虚無層

exit from society

vS143(発見調整第3週)雑翻訳(2019/10/3)

 ワイルドは途中までやってます 最近遅れがちなのは別垢で小説書いてたら同人団体に呼ばれていま〆切に追われてるからです。何をやっているんでしょうね。

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-143/

 まずワイルド参入に伴う記事更新の予定ですが(ミスチャレ仇討ってマジ?)、来週に予定されているワイルド参入直後の回は更新を休むとのことです。その代わり、参入直前にデッキ予想記事を投稿するとのこと。僕も出来るだけ急ぎます。

クラス使用率

 この環境における最後の記事。執筆時点では何が来るか分かっていないが、20枚以上の「メタを定義する」ワイルドカードが帰ってくることで、おそらくスタンダードの環境は一変するだろう。

 この未来への期待と興奮をふまえれば、現在のメタは減速しているというのも無理はない。誰もが新カードのことを考えているので、現状においてイノベーションが発生しない。

 たとえば、アグロシャーマンは非常にゆっくりと使用率が増えており、特にレジェンドでは目立つ。仮にJambre氏の突然変異型が環境序盤の数日に発見されていたなら、数日で爆発的に増えていただろう。しかし現実では先週のトレンドが繰り返されているだけ:クエストシャーマンの緩やかな減少、アグロ系(アグロ、マーロック)シャーマンの緩やかな増加。

 コンボプリーストも僅かに減少している。先週の環境全体がコンボプリに敵意を向けていたためか。

 今週はハイランダーハンターが再び増加した。特にレジェンド。環境に対して非常に強く、最良ラダーデッキであることが明かされた。

 アグロウォリアーはレジェンドで増加。最強デッキの一つだと気付かれ始めた。コントロールウォリアーが比較的少ないのも後押しに。

 クエスドルイドは今週も不動。ここまで周囲の状況から一切影響を受けず、立ち位置を維持し続けているのはむしろすごい。

 そして今週もやっぱりパラディンは減少。様々なアーキタイプを持っているものの、どれもメタに大きな影響を与えられない。特に高レベル帯では。

 メタの底では、ウォーロックは減少し、メイジは増えている。ランク4以下のほうがメイジが多い。ハイランダーメイジの勝率は回復しており、レジェンドではサイクロンメイジ復活の試みもある。現環境に参加するには遅すぎたが、次の環境で活きる可能性もある。

パワーランキング論議

 メタの変化が遅くなっている、すなわちコンボプリーストの好機。このデッキはプレイヤーベースが未だにクエストシャーマン、クエスドルイドに拘っている事実を好利用している。他のデッキ使いたちはコンボプリを倒そうと意識しているが、彼らだけでは止められない。時がたつにつれて、コンボプリ使いたちもデッキの使い方に慣れていく。扱えなかった者たちはデッキを手放し、結果的に勝率は少しずつ上がっている。スキルキャップの高いデッキには起こりがちな現象。

 しかいハイランダーハンターのパワーレベルもかなり高く、コンボプリとそう離れていない。我々の考えではどちらも最強級のラダーデッキで、わずかに遅れてアグロウォリアーがついてくる。ハンターとウォリアーはプリーストに耐性がありつつ、残りの環境デッキに対して非常に強い。これらのデッキがTier1を形成している。

 ついにパワーランキングに参戦した突然変異型アグロシャーマンだが、力も本物。あと一週間あればTier1になっていただろう。コンボプリ、クエドル、クエシャマに有利であり、先週のメタブレイカー指定は間違っていなかった。

 コントロールウォリアーは今週大きく減った。この変化は面白いことにメタの変化によるものではなく、一部の人気デッキとのマッチアップが悪化したことによる。特にクエドル、クエシャマへの勝率が下がったのは注目に値する。

 クエストシャーマンとクエスドルイドは確実にTier2になった。プリーストがこれだけいる限り、ラダーでの強さには限界があると考えられる。これらのマッチアップは単純に難しく、またプリーストのドロー次第で生存が決まる。プリースト使いが上手ければ、それだけ不利にもなる。

 マーロックパラディンはかなり強いラダーデッキだが、高レベル帯においてはマーロックデッキの中でもベストデッキではない。そこはマーロックシャーマンのプリースト有利が効力を発揮する地帯。マーロックシャーマンはマッチアップが極端なデッキだが、コンボプリとクエドルの多い環境なら猛威を振るう。

 ズーウォーロックとアグロローグはアグロ界隈でも劣勢。ズーはドルイドに強いこと以外強みがない。ローグはウォリアーとドルイドに弱いのが大きな障害。2クラスも天敵がいると総合的にもやりにくい。

 ハイランダーメイジの勝率は落ち着いてきた。今環境のメイジは過去の最低クラスほど弱くもなかったが、非常に平凡な位置で終わった。マッチアップの性質はGMのShield-Conquest形式とは相性がいいが、ラダーでは微妙。

クラス別分析

シャーマン

 シャーマンは今週も最人気のクラス。三つのアーキタイプがあり、どれもラダーで戦え、成功している。

 エストシャーマンの勝率は変わらず、構築もしばらく変わっていない。たぶんワイルドの参戦まで変化なし。

 アグロシャーマンはJambre氏のリストが流行、ここ数週間の成績は我々記事の正しさを証明している。このデッキは強い。

 マーロックシャーマンは少し改変があり、Root氏が笑顔の相棒を使用してレジェンド上位に到達した。序盤のスノーボールというデッキコンセプトとも相性が良く、採用の価値ありと判明。

シャーマン:クラスレーダー
突然変異クエストシャーマン
Root氏のマーロックシャーマン
Jambre氏の突然変異オーバーロードアグロシャーマン

プリースト

 先週ヘイトが高まったことで、コンボプリーストの使用率は少し下がった。しかし、クエシャマとクエドルがいつまでも人気なおかげで、今でも強いポジションに立っている。この2つのマッチアップ以外においては、メタのプリ対策は成長しているということは重要。ハンター、ウォリアー、ローグ、ウォーロック、アグロ系のシャーマンらはプリーストにとって充分脅威になりうる。クエストに幻想を持っている勢がまだ残っているのが救い。

プリースト:クラスレーダー
ブワンサムディーコンボプリースト
Zetalot氏の復活プリースト

ハンター

 ほとんどのプレイヤーにとってはハイランダーハンターがラダー最良デッキだろう。悪いマッチアップがほとんどなく、どんな相手にも勝ち筋がある。非常に万能なデッキで、アグレッシブに攻めるか、こちらのパワースパイクまで遅延するか、手札を見ながら決めることもできる。スイスアーミーナイフのようなデッキを使いたいなら最上の選択肢。

 他のハンターデッキはこれほどの万能性はなく、いくつか苦手なマッチアップがある。ハイランダーハンターはバランス調整前のごとく非常に強いポジションにいる。またラグナロスやンゾスも入れやすいため、次環境ではレイトゲームがさらに驚異的になるだろう。

ハンター:クラスレーダー
9号ハイランダーハンター
スタンダードメカハンター
騎豚ミッドレンジハンター
海の巨人クエストハンター

ウォリアー

 アグロウォリアーとコントロールウォリアー、どちらも強力なラダーデッキであることが証明されているが、現時点ではアグロウォリアーのほうが優れているようだ。

 コントロールウォリアーはバランス調整の結果弱体化したが、コンボプリ打倒のためにメタが速くなっているおかげで、戦える位置にとどまっている。プリーストとウォリアーに両方対策するのは非常に難しく、プリーストに注目が向けられているかぎり、メタはウォリアーの除去能力に弱くなっていく。

 環境の「ビッグ3」(コンボプリ、クエシャー、クエドル)に強くなりたいなら、アグロウォリアーは非常にいいチョイス。環境にコントロールウォリアーが減ったことで繁栄している。ハイランダー型も使えるもので、パワーレベルにおいて両者を分けるものはほとんどない。

ウォリアー:クラスレーダー
挑発コントロールウォリアー
挑発爆弾ウォリアー
アルカナイトアグロウォリアー
ハイランダーアグロウォリアー

ドルイド

 エスドルイドの環境における立ち位置は驚くべき不動率を保っている。勝率、使用率ともに、ここ数週間、まったく動いていない。構築はノミ・ファオリス型とマリゴス型に分かれており、両者間の成績の差は激しい。少なくともラダーにおいて、我々にはマリゴス型をすすめることはできない。

 クエドルに関して最も興味深い疑問は参戦するワイルドカードのうち1枚でも選択カードがあるかどうか。あるとすれば、状況は大きく変わるだろう。(※執筆後に公開。忘却王クンが来ます)

ドルイド:クラスレーダー
ファオリスクエストドルイド
エリーズクエストドルイド

パラディン

 パラディンはワイルド参入で新しいデッキのアイデアが生まれることに期待している。現在のアイデアはもう出がらし。

 マーロックパラディンはラダーのほとんどで強いが、高レベル帯に到達すると壁にぶつかり、ほとんど存在しなくなる。ハイランダーハンターに対しては最強のカウンターで、強いて使うならそれが理由になるか。

 聖なる怒りパラディンはある種の詐欺だったと判明。メタにおけるニッチを突くと思われていたが、そんなニッチが本当に存在するのか疑問が出ている。コンボプリーストとのマッチアップは完全に不利へと変化し、他のデッキのほうが安定してプリと戦っている。プリーストに勝ちたいならもっとずっといい選択肢が他にある。

 ハイランダーパラディンは使えはする。ただ素晴らしい点はない。ンゾスを入れてコントロールにすれば戦えるだろうか? ありえなくはないし、面白いアイデア

パラディン:クラスレーダー
鮮鯛マーロックパラディン
クエストメカパラディン
聖なる怒りパラディン
Trump氏のハイランダーパラディン

ローグ

 プリーストと序盤で争うことができるローグの力は現在のメタである程度の立場を得ているものの、現在以上に強いポジションにつくのは難しい。バランス調整によってクエスドルイドが増えたのがずっと問題になっている。もし脅威がウォリアーだけだったならそれ以外に強ければ無問題だが、相性の悪いクラスが2つもあるとなると成功は大幅に妨げられる。

 ふつうクエスドルイドはアグロに弱いが、アグロローグの戦闘スタイルは独特。序盤のスノーボールをせず、プレッシャーを与えるのは3ターンから。横並びもせず、1か2体のミニオンで攻めることがほとんどのため、オアシスサージャー1枚で吹き飛んでしまう。またフィニッシュを手札からのバーンに頼るため、隠されたオアシスに弱い。シンプルにゲームプランがドルイドと相性が悪く、成績にも表れている。

ローグ:クラスレーダー
スタンダードアグロローグ
Jalexander氏のクエストローグ

ウォーロック

 ウォーロックは最も改良が遅れているクラスかもしれない。というのもズーウォーロック使い達はいまだに最適構築を使っていない。ラダーの多くのプレイヤーがまだスラッシャー&ハゲタカを使っており、ラダーではより優れていることがもう証明されている手先&テカーン型のほうが少ない。最大の違いは対ウォリアーで、手先型は後半のバリューが厚くしぶといためハゲタカよりもコントロールウォリアーに強く、アグロミラーに強い構築なのでアグロウォリアーにもハゲタカより強い。

ウォーロック:クラスレーダー
手先ズーウォーロック

メイジ

 ハイランダーメイジはクラスをナーフ後の絶滅の危機から救った。ラダーではあまり多くない数だが、グランドマスターリーグではよく見られる。特定のデッキを使い続けることができないこのフォーマットにおいては、このデッキのポジションはいい:コントロールウォリアーに強く、クエドル、クエシャマ、コンボプリに結構戦える。注意しておきたいのは大会のメイジがプリーストに強いのは動物変身とヴードゥー人形の採用によるもので、ラダーではこれらの採用は少ない。

メイジ:クラスレーダー
BoarControl氏のハイランダーメイジ

今週のメタブレイカ

 次にメタをブレイクするのは特定のデッキではなく、侵入してくるワイルドのカード。もし先に公開されたンゾスやラグナロスなみの力を今後公開されるカードが持っているなら、全く違うゲームを遊ぶことになる。

 あなたが翌日の全カード公開を読んでおり、次の情報を待ち焦がれているなら、心配無用。vSはカードの影響について語ったり、最強デッキをググる手間を省く用意が出来ている。次回の予想構築記事を待っていてほしい。いつものように、全カード・全クラスで書く予定。

 とりあえず今はTier1デッキを使いましょう

コンボプリースト
ハイランダーハンター
アグロウォリアー

 お疲れさまでした