虚無層

exit from society

vS139(ウルドゥム・ルナポケナーフ後第2週)雑翻訳(19/9/7)

 先月あれだけ記事書いていながら5勝すらしてなかったらしく流石に衝撃を受けています。ハンドロック系が無いとどうにもモチベーションが……所詮エンジョイ勢なので、せっかくなのでなにか研究してほしいデッキあれば受け付けますツイッターとかで

 前回記事からの変化:

  • 「召術師の招来」「ルナのポケット銀河系」「狂気の天才ドクター・ブーム」「倍増する腕」「バーンズ」の弱体化

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-139/

クラス使用率

 バランス調整は確かにウルドゥムの風景を一変させた。幾つかのクラスが劇的に増加し、一方であるクラスの使用率は崩壊した。注目の変化はクエストデッキで、ドルイド・シャーマンともに復活のチャンスを与えられた。メイジの破滅により、「5(4)ターン目のルナポケさえなければ中盤に強力なパワースパイクを迎えるデッキ」たちに居場所が与えられた。

 シャーマンがレジェンド、いやあらゆるランク帯でも、先頭に立ったのはいつぶりのことだろうか。クエストシャーマンはスタンダードで最も多いアーキタイプとなった。アグロやマーロックも注目に値するが、比べると数は少ない。

 クエスドルイドも同様に急増しており、レジェンドではクエストシャーマンに次いで2番目に多いデッキ。しかしクエシャーと異なり、クエドルの構築と勝率は多様なものが存在しており、序盤の改良の段階であると示唆している。またトークドルイドの徘徊も確認されている。

 ハイランダーハンターはナーフ直後の人気デッキで、レジェンド外ではハンターが最も人気のクラスとなった。ナーフ前の最強デッキ且つナーフされていないデッキなので、数が多いのも当然といえる。次に多いのはメカハンター、それから成長をやめた秘策とミッドレンジ。

 ウォリアーはDKブームのナーフを受けて大幅な内部変化を経験した。コントロールと爆弾は減少し、代わりに増加したアグロウォリアーはレジェンドでは最多。コントロールウォリアーがアグロウォリアーにとって最大の天敵であったことを思えば、これは予想できる変化。
 留意してほしいのは、アグレッシブ系ハイランダーウォリアーの統計をアグロウォリアーと統一していること。これは統計上の不可避な誤りによって生じる認識のバイアスを避けるための措置で、というのもゼフリスを除いてほぼ同じカードが使われ、試合も短いため、記録ではハイランダーウォリアーとアグロウォリアーどちらのデッキが使われたのか分からないことが多い。これを無理に分けると、現実よりもハイランダーデッキの勝率が高いような統計が得られることになる。これと同じ統一措置を、ズーとハイランダーズーでも行っている。

 パラディンは3番目に増加率が高いクラス。マーロックとクエストが一般的なアーキタイプで、聖なる怒りパラディンが後に続く。聖なる怒りはナーフ直後に若干流行したが、既に消えかけている。

 倍増する腕のナーフによってコンボプリーストの使用率は激減し、対照的に復活プリーストが増加している。コンボプリーストはまだ調整段階にあるようで、新環境での力を見せるにはもう少し時間が必要。

 ローグは減少、メイジというアグロローグ最大のエサが消えたことを思えば当然と言える。またクエストローグも、他のクラスほどには実験されていない。

 ズーウォーロックはかなり使用率が高く、コントロールウォリアーが突出していないこの環境でトップに立とうと試みている。クラス内ほぼ唯一のアーキタイプ。クエスウォーロックはほとんどいない。

 メイジは頂点からどん底へストレートに落下。日に日に減少を続けているため来週には絶滅しているかもしれない。這い上がるためにあがいている唯一のデッキはハイランダーメイジ。

パワーランキング論議

 フロントランナーはマーロックパラディンであり、ほとんどのプレイヤーにとってはレジェンド到達に最適なデッキ。これ自体は驚くことでもないが、注意すべき点はいくつかある。

  • ナーフ直後はマロパラに強いデッキがナーフされたりかなり少なかったため、今よりも更にマロパラが有利だった。将来的にこれらのデッキが帰ってくる可能性があり、そうなると勝率は下がる。
  • これと関連して、マロパラは環境初期のジャンクな環境に強いデッキである。現時点ではほとんどのデッキに有利だが、他のトップメタデッキは成長中であり、それらとのマッチアップは将来逆転される可能性がある。
  •  ナーフ前のマロパラはプレイスキル依存が低く、ナーフ後も低そうな兆候が出ている。現在高ランクでの勝率が加速度的に減少しており、特にレジェンドではやがて勝率が逆転する可能性もある。

 我々がこれから成り上がってくるベストデッキだと信じているのは、外ならぬコンボプリースト。以前言った通り、ナーフ後のコンボプリの実力はいまだ未知数であり、また見た目よりも上である。レジェンドでは既に1位を獲得しており、また一見不利に見えるマッチアップも、高レベル帯では五分から有利になっている。プレイヤーが反復学習し、最良のビルドを選べば、間違いなくメタブレイカーとなり、ウルドゥムを再び震撼させることになるだろう。

 ウォリアーは今も強い。アグロウォリアーはバランス調整の影響が有利に働き、マッチアップが優秀なため、ラダーに最適なデッキのひとつ。また、コントロールウォリアーも過小評価だと考えられる。DKブームのマナコスト増加による弱体化は受けたが、アグロが増加しつつある今の環境はコントロールウォリアーにとって美味しい。
 現時点での爆弾ウォリアーはウォリコンより弱いように見えるが、まだ全体像は掴めない。ラダーで多い構築はこのデッキのポテンシャルをフルに活かせておらず、最大に活かすためには除去を抜いてよりアグレッシブになる必要がある。今後ウォリコンが増加してアグロを抑圧し、敵意を集めたときには、爆弾ウォリアーは確実な選択肢となるだろう。現時点でも強い。

 ハイランダーハンターの勝率は低ランクではいまも充分高いが、ひとたびランク4に到達し、最人気デッキの山に突入するようになると事情は異なる。メタはより早くなり、ハイランダーハンターは厳しくなってくる。しかし今後コンボプリとウォリコンが期待される位置に復帰したら、このデッキもまた勝率が改善するだろう。
 メタが早くなってメカハンターにとっては大きな障害となっている。特にアグロウォリアーの増加が厳しい。メカハンターの成功はメイジの多さに直結するため、メイジがいないのも良くない。

 クエストデッキについて語る。いくつかのクエストは希望の持てる勝率の高さで、今後も存在すると思われる。

  • エストシャーマンは現時点では強く見えるが、メタの変化はクエシャーに良くない傾向をみせている。これからトップに増えると思われるデッキ群に対してあまり強くないため、今後は勝率が平凡レベルに落ち着くと思われる。現在最多デッキなのは過大評価。
  • エスドルイドは最もポテンシャルが高い。クエストシャーマンと違って構築が固まっておらず、改良の余地や柔軟さの指標がとても高い。今後ウォリコンとコンボプリの増加が考えられる以上、最終的にクエドルがTier1になっても驚きはない。
  • エスパラディンの希望は決して多くなく、環境が落ち着いたあとにナーフ前よりも強いということはおそらくない。プリーストへの弱さはやはり致命的で、ウォリコンに強いのを相殺している。トップメタデッキに入るには、柔軟性の低さとマッチアップの極端さがやはりネック。
  • エストローグはやっぱり弱い。復活プリースト(クエスト採用が多い)も、同じく弱い。エスウォーロックもやはりTier5。その他のクエストは少なすぎて計測できない。

 アグロローグには不利な要素が多い。現時点の勝率は悪くないが、レジェンドではTier3まで落ちており、クエスドルイドが多く、おそらくウォリアーが増えるため、未来が暗い。さらに最大の有利マッチであるメイジが消滅しているのも不利。

 ズーウォーロックはバランス調整前よりも強く見えるが、環境が安定した後も勝てるのかは疑問。ズーというデッキは環境序盤だけ強いことで有名。他の横並び系デッキと同様に(マーロックシャーマンが近い位置にいる。)、ウォリコンが少なくてクエドルが多いほどうれしい。

 メイジは終わったようだ。ルナポケと招来のナーフによって、他のクラスカードは弱く、この2枚に頼り切ったクラスであったことが暴かれた。現時点のハイランダーメイジはそれほどひどくは見えないが、メタがこれからより競技的になっていくことを考えれば未来は明るくない。新しい戦い方を発見するか、さもなくば消える。サイクロンメイジに関してはもっとひどい。招来のナーフがよりハードに響いており、統計的にも非常に悪い。

クラス別分析

シャーマン

 バランス調整によってエストシャーマンの運命が変わった。環境デッキとは決して張り合えないニッチ枠だったのがゲーム内最人気のデッキになり、少なくとも最初は悪くない勝率を誇っていた。

 先週はクエシャーでレジェンド上位達成の報告が多くあり、パッチ後の最適ビルドもほとんど確定している。最も重要な観察は「含み笑う発明家」が必要で、「元チャンピオン」よりも優先度が高いということ。どちらのカードも「突然変異」、「シャダウォック」と相性がいいが、終盤の発明家は強烈な防御・遅延効果を持つ。元チャンプはこのデッキのメインの勝ち筋であるバーンと相性が良くないが、クエスドルイドには強い。

 概して、我々は構築のうち29枚は確定とみており、最後の一枚に元チャンプを選んだ。この枠はジリアックス、シアマト、アルガスの守護者、「大地の衝撃」、ほか好きなテックカードなど何でもよい。

 充分強そうな統計は出ているものの、アグロシャーマンマーロックシャーマンはともにバランス調整後はあまり注目されていない。これらはおそらくクエストシャーマンの劣化版などではないが、現時点では評価しないでおく。

シャーマン:クラスレーダー
突然変異クエストシャーマン
ドゥームハンマーオーバーロードシャーマン
ウルドゥムマーロックシャーマン

ハンター

 ハイランダーハンターはナーフされておらず、最強デッキの一つとしてラダーに残っている。が、バランス調整の結果環境が早くなっており、勝率が抑えられている。

 環境の加速に合わせて、我々も今週の構築を変えている。サバンナ・ハイメインと「ハンターセット」は以前ウォリアーと戦うために入っていた。ウォリアーが減ったため、代わりにスプリングポーと猟犬使いを入れている。スプリングポーによって対アグロの序盤が作りやすくなり、猟犬使いは中盤の安定と、クエドルなどには即時のプレッシャーとしても役立つ。特に砂漠の槍との組み合わせが強いが、砂漠の槍はかなり過小評価されている。

 他に注目に値するのはメカハンターだが、バランス調整で大幅にダメージを受けている。メイジの消滅と、アグロウォリアー・マーロックパラディンの増加によって、以前よりも悪い位置にいる。5ターン目のマーロック鮮鯛に対する回答がなく、ウォリアーは継続的に盤面を取り、超電磁の対象を与えてくれない。

ハンター:クラスレーダー
9号ハイランダーハンター
スタンダードメカハンター

ウォリアー

 狂気の天才Dr.ブームはコスト増加というナーフを受けたが、それでも止めることはできなかった。現在のメタにおいてウォリアーは非常に強い位置にあり、全てのアーキタイプが今でも強い。

 当初、我々はコントロールウォリアーはパッチ以降カウンターデッキが増加することで勝率が一歩下がるだろうと考えていた。しかし今のところ、むしろ逆の現象が起きている。アグロデッキがいくつか増えたため、除去を最大数積むのがやはり強い。実際、ナーフによってウォリコンは弱体化したが、一方で有利なデッキが増えたため、勝率はそれほど下がっていない。

 バランス調整以降爆弾ウォリアーは減少したが、これは一時的なものであり、デッキ自体の強さとは関係ないと思われる。このアーキタイプは必要以上に除去を重くした構築が多いために勝率が下がっている。挑発入りのアグレッシブな型は依然として強く、特にウォリコンが増えて敵意を集めた後には、最終的にウォリコンよりも勝率が高くなると考えている。

 アグロウォリアーがおそらくクラス内最大の勝者。ナーフで触れられず、天敵のウォリコンが減少した。ミラー戦は依然として悲劇だが、他のすべてのマッチアップが五分以上。いくつかの構築が試されている:傷を負った剣匠&トルヴィア入りのダメージシナジー重視の型と、ハイランダーウォリアーなど。どちらも、掲載のリストには劣ると考えている。

ウォリアー:クラスレーダー
挑発コントロールウォリアー
挑発爆弾ウォリアー
アルカナイト・アグロウォリアー

ドルイド

 エスドルイドにとって夢のパッチだという噂は真実だった。環境はかなりクエドルが有利な方向に動いており、ニッチ枠から最強の一角へと進化した。今でもカウンターデッキはいくつかあるが(パラディン、プリースト、ウォーロック)、ナーフ前の5ターン目ルナポケや2ターン目倍増腕には及ばない。帰ってきたマルフュリオン。

 クエスドルイドでは多くの実験が試されているが、我々はほとんど違いのない2種類の構築に着地した。3枚の自由枠が異なっており、どちらでもいい。

 ひとつはファオリス王と「野生の力」を採用しており、よりアグレッシブに動いて早期にプレッシャーをかけつつ、終盤までもつれたらノミで決めに行く。より早いデッキに対してより有利なため、現時点では一番ラダーで優秀な型。

 ふたつめはエリーズとゼフリスを採用しており、ノミで勝つことにもっと注力している。これによってより遅いデッキ、特にウォリコンに有利になっている。既にノミでの勝ち筋は重要になっており、またメタの傾向がこのまま進めば今後もっと重要になっていくと思われる。

 特定のカード選択に関しては、サルノスが過小評価されている。なぎ払いや星の雨と組み合わさればアグロを一掃でき、試合を変える力がある。一方でハチは過大評価。対アグロでは予想ほど役に立たず、遅いマッチでは手札で腐りがち。

 シェフノミが最強の勝ち筋であることは繰り返しておく。マリゴスは匹敵に値しない。無限飛びかかりコンボも同じく弱い。

ドルイド:クラスレーダー
ファオリスクエストドルイド
エリーズクエストドルイド
洪水トークンドルイド

パラディン

 予想通りマーロックパラディンはパッチの恩恵を受け、再びスタンダード最強のアグロの地位を獲得している。もちろん、強いのは環境序盤だけという可能性もある。しかし現時点では他のトップデッキはどれもマロパラに明確な有利をつけていない。最終的にそれができるとしたらウォリアー、シャーマン、プリーストだろう。それでも、ハイランダーハンターとクエスドルイドに強いため、マロパラは強力なラダーの選択肢になるだろう。

 エスパラディンも、序盤はパッチの恩恵にあずかっていたが、案の定、それより先には行けなさそう。相変わらずウォリコン、クエドル、ハイランハンターには強いが、プリーストとシャーマンには絶望的に弱い。

 聖なる怒りパラディンはパッチ直後の数日はかなりの注目を浴びていたが、一瞬で飽きられた。やはり多くのマッチアップに課題を抱えており、ラダーで安定的に成功はできない。構築に関しては、「制圧」はコアカードだが過小評価されていると考える。

パラディン:クラスレーダー
鮮鯛マーロックパラディン
クエストメカパラディン
聖なる怒りパラディン

プリースト

 コンボプリーストは倍増腕のナーフを軽くあしらって適応したらしい。以前のように爆発的な序盤の展開は出来なくなったが、クエストデッキ群に対する勝率の良さにより、現在の環境でも良好な位置を得ている。パッチ後の改良が現在も活発に続いていることから、勝率は今後さらに良くなると思われる。

 カード選択に関しては、倍増する腕は最早不要というか、統計上はむしろ邪魔なくらいになっている。笑顔の相棒が一番よさげな代理。相棒のバフ効果はゲームの序盤から終盤までいつでも役に立つ。序盤ならスノーボールに貢献、中盤ならアメトの強化、終盤なら神授の霊力のリーチを伸ばせる。

 驚きの構築変化はブワンサムディーの採用で、Hunterace氏がこれでレジェ1位になった。強力なドローエンジンであり、笑顔の相棒とライトウォーデンを共に採用できるようになる。ドロー力が上がったため、大いなる解呪よりも沈黙2積みが好ましい。アベコベーターも人気だが、カードパワーは多少過大評価。沈黙とアベコベのどちらを2枚にするかは自由。

 復活プリースト、ほとんどがクエストを採用しているためクエストプリーストとも呼べるが、バランス調整後に増えた。しかし成功したのは環境序盤だけ。多くの相手に弱く、メタにおける位置は低い。

プリースト:クラスレーダー
ブワンサムディーコンボプリースト
クエスト復活プリースト

ローグ

 ローグはバランス調整後、考えられる最悪の事態に突入している。ウォリアーは依然メタの頂点におり、アグロ・コントロール問わず、ローグに強烈なダメージを与えている。メイジは消滅し、アグロローグの最も重要な存在意義も失われてしまった。極め付きにクエスドルイドが流行しており、ウォリコン並みに難しいマッチアップが増えてしまった。

 一方、エストローグはパッチ後のクエストの波に乗れる気配すら見せなかった。実際、バランス調整前もクエドルやクエシャマ並みのマッチアップ分布もなかった。彼らはメイジとプリーストに頭を押さえられていただけ。

 実際ローグに有利な出来事が一つもないため、今後はメタのどん底に向かって転落していくと思われる。アグロローグは現在もある程度はラダーで戦えるが、より強いデッキの下位互換でしかない。ヴァリーラ暗黒時代の始まりか。

ローグ:クラスレーダー
スタンダードアグロローグ
テスクエストローグ

ウォーロック

 バランス調整によってズーウォーロックにメタデッキを名乗る資格が与えられたらしい。序盤はパッチ前よりも強くなったように見えたが、それが続くかどうかには疑問符が残る。

 ズーの主な強みはクエドルに強いことらしい。しかしながら、他のトップデッキにはどれにもそれほど強くなく、また今後ウォリコンが増えれば事態は悪化する。

 構築の面では、主に2つのアプローチが存在する。最も多いのはスラッシャー&ハゲタカを採用した型で、しばしば霊魂爆弾や結晶術師といった他の自傷手段も採用する。この型は主にクエドルを倒すことに全力を傾けている。より少ない型は手先のバリューを最大化するもので、テカーンを採用。悪党同盟の採用担当をよりうまく使え、マッチアップも広く優秀。掲載したのは後者で、クエドルに強いまま他のマッチも改善されているから。今のところハイランダー型は劣化版。

 エスウォーロックを含むより遅いデッキは今も水の底で死んでいる。次の拡張まで一切希望は無い。

ウォーロック:クラスレーダー
手先ズーウォーロック

メイジ

 少なくとも表面上では、メイジは死んだ。バランス調整で完全に崩壊し、戦える兆しを見せていない。クラス自体が例の2枚によって生かされていたことが明らかになり、それがナーフされ、後には何も残らなかった。

 特にサイクロンメイジビッグスペルメイジに関してはこれは事実で、どちらもどん底にいる。現在のメタでこれらのデッキが帰ってくる確率はゼロに等しく、勝率はTier5レベル。

 しかしながらハイランダーメイジに関してはこの限りではないと考えている。最大の問題はプレイヤーがパッチ前と同じ構築を使っていることで、ルナポケと終盤向けカードの山をまだ抱えていること。最早この構築はうまく働かない。強欲なビッグスペルパッケージを抜いて、よりバランスの取れたマナカーブにすれば、勝率は改善するはず。前の記事で予想構築したものを掲載しておいたので、多くの試合サンプルが欲しいところだが、無理にとは言わない。

メイジ:クラスレーダー
ナーフ後ハイランダーメイジ

今週のメタブレイカ

 開発め、よくも初めての強いプリーストデッキをナーフするとは!?

 まあ仮にプリーストが今も2マナの倍増腕を持っていたら今頃はゲームを完全に崩壊させていただろうから、大惨事は免れた。倍増腕抜きですら、コンボプリーストは来週のメタブレイカーになりうると予想する。デッキのスキル依存の高さから、特に上位帯ではそうなりそう。

 新しいコンボプリは以前とは少々使い方が違う。序盤はもはや爆発的ではない。笑顔の相棒は倍増腕に似て序盤のスノーボールを助けるが、内なる炎と組み合わせない限り攻撃力は上がらない。ブワンサムディーは大いなる発見で、笑顔の相棒を加えながらライトウォーデンを持ち続けることができるようになった。ブワンサムディーをプレイすることで、例えばアメトでの圧倒的な盤面などを準備できる。

 考慮に値するカード選択は他にもあり、たとえば沈黙や苦痛の侍祭を入れ替えることができる。聖なる波紋は対アグロをより強くするため、アグロが多ければすぐ入る。ポーション売りはまだそれほど多くは見られないが、ブワンサムディーの効果をさらに上げつつ、デッキの他のカードとも高いシナジーを誇る。よってこのデッキはさらに改良の可能性があるが、現時点ではまだ青写真。

コンボプリースト

 お疲れさまでした