虚無層

exit from society

vS133(メカバフ2週目)雑翻訳(2019/6/21)

 正社員の夢は一瞬で消えたので今後もフリーターです。それにしても翻訳って金にならないんですかね? ならなくてもいいけど…

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-133/

vSからのお願い

 ハースストーンの代表的な非公式サポートアプリはHDT(Deck Tracker)とTOB(Track-o-Bot)の2種類あり、vSは統計のためにこれらのアプリから提供される試合データを利用しているのですが、いまTOBのほうはチョッキンガーの存在がデータとして反映されていないため、データ収集にゆがみが出るそうです。TOBユーザーはできればHDTに乗り換えてほしいとのこと。

クラス使用率

  1. ハンター:少し減ったがそれでも他より大幅に多い。レジェンドだけはトップ5クラスの差が少ない。レジェンドまでは爆弾ハンターが一番多い。ミッドレンジハンターはメカメカ大躍進パッチの影響で減少。
  2. ウォリアー:特に上位帯でおおきく人気上昇。爆弾ウォリアー、コントロールウォリアーともにラダー成績は非常に優秀なので当然の結果。一番の餌だったローグはナーフで退場したが他のアグロが大量に湧いておりそれをドクターブームが刈っていく形。
  3. メイジ:増加、特にレジェンドではサイクロンメイジが全クラス中最多デッキに。それも先週のラスベガスでトップ8中5人が使用し優秀だったせいか。優勝もDog氏のフリーズメイジ。
  4. ローグ:減少、まだデッキが成長途中なのにウォリアーが増加したので不思議ではない。ほとんどのローグプレイヤーがまだサメとホッパーを使っている。楽しいなら仕方ないね。
  5. シャーマン:レジェンドまではアグロよりマロのほうが人気だが、レジェではアグロのほうが多い。直近はさらにアグロシャーマンの人気が上がっているが、これはウォリアーの増加を考えればマロシャマのほうが有効なはずなのでこれは奇妙な事態。今後の数字が楽しみ。
  6. パラディン:1マナクリスタル学は確かにヤバイが、パラディンの復活に至るほどはヤバくなかったらしい。メカパラ、聖なる怒りパラともに減少。
  7. ドルイドウォーロックトークンドルは堅実な数字。メタのニッチ枠で固定か。ズーは比べると不人気。速いウォーロックのゆるやかな消滅によって最早クラス全体が無視されつつある。ネタキャラと化したプリーストより実際使われていない。
  8. プリースト:壊滅状態につき面白デッキの実験場になっている。メタブレイカーになる可能性はない。ある程度マシなデッキなら今後生まれるかもしれない。

パワーランキング論議

  • 各デッキのパワーレベルは前回とほぼ同じ。ランク4以降はウォリアーが最善なのも同じ。爆弾ウォリアーはミラーで有利なのでコントロールウォリアーに追いついてきている。何人かのプレイヤーは予測していたことだが、メカバフパッチは新しいウォリアーカウンターを生み出して環境を変えるかわりに、アグロシャーマンという新しいウォリアーのエサを提供する結果になった。
  • ウォリアーのカウンターデッキは元からいくつか存在するのだが、今の環境全体において生き残るのが難しい。ウォリアー用にデッキを調整するとそれ以外のデッキに勝てなくなることが多い。いまラダーで勝てないデッキのほとんどはこのジレンマに苦しんでいる。いくつかのデッキは、トーナメント環境ではこの矛盾を解消してうまくやっている。
  • 気を付けるべきは、ウォリアーはまだどのランク帯でも一番人気のクラスではなく、あまり目もつけられていないということ。ウォリアーをメタるデッキが真の勝者になるにはまだ時期が早い。では、その時期は待っていればいずれ来るのか? これがポイントになる。
  • ハンターで日が当たっているのは爆弾とミッドレンジだが、秘策ハンターの高ランク帯での成績は無視できない。このデッキはサイクロンメイジとローグに強い。メイジは基本的に虐殺できる。しかしウォリアーの壁を越えられないのが難点であり、おそらく無視される理由でもある。
  • アグロシャーマンが増加しているが、これは理論上はおかしい。ウォリアーが増加したせいで、アグロシャーマンはTier1から降格している。一方マーロックシャーマンは、ウォリアーに強いとは言えないものの勝てる確率はこちらのほうが高いため、ウォリアー増加の被害が比較的少ない。
  • ローグを使うなら最良の道はやはりフックタスクか、またはぶんどり部隊を使うこと。どちらもTier2、そしてフックタスクはレジェンドではウォリアーに息の根を止められている。ぶんどり型はテックカード1,2枚の採用でこのウォリアー環境に適応する余地がまだ残っている。
  • そして問題のサメローグだが、やはり例のサメと初級エンジニアさえ抜けば戦えるデッキになるはずだと思われる。サメ抜きローグは予想ではTier2には行ける。総合的にはローグは悪くない位置にいる。
  • ホッパーローグは正しく改良が進んでいるおかげでかなり成績改善している。が、それでもラダーで使うにはいくつかの相手に弱すぎるのが問題。予想では最適な構築でもTier3。それ以上を狙える可能性は微妙。
  • サイクロンメイジの構築はまだ改良段階。実際、メカバフ以前よりも強くはなっている。たとえば5マナのポケット銀河系によって対ウォリアーが改善し、かつアグロ耐性も下がっていない(5ターン銀河は対アグロでも強力)。また、ミッドレンジハンターなどの厳しいマッチアップが減っているのも追い風。
  • フリーズメイジの注目が上がっているが、大会と違ってラダーではあまり有効ではない。大会ほどウォリアーの割合が多くなく、爆弾ハンターやアグロシャーマンなどが多い。爆弾ウォリアー、サイクロンメイジ、サメローグに満たされた環境においてのみ輝くのがフリーズメイジ。
  • メカパラディンの数値は不変。ウォリアーが増えたので本来勝率は上がるはずだが、メイジに対してとにかく勝てない、その極端さによって、日々の極小のメタ変化によってTier1にもTier4にもなる柔軟性のなさが、総合勝率を上げられない原因になっている。
  • トークドルイドも使用数は前回に同じだが、勝率は下がり始めている。悪党同盟のリリース時も、初週に暴れ、環境が落ち着いて実験が減ったことで勝率が地に落ちた事件があったが、今回も同じ状況。
  • 同じことがズーにも起きているが、こちらはトークンドルと違ってあらゆる他のアグロに勝てる見込みがなく、勝率は凄まじく死んでおり回復の見込みがない。
  • カプリーストはありがたくもTier3、ゴミクラスの不名誉を逃れた。ゴミではなく、ちょいゴミくらい。

クラス別分析

ハンター

  • 爆弾ハンターは今も環境のほとんどのデッキに対して有利。ウォリアーに強いので、環境にウォリアーが増えているのも追い風。最適な構築はほとんど判明している。人々が刈入れゴーレムに興味を抱いているようだが我々はあまり良いとは思わない。ブームマスターフラークを抜く流れもあるが、フラークはウォリアーに非常に有効なカード。ダストがもったいなければ入れなくてもいいが、我々のおすすめリストはおまけではなく明確な意志をもってフラークを採用している。
  • ミッドレンジハンターはこのゲームでもっともリストが固まっているアーキタイプのひとつ。唯一の大きな論点は、首刈り斧を入れてアグロ耐性を高めるか、それとも必殺の一矢と必中の一矢を両方2積みにしてメイジとローグを見るのかという点。バフパッチ以前に比べれば確かに弱体化しており、人気は暴落している。ローグがお遊びデッキをやめて改良しはじめているのも痛い。

ウォリアー

  • ラダー、大会ともに、上位帯のメタを支配しているクラス。爆弾ウォリアーコントロールウォリアーともに非常に強く、多くの成功例が報告されている。爆弾ウォリアーのほうが、不可避のダメージ源を持っているためメタられにくく、それが大会で強い理由。一方コントロールウォリアーはアグロに強いため、レジェンド到達までは軍配が上がる。おすすめビルドはTheo氏がレジェ1位ヒットしたリスト。
  • どちらのリストもチョッキンガーで大幅に強化されている。強力で汎用性が高く、構築しない理由がない。超電磁すれば顔面プレッシャーになり、木霊によって広く残りやすい盤面を作れ、またDKブーム後はかつての「火山噴火」のような分配ダメージとしても使える。

メイジ

  •  大会での活躍はすさまじく、他と大幅に差をつけて最も成功したクラスとなった。優勝したDog氏のデッキは対爆弾ウォリアーに調整されたフリーズメイジで、それ以外もトップ8中の4デッキがサイクロンメイジだった。
  • サイクロンメイジはバフパッチの結果先細りだった運命が逆転した。5マナ銀河によって対ウォリアーの勝率が10%は改善している(銀河不採用のリストを含めてこの数字なので実際はさらに上のはず)。これによって不利マッチの一つが五分マッチに変身した。
  • フリーズメイジはもしラダーが大会と同じく限られた種類のデッキで環境構成されていたなら強力なデッキなのだが、そうもいかない。ウォリアーに対してはサイクロンメイジよりも強く、ミラー戦でも微有利だが、ラダーにはアグロ系のシャーマンや爆弾ハンターがいて障壁になっている。
  • ラダーにおける構築変化は大きくはない。サイクロンメイジでウォリアーの戦績をさらに改善したければ天文術師を入れてもいいだろうが、2積みしてもポケット銀河系1枚の半分も仕事せず、しかも天文術師はアグロ耐性を下げるのでおすすめしない。フリーズメイジは天文術師やジェペットなどの欲張りカードの代わりに魔力の鍵屋を入れればアグロ耐性がつくが、そうしたアグロが多いならばそもそもデッキを変えたほうが賢明。
  • これらのデッキにくらべると亡霊の書メイジは地味。一応戦えるデッキで、ウォリアーに強いが、それ以外の強力なデッキにあまり有利でない。

ローグ

  • 今週のローグのデータはおおよそ前回のvSの予想を裏付ける形で、さらなる今後の予想も得られた。前回記事を繰り返す代わりに、キーポイントだけ挙げていきたい。
  • ぶんどり部隊ローグは現時点で最も優秀なアーキタイプ。マッチアップ分布は非常に優秀で、アグロシャーマンの分布とも似ている。唯一の深刻な問題がウォリアー。幸運にもシェフノミを入れれば戦えるようになるのでウォリアーが多い環境にも適応可能。
  • フックタスクローグも強く、対アグロではぶんどり型よりも優秀(アグロで腐るカードが少ない)。が、ウォリアーにはぶんどり型よりもっと弱い。ぶんどり型と違ってマイラの不安定元素との相性が非常に悪く、そのためシェフノミを入れるのも難しい。
  • ホッパーローグは改善されており今後も勝率は上がると思われるが、しかしそれも強デッキと呼べるラインよりも手前で頭打ちになると予想される。先週紹介したサイクル重視の構築はデータ的にも理想形に近かった。トグワグルは実験された中でも興味深いアイデアで、構築すればデッキパワーを上げてくれるが、電線ネズミも一緒に入れなければ安定度が低い。トグワグルを使うためには電線ネズミも必須で、その分サイクリング要員は減る。
  • サメの精霊はダメなカードだが、サメ抜きで血の復讐などを入れた手先ローグはぶんどり型にも迫る強いデッキ。先週のサメ抜きローグはウォリアー以外全部にひじょうに強い。またぶんどりと同じく、この型にもウォリアー対策で不安定元素とシェフノミを入れたい。対ウォリアーでこの2枚は、たとえ段取りが無くても、サメより遥かによく働く。サメがウォリアーに強いというのは迷信で、これは悪漢からイセリアルの手先をたくさん拾ってダメージカードをたくさん得るという、かなり不安定な確率に頼っている。

シャーマン

  • アグロシャーマンの熱が高まっており、上位帯ではシャーマン内で最も人気。他のアーキタイプは減少しているが、マーロックシャーマンは実は強い。
  • アグロシャーマンのマッチアップ分布は非常に優秀でウォリアー以外のすべてのクラスに有利なのだが、ウォリアーにだけはすごく弱い。ウォリアーの増加はアグロシャーマンには悲報で、特にコントロールウォリアーの兵器プロジェクトはドゥームハンマーを破壊してくるので絶望。しかしそれでも、他のクラスに有利であることによって最強デッキの一角に鎮座している。
  • 構築の面では、まずエレクトラ・ストームサージ不要説が証明されている。役に立った瞬間が記憶に残りやすいカードだが、ほとんどの場合役に立たないので採用レベルでない。またトーテム投擲も、カエルの精霊から大地の衝撃を引く確率を下げる点で良くない。大地の衝撃は現在のメカ環境では非常に大事だし、ドゥームハンマーを顔に通すために挑発を消したいケースも多い。トーテム投擲はただの聖なる一撃。
  • マーロックシャーマンは使用数は減っているがいまが使い時。マッチアップ分布はアグロよりは極端化しており、アグロ耐性が下がるがウォリアー勝率がマシなので、現環境には向いていると言える。

パラディン

  • 今週にかけてまたティアの底に帰ってきた。バフパッチ直後は全ランク帯で増えた使用者を引き留めることはできなかったらしい
  • メカパラディンはクラス内では最優秀のデッキであり実際成績も悪くないのだが、その極端なマッチアップ分布のせいでプレイヤー人気は全くない。不利マッチであがける可能性が本当にないのでストレスが多い。メイジが大会の成功の影響でラダーでも増えており、これがメカパラによく効いてしまう。凍結光線があまりにも地獄。一方でウォリアーには非常に強く、このデッキが使える主な理由。
  • おそらくメカパラ不人気のもう一つの理由が爆弾ハンターというほぼ上位互換のようなデッキが既に存在していること。爆弾ハンターはメカパラとおなじくウォリアーに有利でありつつ、圧倒的不利なマッチアップがないため安定してラダーを登れる。
  • 聖なる怒りパラディンはラダー、大会ともにフェードアウトしつつある。ウォリアーが多いので当然の結果。デッキを引ききるのが前提のこのデッキにとって爆弾ウォリアーは悪夢でしかない。

ドルイド

  • トークドルイドはその安定したマッチアップ分布によってラダーデッキとして生き残ると思われるが、そのほかのデッキはおそらく次の拡張までは行方知れずになりそう。
  • トークドルイドの構築にちょっとした革命が起きている。先週紹介したメカシナジーのリストは実際使えることが証明された。以前より早く並べてフィニッシュできるようになり、ほとんどすべてのクラスに対して以前の構築よりもいい成績を出している。メイジ、ローグ、ハンター、シャーマンに対しては特に改善された。
  • メカ構築の唯一の弱点はウォリアーだが、これはわりと簡単に改善できる。少々ぜいたくなカードであるジリアックスとフループを抜いて、森の助けを再び入れることでレイトゲーム耐性をつければよい。数字から見ると森の魂はコアカードといえるほど役に立っていない。アグロには使い物にならず、ウォリアーにすら言われてるほどには強くない。狐火の森とは確かに相性がいい。しかしそれなら海の巨人のほうがもっと強い。

プリースト

  •  今週は特に新しいデッキも生まれていない。影の幻視なき今においても、内なる炎が現時点のアンドゥインにとって一番マシな勝ち筋。プリーストは単純に、ゲームを終わらせられるような良いフィニッシャーをもらえていない。勝ち筋のないデッキに脅威など存在しない。フィニッシュが遅くなるほど、より早い相手に追いつめられるので勝ちが遠のいていく。そして序盤のカードも決して強くない。ノースシャイアに倍増腕は確かに強いが、相手を倒すには至らない。

ウォーロック

  • 使用率がさらに低下し、ゲームから完全消滅の危機に陥っている。ズーは決してひどいデッキではないのだが、同じ戦略でより強いデッキがあるせいで使われないでいる。
  • ズーとアグロシャーマンを見比べると、プレイスタイルは全く異なるにもかかわらずマッチアップ分布の傾向はよく似通っている。ほとんどのデッキに有利なのだが、ウォリアーには大きく不利という点で全く同じ。ズーはラファームを入れればウォリアー戦はマシになるが、それでも弱い。
  • 唯一の問題はアグロシャーマンのほうがほぼ全てのマッチで勝率が上回っているということ。よっぽどウォリアーばかりの環境にない限り、アグシャーを捨ててズーを使う理由がない。アグシャーよりズーが優秀な唯一のマッチアップが秘策ハンターだが数が少ない。よってズーはアグシャーの単純な下位互換にひとしい状態になっている。誰も使わなくても仕方ない。
  • 使う理由がないデッキは、勝率が決して悪くなかったとしても使われることはない。このようなケースは何度もあったため、今回もズーが復活するようなことは起きないだろうと言える。新拡張が待たれる。

今週のメタブレイカ

 

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お疲れさまでした。