虚無層

exit from society

vS147(砂漠の悪霊第5週)雑翻訳(2019/11/7)

 新しいバイトを入れることになりそうなのでブログ続くか微妙になってきてるんですが、何にせよ無理ない範囲でやっていく予定です。需要の一番高い環境初週だけやるとか。

 ワイルドレポは日曜日(日本でだいたい月曜の夜明け前くらい)に来るらしいです。翻訳はたぶん少し遅くなります。

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-147/

クラス使用率

 シャーマンストーンは続いているが、クラスの内部では大きな変化が。全てのレベル帯で、アグロシャーマンが急速に増加しており、一方でクエストシャーマンは減少している。レジェンドではアグロシャーマンが全体で最多のアーキタイプ。この変化の理由は最近のラダーでの成功報告や、継続する改良、そしてクエストシャーマンよりも勝率が高いこと。

 ローグは2番クラスとしての地位が固まりつつあり、テンポローグがたくさんの成功のもとクラスを引っ張っている。

 ドルイドは今週も事件無し。長らく使用率10%付近を浮遊し続けており、クエスドルイドがその大半を占めている。大きな変化が起きるとは思えない。

 最大の難敵テンポローグの増加のせいで、コンボプリーストはメタにおいて更に控えめな立場に収束している。復活プリーストの状況も、高レベル帯では同じ。

 ハンターは今週も秘策ハイランダー専門。クエストハンターが少し発生したが、像を把握するには少なすぎる。

 パラディンは全体的に減少、シャーマンとローグの環境ではハイランダーパラディンは苦戦しており、聖なる怒りパラディンはいつでも苦戦している。

 メイジ、3回目の「ハイランダーのおかげでそこそこの位置まで来れてる」クラス。先週の通り、ンゾス型とビッグスペル型に分かれているが、パフォーマンスの点で両者を分けるものはあまりない。

 レジェンドではコントロールウォリアーが顕著に増えており、これはおそらくアグロシャーマンの増加による。クエストシャーマンには苦戦するが、アグロシャーマンに対してはゲーム中最高のカウンター。プレイヤーが可能性を感じ取った。

 ウォーロックの使用率はやはり非常に低い。残念なズーとジャンク同然の様々なクエスウォーロックから成っている。ネタデッキとしてのクエウォロは人気。

パワーランキング論議

 アグロシャーマンへの移行は偶然ではない。アーキタイプの血の渇きとドゥームハンマーの2種類の型がともに改良され、どちらも多くのマッチアップが改善している。最も重要な点として、数週間前は不利だったクエストシャーマンに微有利がつきはじめている。これにより両者の成績は開き、レジェンドではクエストシャーマンはTier1から落とされた。これはもう1Aと1Bの戦いではない。クエシャーは強いが、アグシャーは壊れ。

 先週述べたように、アグロシャーマンが何故強いかを理解するのは簡単。鍵となるマッチアップの多くでクエシャーよりも成績が良い:クエドル、テンポローグ、コンボプリ。テンポローグはクエシャーに対しては微有利といえるかもしれないレベルにまで改善しているが、アグロシャーマンに安定して勝つことはできていない。アグシャーの増加はレジェンドにおけるテンポローグの勝率減少の主な原因。

 しかしアグロシャーマンも無敵ではない。本当に苦戦する相手が一人だけいて、それこそがコントロールウォリアー。レジェンドでのウォリコン増加は偶然ではなく、レベル帯が高ければ高いほどアグシャーが多いためウォリコンの勝率も大きく上がる。低いランクではメタが異なるためそれほど有利ではないが、全レベル帯で勝率は上がっている。メタの傾向変化が有利に働いている。

 コンボプリーストの勝率は下がり続けており、原因はふたつある。一つは言うまでもなくアグシャーの増加。アグシャーはプリーストにとって最も苦戦する相手のひとつ。二つめはメタとは関係なく、構築が劣化したことによる。集団ヒステリーのために1マナドロップとブワンサムディーを抜くのは悪手。

 クエスドルイドは今週もOK。それ以上の強さはローグやプリーストと同じ理由で望めない。アグロシャーマンがメタを完全に支配している。

 ハイランダーパラディンは状況のわりにはかなり善戦している。対シャーマンは悪化しており、最大の敵であるテンポローグも増加している。マッチアップの分布は強いが、苦手な3クラスがメタの最大手と一致しているために大きく頭を抑えられている。そのころ聖なる怒りパラディンはアグロシャーマンに勝率逆転されていた。ドゥームハンマー型が増えたせい。

 ハイランダーハンターもまあ似たような状況。低いランクでは強いが、高レベルのシャーマンとローグの前では終わる(どちらのマッチアップも、プレイヤーが成熟するほど相手側が有利になる)。結果的にハンターの勝率は悪くはないものの、シャーマンローグには遠く及ばない。

 シャーマン内部の変化はアグシャーに強い復活プリやハイランダーメイジにとっても朗報ではある。レジェンドでは勝率が上がっている。が、総合的にはまだまだ二流。

 クエスウォーロックの使用率が増えたおかげで統計をとるのに十分なサンプルが得られた。結果分かったのはサイクロンメイジよりはマシであるという事実。ではウォロをナーフしますか、ア〇ラ?

クラス別分析

シャーマン

 シャーマンは間違いなく次の拡張まで最強のクラスであり続けるだろう。進化シナジーはあまりにも強く、相手は序盤に引いていないことを祈るしかない。

 最近の構築変化によってアグロシャーマンエストシャーマンを超えつつあり、特に高レベル帯ではアグロが使用率のトップとなりクエストを追い抜いた。アグシャーはクエドル、テンポローグ、コンボプリに強いことでにより、総合勝率もどんどん上がっている。カードチョイスの改良により、シャーマンミラーも改善しつつある。

 アグロシャーマンは二つの型があり、どちらも非常に強く、データからはどちらのほうが特別優れているということもない。血の渇きビルドは盤面を重視しているため早い相手;他のシャーマン、テンポローグ、その他のアグロデッキに強い。ドゥームハンマービルドはダメージとリーチを重視しているので遅い相手;クエドル、ハイランダーメイジ、ウォリコンなどにはより強い。

シャーマン:クラスレーダー
進化クエストシャーマン
血の渇きアグロシャーマン
ドゥームハンマーアグロシャーマン
肉細工師マーロックシャーマン

ローグ

 ローグはシャーマンに次ぐ2番目のクラスとしての位置に落ち着きつつあるようだ。メタの頂点を覆すほどの力はないが、シャーマン環境において総合的には成功できている。

 クラスの成功はおもにテンポローグのおかげ。最適ビルドに関する我々の考えは変わっていない。クエスト中の冒険者は強力であり、クエシャーとクエドルに対して非常に強い。一方ワグルピックはなくても困らない。シャクはレイトゲームでは弱くなるが、序盤は強く、特にシャーマンに対し強い。よって採用している。

 最近はサメの精霊も増えているらしく、現在のメタならばこのカードの強さはどんなものかと聞かれれば、答えは「ぶざま」。サメを2積みするとラダー勝率は2%下がる。ウォリコンとクエドルにのみ有効なので、ラダーではなく大会でなら使えるかもしれない。

ローグ:クラスレーダー
冒険者テンポローグ
海賊アグロローグ
怪盗クエストローグ

ドルイド

 エスドルイドのメタ出現率はきわめて安定しておりほとんど変化がない。最近ではローグの増加とプリーストの減少が追い風になり、Tier2のいい方の位置に座っている。しかし、シャーマンの移行の影響を考えれば今後これ以上強くなることはないと言える。クエシャーは五分に近いマッチだがアグシャーには非常に苦戦するデッキであるため。

 マリゴス型がまだかなり多いが、ラダーではやはりノミのほうが優秀。マリゴスがノミより強いのは復活プリとンゾスウォリコンで、ハッカーを使われるのとンゾスによる盤面を越えないといけないため。他のすべてのマッチアップではノミ型のほうが強いため、おすすめはノミのほう。

ドルイド:クラスレーダー
エリーズクエストドルイド

プリースト

 プリーストはローグの増加には苦しんでいるが、それでもまだラダーで充分強い。最近のプリーストの問題はメタの動向よりも気まぐれな構築変化による。

 コンボプリーストにおける目立った構築変化はブワンサムディー、ライトウォーデンと笑顔の相棒を抜いて除去カードの集団ヒステリー、聖なる波紋や大いなる解呪を入れること。これによる利点と欠点は以下。

  • 利点:思いやり。相手がハースストーンでもっと勝てるようになり幸せにしてやれる。
  • 欠点:相手がハースストーンでもっと負けるようになっておらず、不幸になっていない。

 コンボプリーストが盤面を失うということはその試合に負けることに等しい。集団ヒステリーは味方の盤面構築には貢献しないため、一度負けた盤面を取り返す助けにはならない。ブワンサムディーはこのデッキにおいて非常に優れたカードで、リロード能力による巻き返しが狙える。ライトウォーデンはどの段階でも脅威になれる。彼らを抜くのはナンセンス。

プリースト:クラスレーダー
ブワンサムディーコンボプリースト
ハッカー復活プリースト

ハンター

 先週言った通りハイランダーハンターは強力なラダーデッキだが、(現時点のコンボプリを除いて)ベストデッキたちに並ぶほどではない。対テンポローグは盤面を維持できず、難しいマッチアップだと判明した。シャーマンは微不利だが、4ターン目の進化には対処できないため、プレイヤーが選ぶのはシャーマンのほう。これによってハンターはラダー駆けあがりの最中では強力だが、メタがガチに近づくと頭打ちになる。とはいえどのレベルにおいても決してハンターが弱いということはない。飛び抜けて強かったものが、普通に強いくらいになるだけ。

ハンター:クラスレーダー
秘策ハイランダーハンター

パラディン

 パラディンは減少中。主なアーキタイプ2つがどちらも今のシャーマンローグメタには向いていないため。

 ハイランダーパラディンは最強デッキたちに弱い。シャーマン、ローグ、プリーストに勝てない。この状況でTierが上がることはあり得ず、ラダーでうまくいくかは有利なハンターとドルイドにどれだけ当たれるかにかかっている。

 聖なる怒りパラディンはシャーマンにはまあまあ強いが、これでラダーを上がるのは苦行でしかない。このデッキでシャーマンに当たり微有利をものにすべく大奮闘した挙句に、ドルイドに当たったら最後全てが台無しになる。ローグとハンターも。シンプルに、成功するには勝てる範囲が狭すぎる。さらに最近はアグロシャーマンのうちドゥームハンマー型が増えているのも問題。これも勝てない。

パラディン:クラスレーダー
秘策ハイランダーパラディン
聖なる怒りパラディン

メイジ

 ハイランダーメイジは次の拡張までTier3にいる運命らしい。とにかく最強デッキに勝てない。テックを盛り込めば特定のマッチアップは数%改善できるが、それによって他全部のマッチアップが犠牲になる。結局のところどのようなビルドであれ、メタの支配デッキたちが設定した個々のハードルを全て超えることはメイジには不可能ということ。ハイランダーメイジで成功することは不可能ではないが、道のりはあまりに厳しい。

メイジ:クラスレーダー
ンゾスハイランダーメイジ
ビッグスペルハイランダーメイジ

ウォリアー

 ウォリアーはそこそこのポジション。どちらのデッキもまあまあ強いが、決してトップデッキではない。

 アグロウォリアーはクエストをメタりたいなら非常に強いデッキ。クエシャーやクエドルの受け身の姿勢は、アグロウォリアーの序盤の圧倒力によって大きく咎められる。しかしより早い相手は血盟の傭兵を許してくれないため、比べると難しくなる。

 コントロールウォリアーはある意味逆。除去に特化しているため、アグレッシブな相手には有利だが、クエドルのようなレイトゲームに本領発揮するパワーリソースには除去が追いつかない。

ウォリアー:クラスレーダー
挑発コントロールウォリアー
アルカナイト・アグロウォリアー

ウォーロック

 悪魔シナジーならバトルグラウンドのほうで楽しめるぜ!(強いとは言ってない)

ウォーロック:クラスレーダー
手先ズーウォーロック

今週のメタブレイカ

 今のハースストーンは地獄。今すぐ手を打つべきである。全てのプレイヤーが絶望し他のゲームに移行している。シャーマンの支配には耐えられる。ウサギ進化もまだ許せる。今週のパッチのせいで最後の望みが絶たれてしまった。

 スケルチが、バグっている。

 (※スケルチ:相手のエモートを止めるやつ。「黙らせる」)

 スケルチがちゃんと動かないハースストーンはゲームとして終わっている。我々の統計データでも今や怒りの「ゲーム終了」率が大幅に上昇している。いまや4ターン目に登場する3体の4マナと1体の8マナだけでなく、そこからの「よろしく、我が友よ」までもが止められなくなってしまった。開発の人たちへ。何でもするから修正してください。

 (※デッキの掲載はありませんでした)

 お疲れ様でした