデッキか、狂気の天才を乗り越えるレイトゲーム戦術を持っていないデッキは、メタに参加する資格はない、という状況は変わらず。

 コントロールウォリアーはクラスの最多デッキで、最大のカウンターは(少数のクエスパラディンを除けば)ハイランダーメイジとハイランダーハンター。このデッキについては先週述べたことが今週も当てはまる。ダイノマティックは前の拡張よりもかなり弱くなった。怒りの災厄はメイジとプリーストがいるかぎり強力。

 爆弾ウォリアーハイランダー環境に対してこのクラスが出せる回答であり、また今週は興味深い進展があった。ソウルでのDeaddraw氏のサイドボードを見て、爆弾ウォリアーにも挑発が採用されるようになった。結果、爆弾と共にアグレッシブな攻めができる挑発パッケージは構築価値が高いことが分かった。受け身のカードを落としてアグレッシブに寄せることでより早く倒すことを目指し、フィニッシャーとして血盟の傭兵も採用できる。

 アグロウォリアーは今も基本的にウォリコン以外に対して強く、ラダーで珍しくなくなった今でも成績は落ちていない。甘く見ると死ぬ。

ウォリアー:クラスレーダー
挑発コントロールウォリアー
挑発爆弾ウォリアー
アルカナイト・アグロウォリアー

プリースト

 先週のラダーにおける突然の発生を経て、コンボプリーストのラダー人気は急上昇した。ゲーム全体でも最も人気のデッキの一つとなり、特に高レベルではハイランダーメイジに次いで2番目に多い。

 そしてラダーで強いだけでなく、ソウルでの圧倒的成績から大会でも最強のデッキである可能性が示されている。ただし効果的なサイドボード構築の力がない疑惑はある。

 使用率が増えたことで、いくつかのカードが試験的に使われているのを観測できた。「沈黙」のパワーレベルは大いなる解呪と同等で、沈黙の方がミラーに強い。アベコベーターの強みは対メイジに現れ、終末予言者を処理できるし内なる炎の3枚目としても使える。掲載のリストは広く様々な相手に対して強く戦えるため今でも気に入っているが、特定の相手をメタりたい場合は聖なる波紋や大いなる解呪を抜くことができる。最も聖なる波紋は対アグロで最強のカードのひとつでもある。

プリースト:クラスレーダー
ライトウォーデン・コンボプリースト

ローグ

 ローグは現環境における重要な役、つまりメイジを殺す役を担っている。アグロローグは光速ダメージと手札からのバースト力(メイジの防御策をすり抜けられる)により、ハイランダーメイジに対して最も強いデッキ。メイジに強いだけでなく、ウォリアー以外は全体的に優れたマッチアップ分布も持っている。ちなみにエストローグはバランス調整までは居場所がない。

 アグロローグの構築は一つの最適解に近づいている。フェアリードラゴンは興味を失われ、ヘンチクランのゴロツキの人気が増えている。どちらもメイジに強いが、フェアリードラゴンは他の相手に強くなく、ゴロツキはより汎用性が高い。3マナでコンボを要求するミニオンが多い中、ゴロツキは特に先攻においてマナカーブの安定に貢献してくれる。

ローグ:クラスレーダー
スタンダードアグロローグ
テス・クエストローグ

シャーマン

 シャーマンはトップメタ参入の機会をうかがっており、今もデッキ改良の途中。

 Zalae氏がレジェンド10位ヒットしたエストシャーマンは突然変異と元チャンピオンを抜いている。遅いデッキ相手には突然変異のテンポ力は充分でないため、この調整は納得できる。一方、我々が最近発見した強力なカードはマーロックの災厄で、メイジにもプリーストにも強い。掲載のリストはZalae氏のリストから大地の衝撃1枚とティンクマスターを抜いて災厄2枚を追加した。

 アグロシャーマンは新しいヴェッシーナ&血の渇きによるトークン型から古き良きドゥームハンマー型に戻る兆候を示している。理由は対メイジ。メイジは横並びに強いため血の渇きを打つ暇を与えないが、一方でドゥームハンマーから出るバーストは抑えるのが難しい。したがって現在のメタではドゥームハンマーのほうが効果的であり、今後より多くなるだろう。

シャーマン:クラスレーダー
災厄クエストシャーマン
ドゥームハンマーオーバーロードシャーマン
ウルドゥムマーロックシャーマン

パラディン

 パラディンはラダーでそこそこの数見かけるが、レジェンドでは主なデッキ2つのどちらもアピールポイントがあまり有効に働かないため減少する。

 エスパラディンは悪名高きマッチアップの偏りの強さで、デッキの強さは環境に特定のデッキ、特にコントロールウォリアーがどれだけいるかにかかっている。コンボプリーストの増加とハイランダーメイジの成功はこのデッキには悪い知らせで、今後の環境に居場所を得る可能性は低く思える。

 マーロックパラディンのほうが遥かに強いが、やはりトップメタデッキに当たるようになると頭打ちで、特にウォリアーやメイジは5ターン目のマーロック鮮鯛に対する回答を持っているため難しい。マロパラの強みは何段階にもわたって勝ち筋を持っていること。マナカーブ通りに種族を出しているだけでも強く、マナを踏み倒したマーロック鮮鯛も強く、終盤のゼフリスとシェフノミも強い。これに勝つためには、すべてのステージで除去しきるか、盤面で押し切るしかない。

パラディン:クラスレーダー
鮮鯛マーロックパラディン
クエストメカパラディン

ドルイド

 トップメタデッキと張り合えないことがわかるとプレイヤーはドルイドから離れていった。しかしさらに一週間経ってエスドルイドの強い構築が判明した。

 マリゴスよりも勝ち筋の多いシェフノミ型の方が強い。実質無限のバリューをもち、ファオリス王でより早い盤面構築もできる。Abar氏のレジェンド上位リストはなぎ払いよりも爪を優先している。爪は軽いため序盤をしのぎながらクエストを進めるのに役立つ。

ドルイド:クラスレーダー
ノミ・クエストドルイド
洪水トークンドルイド

ウォーロック

 またウォーロックが終わったのか? ウォーロックは今週大幅に使用数が減少し、ズーウォーロックは悪党同盟時代と同様に環境での居場所を得るのに苦労している。メイジ、ウォリアー、プリーストがやはり問題。これらのトップデッキと戦えない限りはウォーロックを使う理由はない。

 スラッシャー&ハゲタカを抜いて軽量ミニオンと海の巨人で戦うデッキにはわずかに可能性がある。問題は対ウォリアーでは海の巨人が永久に出せないこと。

ウォーロック:クラスレーダー
手先ズーウォーロック

今週のメタブレイカ

 ハイランダーハンターは明らかに最強のデッキであるだけでなく、バランス調整の影響を受ける可能性も低い。メイジ、ウォリアー、プリーストがこれだけ語られている中、ハンターは敵意を向けられるでもなくそれらを叩ける。まさにメタブレイカー。

ハイランダーハンター

 お疲れさまでした。