虚無層

exit from society

vS131(段取りナーフ週)雑翻訳(2019/6/02)

プロメアめっちゃ良かったので全国の皆様見てください……ぜひとも劇場で……

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-131/

 

 クラス使用率

 バランス調整で環境は無事変化、新しい勝者はハンター。これまでのハンターにとって最大の障害がローグだったので驚きはない。ローグの弱体化により、ハンターはすべてのランク帯で一番多いクラスとなった。

  1. ハンター:レジェ以外では爆弾ハンターが一番人気だがレジェではミッドレンジハンター。大会でもミッドレンジハンターは好成績で、スペシャリスト形式での最強デッキと考えられる。秘策ハンターは3位だが充分多
  2. ウォリアー:期待されたほどは減少していない。全ランクでコントロールより爆弾が多い。メカメカ大躍進までは引き続き好調っぽい。
  3. メイジ:バランス調整前の前回レポートでメタブレイカー認定したサイクロンメイジが大増加。亡霊の書メイジ(旧召喚メイジ)は少なめのまま。
  4. ローグ:大幅ナーフを受けて今も実験段階。今回レポートの手先ローグの成績はまだあまり参考にならないことを告知しておく。というのもあまりに幅広い構築をひとまとめに手先ローグとして集計しているため。現時点のローグのデッキはたいていひどい成績。それでもできる限りローグの情報を集めてクラス別の項目に述べた。
  5. シャーマン:現エキスパンション中ずっと微妙な位置を保ち続けたあげくついに急増。高ランクではフル部族シナジーにシャダウォックを加えたものが多い。バランス調整ありと言えど遅いシャーマンデッキは特に振り向かれなかった。
  6. ドルイドウォーロックトークンドルとズー、横並びアグロの代表であり、環境初期の定期イベとしてどちらも増加している。どちらのクラスも遅いデッキは息をしていない。
  7. パラディン:メカ、聖なる怒り、ともに実験中で、聖なる怒りのほうは特に高ランクに多いが、特筆するほど強くはない。1マナのクリスタル学が来るのをヨダレ垂らして待っている。
  8. プリースト:メタのどん底に沈んでいる。ミラクルプリ大幅減少、他に戦えそうなのは壁プリくらい。OTKも実装前ナーフされたし次の拡張までおとなしくしててほしい。

パワーランキング論議

  • デッキパワー値が典型的な環境初期のメタに似た広がり方をしている。レジェヒットまでは爆弾ハンター、トークドルイド、マーロックシャーマンなどのアグロが実験中のデッキを粉砕している。レジェ以上ではこれらのアグロの成績は下がり、強くはあるが最強の選択肢ではない。
  • ハンターは明らかにとても強く、また高ランクでは爆弾ハンターより強いデッキが2種類もある。ミッドレンジハンターはサイクロンメイジに大幅有利なためレジェンドではTier1。マッチアップが幅広く有利だが、数少ない弱点の一つが秘策ハンター。秘策ハンターはサイクロンメイジにめちゃくちゃ強い眠れる獅子。ミッドレンジハンターに有利でローグにかなり強い。
  • 全ランクでコントロールウォリアーよりも爆弾ウォリアーのほうが好成績。ウォリアーが一番つらいのはランク1-4帯で、そこは爆弾ハンターの巣窟。レジェではミッドレンジハンターのほうが多いためそっちを見る必要があり、そのとき爆弾ウォリアーのほうが相手を押し込む力がある。コントロール構築で受けに徹していてもミッドレンジハンターは受けきれない。爆弾ウォリアーの構築およびゲームプランの柔軟性は、これこそ現環境最強デッキだという主張にも一理なくはないと言えるレベル。
  • 多くのプレイヤーの期待に反してメイジは苦しんでいる。数週間前はサイクロンメイジこそ真理のように見えたが、今成長にストップがかかっている。以下は重要そうな事実・考察。
  1. 勝率の低さは全ランク共通で、どこでも5割を切っている。大会でも半分以下。また、あらゆるフォーマットで使用率も減少してきている。
  2. 人気が高すぎることも低勝率の一因。多くのデッキがメイジを見てメタ構築しており、サイクロンメイジ自体はそうしたメタ構築にメタ・メタ構築で抵抗する行為が難しいデッキ。また現時点の最強クラスたるハンターはメイジにとってラダーでも大会でも越えづらい壁。
  3. サイクロンメイジにはプレイスキルの差が生じにくいという兆候がデータから出ている。もっとも、もう少し時間が経たないと確定まではしない。また、相手側がメイジの処理しかたを学んでいるのも、数値化しにくいが大きな原因のひとつだと思われる。
  4. 以上を踏まえた上でサイクロンメイジの勝率はそれほど酷くはないのだが、実際の強さと勝率は釣り合っていない。メイジはこの一週間大いに注目され、一部にはカウンター不能の最強デッキだと考えられたフシもある。それは実際間違いだったのだが、かといって我々はゴミデッキを過大評価していたのだとまでは言えない。ともかく今は使われすぎ、メタのヘイトを集めすぎなので、今後は数段降りたところで落ち着くと予想、またそう願う。
  • 手先ローグも勝率良くないデッキだがこちらの原因は明らか。現時点では、とうてい使えないジャンク構築などもプレイされている。正解の構築だけ見ればポテンシャルはある。すでに高ランクでは改良が進みマッチアップも有利なものが多いため好成績を出している。数週間後にはTier1に返り咲いていても不思議ではない。
  • ランキング上位ではメタが入れ替わった一方、下位のほうはあまり変化していない。バランス調整前苦戦していたデッキは大抵いまも苦戦している。パラディンは有利デッキが少なすぎる。プリーストは底に戻った。シャーマン、ウォーロックドルイドの遅いデッキが復活したということもない。
  • 4日の強化パッチによってメタがリフレッシュされることに期待したい。現在勝てないでいる面白いデッキや弱いクラスにとっては再興の可能性が懸かっている。1マナのクリスタル学はさすがにぶっ壊れなのでパラディンストーンになる懸念もあるのだが、まあその時はその時ということで、vSとしては今回の試みに賛辞を贈りたい所存。
  • 強化パッチ後に強いと予想するデッキや、強化されるカードを用いたtheorycraftデッキなどは後日別の記事で紹介するらしいです。(※文字が多ければ翻訳するかもしれません。)紹介するデッキはすべてTier1になる可能性を秘めていると宣言しますが、レジェクラフトが無駄になっても責任は負いません。

 

クラス別分析

ハンター

  • 天敵のローグがナーフされていながら、ハンターにはナーフが入らなかったため、当然の帰結として暴れている。使用率も勝率も最強。3つのデッキがどれも強い。
  • ミッドレンジハンターはラダーと大会ともに活躍しており、早くも両フォーマットで最も影響力のあるデッキとなっている。構築はパッチ前からほとんど変わっていないが、自身の環境に合わせて変えられる部分は多い。vSが載せたデッキは最も幅広いデッキに有利を出せるリストだが、首刈り斧が抜けている、Bunnyhopper氏が2サバレジェ1位を取ったもの。首刈り斧は環境の四天王(ハンター、ウォリアー、メイジ、ローグ)に対して強くなく、ドルイドウォーロック、シャーマンに強いカード。この3クラスによく出会うなら首刈り斧を採用したほうがいい。「2枚目の必殺の一矢」、「追跡術」、「獰猛なスケイルハイド」も自由枠。ネズミ罠はたまに採用されているが、今後ローグが増えるなら現実的な採用候補となるだろう。
  • 爆弾ハンターはローグのナーフの恩寵ありがたく、今いい成績を出している。このデッキの過小評価・使われてないカードは素体フレームロボで、グルグルグライダーよりずっと2マナドロップとして優秀。ダイアウルフ&猟犬のパッケージはいまだに使われがちだがやっぱり理想主義、実際弱い。メカ・チビドラゴンが増えているがウォリアー以外には弱いので特に言及しない。
  • 秘策ハンターはまだ人気でないがラダーでは非常に強い。サイクロンメイジを叩き潰すことができ、ミッドレンジハンターに有利で、ローグにも有利。人気のデッキに対して幅広く優秀なマッチアップで、唯一のカウンターがトークドルイド大魔術師アルゴスが実は優秀で、メイジの巨人2体に対してヴァルゴスと必殺の一矢で返すことができ、4ターン目に出しても除去を強いることができ、メイジ・ローグ・ウォリアーに強い。

ウォリアー

  • 手先ローグのナーフによって、ウォリアー内最強デッキは爆弾ウォリアーとなった。ワグルピックが環境を支配していない今、ウーズは最早必要ない。現環境でコンウォリよりも爆弾が優先される最大の理由はミッドレンジハンターで、このデッキにはズルジンを出される前にこちらからプレッシャーを与える必要があるため。
  • とはいえコントロールウォリアーも弱いデッキでは決してない。なんだかんだでDKブームという超パワーカードを持っている限り弱いことはあり得ない。マロシャーなどのアグロデッキに強いのが売りだが、そんな売り目で爆弾ウォリアーにまさろうとは夢にも思えないところがある。大会ではほぼ消滅。ラダーで使うなら、メイジをみて大物ハンターやスーパーコライダーの採用をおすすめする。
  • 同じ理由でメックトゥーンウォリアーもきつい。ウォリアーミラーで輝くデッキだが、ナーフ後は多くない。爆弾のように中盤プレッシャーを与える手がなく、ウォリコンのようにテックカードを入れる隙間もないため、メイジに勝てない。

メイジ

  • サイクロンメイジはバランス調整直前に爆誕し、バランス調整後は環境のトップデッキのように人々は思ったものだが、実際は違った。ラダーでも大会でもハンターに邪魔をされている。
  • とはいえ望みは絶たれておらず、構築でハンターに抵抗することはできる。フロストノヴァはあまり多く採用されていないが、対ハンターではコアカードといっていい。不利盤面から巨人を出して逆転が望め、リーサルまでのターンを稼ぐことができる。会場警備係のような弱カードとは比べ物にならない。
  • 亡霊メイジ(旧召喚メイジ)はラダーではある程度までは戦える。ウォリアーにはやはり強いが、他のトップデッキに対して目立った勝率が出せていない。ラダーで使うなら最大の壁は爆弾ハンターになる。このマッチはスペルブレイカで大きく改善されるので、現環境のコアテックと言える。

ローグ

  • ナーフで大打撃を食らったクラスではあるが、現在の数字がそのままこのクラスのパワーレベルだとは言いにくい。手先ローグは現在かなり初期の実験段階にある。他のクラスは今やしっかりとデッキの方向性を定めている一方、ローグは道に迷ってサブ戦術に偏りすぎた構築を使ったりしている。ローグは環境初期に戻ったと考えてよく、構築が固まるにはまた数週間が必要。
  • 一週間で手先ローグを改良するのは至難だが、とりわけて優秀な構築が3種類ほど見つかっており、正解はこの中のいずれかだろうと思われる。強化パッチ後にどれが生き残るのか興味深い。
  • まず、シンプルに以前と同じ構築でナーフされたままのぶんどり部隊型。顔面力は依然として高く、武器破壊が消失した今はダメージの期待値も高い。ナーフ前と変わらず強盗王トグワグルを採用したい。ナーフによってデッキの速度が落ちたいま唯一の問題となるウォリアーに対して、追加のフィニッシャーを供給してくれる。
  • 次にKrea氏やJ_Alexandar氏によって広まったフックタスク型。ぶんどり部隊のナーフされた現環境において1ターンのテンポスイングパワーではフックタスクのほうが強い。vSのリストが一般と異なるのはワグルピックの採用で、ぶんどり部隊がなくても単独で強く、リロイと組み合わせれば当然強い。ダフ屋はフックタスクから持って来れば強いのだが素引きすると弱く、体力の低さゆえ除去も簡単なため、vSリストではグリーンスキンに代わられている。ワグルピックのダメージソースがない限り、この型はウォリアーに非常に弱い。
  • 最後に血の復讐型。これはバリュー生成や手先シナジーに注力するタイプ。最適なリストを発見するのが難しかったが興味深い構築で、対ウォリアーのポテンシャルは最も高い。
  1. 強盗系カードの採用は悪くない。血の復讐や最下層の故買屋は中盤のテンポスイング役となり、悪辣なる海賊と南海の甲板員が抜けた穴を埋めている。ブリンクフォックスやヘンチクランの強盗も優秀。
  2. マイラの不安定元素は段取りのナーフによって以前ほど強くはないがやっぱり強く、段取りを抜いたリストでも採用の価値はある。最後の一押しにやはり貢献する。
  3. サメの精霊はダメ。手先ローグでは頻繁に見かけるにも関わらず、どの角度から見てもいいところがない。4マナならワグルピックのほうが(ぶんどり部隊がなくても)はるかに強い。現在の手先ローグの数字の悪さの最大の原因の一つはサメの精霊。
  4. トグワグルの計略はサメの精霊よりさらにダメ。スペシャリスト形式のサイドボードにすら採用する価値がない。
  5. この型はぶんどり部隊型よりも遅いため、終盤のフィニッシャーが必要。よって強盗王トグワグルシェフノミは必要となり、その結果影隠れも必要となる。ライフドリンカーも終盤のライフ争いに大きく貢献してくれる。
  6. この型は構築の柔軟性がきわめて高い。もしメタが高速化して強盗王やシェフが弱くなればそれらを致死毒に変えてこちらも加速できる。が、それならぶんどり部隊型を使えばいいじゃんというのは正解。
  7. バリスタのリンチェンは現時点ではサンプルが少ないためおすすめリストには入れなかったが、ひょっとするとジリアックスよりも優秀かもしれないカード。サメの精霊と同等以上のバリューを生み出す能力がありながら、サメと違って盤面を犠牲にしない。

シャーマン

  • ナーフが来てもクラスランキング5位の座は変わらなかったシャーマン。しかしローグ・ウォリアーの減少、ハンター・メイジの増加によってマーロックシャーマンの成績は確実に上がっており、現環境はフル部族型のマロシャーにとって非常に快適。ローグの改良が進み、メイジの過剰な熱狂が終わった時にはまたつらくなるかもしれない。
  • 構築によって2,3枚のカードが異なるが、シャダウォックはほとんどのリストで採用されている。これはパッチ後急に始まった傾向なので確定で強いとは言えないものの、見たところ強いと言ってもよさそうという感じ。横並びアグロの増加を考えるとスカーギルは強いのだが、ジリアックスでも代わりの役目は果たせる。ヘンチクランの騎豚は過小評価されており、処理できない読みで出された魔法使いの弟子やハイエナを咎めることができる。1枚は採用して損しない。
  • ほかのシャーマンデッキは成績よくない。コントロールシャーマン、ビッグシャーマンともにミッドレンジハンターに弱く、トップデッキ群に対してメックハンターしか勝てるマッチがない。メックハンターだけ沈黙や回復のおかげで勝てる。

ドルイド

  • トークドルイドにとってはおいしい現象が多い。まずマッチアップが幅広く優秀なのでラダーに向いている。特にバランス調整で環境がカオス状態のときこの特徴は輝く。ハンターの増加もドルイドにはありがたく、このデッキはハンターの3種類すべてに有利。また、バランス調整を経てもやっぱりリストがマジで全く変化しないため、低資産組に優しい。ストレスフリーなラダーが楽しめるデッキ。
  • ナーフによって遅い系ドルイドが復活なんてことは無かった。復活には新拡張で強いカードの追加が必要。ウォリアーが2武器を失ってから復活するのに1年かかったわけだが、ドルイドが2マナ繁茂を失ってから復活するのにいくらかかるだろうか。

パラディン

  • こちらもナーフが特に影響しなかった類。1マナのクリスタル学まではメタの底にいる運命。
  • メカパラディンはウォリアーに勝てること以外なんの強みもないためハンターの下位互換でしかない。ずっと低使用率を保っている。
  • 聖なる怒りパラディンは上位ではより人気らしい。が、サイクロンメイジにまあまあ強いこと以外特に美点もない。Fr0zen氏はエルフの射手を1マナのサーチ先として採用し、平等と組み合わせることで対メイジの有利をさらに広げる戦略を見せた。

ウォーロック

  • ズーに光が見え始めている。ローグのナーフ、それに伴うウォリアーの減少により、ズーはメタでもう少し多くの居場所を得られるようになった。トークンドルやマロシャーには強い。またサイクロンメイジにも戦えるため、ナーフ前よりはだいぶマシ。
  • ただし楽観はまだ早い。構築の完成したアグロデッキが環境初期に強いのはある意味当然で、今後ローグの改良が完成して増加すれば、ズーもまた底に戻る可能性は高い。なのでズーにとって一番マシな時期が今なのであると考えたい。先週は何人かがズーでレジェ1位を取っている。

プリースト

  • ナーフによる現在の環境はプリースト的には最悪の極みみたいなもので、数週間前のラクルプリーストに見えた希望は完全に消滅した。2マナ触手には期待したい。それまではカジュアルかワイルドに行こう

今週のメタブレイカ

 

  • 勝率の傾向とメタスコアから、ミッドレンジハンター爆弾ウォリアーが現在のトップデッキとなる。もちろん現在も強いが、メタが彼らを見始めても耐えられるポテンシャルを持っている。秘策ハンターは人気が少ないが非常に成績がよく、今後増えてメタられても生き残れるのか興味深い。

 

お疲れさまでした。残り数日の環境ですが共に楽しみましょう……