虚無層

exit from society

vS145(砂漠の悪霊第3週)雑翻訳(2019/10/24)

 鼻炎の薬と頭痛薬と酒のせいで最近ぼんやりしててゲームも全然してないんですが、翻訳は誰でもできるので僕がやります。つまり誰かがこの程度の行為で金を得る前に、僕が無給でやることによって市場を破壊し、ゆくゆくは宇宙を破壊する。

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-145/

クラス使用率

 シャーマンの暴力的増加は続いており、ついに繁茂滋養ナーフ直後のハンターと同じレベルになった。ランク4-1では全体の35%で、2番目に多いクラスの3倍以上。そしてクエストシャーマンだけで全体の2割以上。レジェンドではクエシャーとアグシャーがもっと同数に近く、シャーマン自体の数も先週と同じであり増加はしてない。

 2番目に多いローグは今週急激に増加しており、断末魔ローグとテンポローグが先導している。どちらも全ランク帯で増加しているが、断末魔ローグは低ランクのほうが多く、テンポローグはレジェンドでの増加が目立つ。

 プリーストの変化は予想通り起こっているが、予想よりも遅い。復活プリーストは減っており、コンボプリーストは主にレジェンドで増加。

 クエドルは減少、マリゴスからノミ型に変化しつつあるが遅く、まだノミ型がメジャーになっていない。

 サイクロンメイジはTier6(あるいは7、いや8?)であることがバレたため現場から逃走。特に高レベルでは完全に消えた。一方ハイランダーメイジへの興味が上がっており、ンゾスを使わないタイプも見られる。J4ckieのビッグスペル・バーン型のレジェ1位の影響か。

 パラディンは停滞だが、レジェンドでの減少は重要。ハイランダーパラディンはシャーマンに対処できず、聖なる怒りパラディンはシャーマン以外全部に対処できない。

 ハンターは秘策ハイランダーを除いて消滅。秘策ハイランダーでさえ、強そうなのにあまり使われていない。クラス全体も減少しており、レジェンドではウォリアー以下。

 コントロールウォリアーはほとんどがンゾス型だが、先週も言った通り挑発型の方が強い。トーナメントのせいなのか、改悪状態。アグロウォリアーはイベント開始時から眠っており、使われもせず構築の変化もない。

 ウォロは死んだ。ラスタカンのシャーマンと争えるレベルの最弱クラス。レジェンドでも使用率1.5%だが、それさえクエスト目的でしかないおそれがある。

パワーランキング論議

 先週の時点では、メタがこれ以上悪くなることは無いだろうと我々も楽観的だった。シャーマンを抑える自動調節的な要素があった。しかし現在、そう楽観できるか怪しくなっている。

 コンボプリーストとテンポローグに起きていることを理解するのが鍵。テンポローグはパッチ後の構築の改良によって大幅に勝率が向上し、今週の「メタブレイカー」の最有力候補となっている。メタへの影響はすでに出始めており、このデッキは勝率も上がり続けているため非常に将来有望。

 しかし、テンポローグはけっして2大シャーマンデッキに対して安定した勝率を誇っているわけではない。テンポローグがやっているのはコンボプリースト殺しであり、それを非常に効果的にやれている。テンポローグの増加によってコンボプリーストの影響力は特にシャーマンの多いレジェンドにおいて大きく抑制されている。コンボプリの減少によりクエストシャーマンが暴れまわり、アグロシャーマンもテンポローグに有利。よって、上位帯では以前よりもさらにシャーマンの支配力が高まってしまっている。

 したがって、今後のメタの行方はテンポローグが対シャーマンをどこまで改善できるかが握っている。もしテンポローグがクエシャーに有利をとったり、アグシャーに五分まで持ち込めれば、本物になれる。掲載のビルドではそれを目指した。

 ハイランダーハンターは低ランクでは強いが、ランク4以上ではTier1から落ちる。ローグの増加は追い風にならず、また他の多くのデッキと同じく、シャーマンを安定して倒すことができない。

 ハイランダーパラディンも似たような問題に陥っている。シャーマンに有利を取れず、テンポローグは最悪の相手のひとりであり、勝率が大きく下がっている。

 アグロウォリアーはシャーマンには強いが他のデッキに対して強くなく、総合勝率も悪くはないが飛び抜けてよくもない。一方コントロールウォリアーの勝率は沈んでおり、これはンゾスの罪および断末魔ローグというウォリコン以外誰も倒せないデッキが増えているせい。

 クエスドルイドは先週も挙げた理由で芳しくない。しかし、仮にノミ型の最大ポテンシャルで挑んだとしても、アグロシャーマンとコンボプリーストに不利なため難しい。ドルイドが望んでいるのはテンポローグの成功で、ローグはドルイドにとって楽な相手。もっとも最近は以前よりも難しくなっているが。

 復活プリーストとハイランダーメイジはTier3の頂点に居座っている。どちらのデッキもクエストシャーマンの止まらないヒロパや、ンゾス後のMCTに弱い。しかしメイジは別の勝ち筋を探しており、すでに全体勝率や対シャーマンを改善している。気付いてない人のために言うと、現在のンゾスは勝ち筋としては過大評価。

 ズーウォーロックは勝率を改善し、Tier3の底、ギリ使えるラインにまで上がって来ている。今でも他クラスのアグロデッキの下位互換、しかもアグロローグやマーロックシャーマンといった「下位互換デッキ」のさらなる完全下位互換であることには変わりない。

クラス別分析

シャーマン

 シャーマンの勢いは止まらず、ほとんどのランクで使用率がさらに増えたが、レジェンドだけは飽和したかもしれない。クエストシャーマンとアグロシャーマンはどちらもゲーム最強のデッキで、マーロックシャーマンはまあそこそこ。

 我々はエストシャーマンの数が今週は抑えられると予想し、実際レジェンドではそうなったが、ラダーにおいては日に日により多くのプレイヤーがこのデッキに取り付かれている。最適構築は一直線型で、いじる理由がない。

 アグロシャーマンも同じくらい強く、コントロールウォリアーがこの一週間勢いを得られなかったことが追い風になっている。掲載ビルドはラダーでよく見る形とは違うが、先週はより多くのデータが得られ、我々は感動している。

 カエルの精霊は明らかに構築の中心にする価値があり、我々の更にマイナーなカードと組み合わせればもっと強い。焼き付く幻視は野獣の精霊やライトニングストームよりも強い3マナスペルで、呪術はプリーストに対して試合を変える力がある。

 先週も言った通り、マーロックシャーマンは奇妙な位置にいる。明らかにかなり強いデッキなのに、上位互換デッキが同じクラスに2つ存在している。シャーマンの有り余った財産。

シャーマン:クラスレーダー
進化クエストシャーマン
進化アグロシャーマン
肉細工師マーロックシャーマン

ローグ

 今週のローグはでかい。戦えるがトップレベルではないと思われていたが、テンポローグに起きたイノベーションによって一線級の仲間入りを果たす。

 クエスト中の冒険者(2マナドローじゃなくて3マナ2/2のでかくなるほう)はイベント開始直後にもJ_Alexanderのトグワグル抜きリストで使われ、一定の成功を収めていた。元となる思考はクエドルとクエシャマに強い事で、このカードは相手が整う前に出せば大きなスノーボールを生み出せる。

 先週、強盗王トグワグルが現在のメタではコアカードだと判明した。単純なカードパワーも非常に高く、ワンダーワンドは冒険者シナジーもある。

 ただし冒険者の問題はワグルピックとのアンチシナジー。Sezokloが最初に実行したブレイクスルー、それは武器を採用しない事だった。クエストたちを倒したいなら、掲載のリストは最適。ワグルピックとSI:7は充分強いカードであり、抜くことで対プリーストが難しくなるのも事実であり、状況に応じてフレックスを調整する必要があるだろう。

ローグ:クラスレーダー
冒険者テンポローグ
海賊アグロローグ
怪盗クエストローグ

プリースト

 レジェンド外では控えめだが、レジェンドではコンボプリーストが増えている。勝率からはこのデッキがまだ最強デッキの一つであることがわかる。クエストシャーマンへの勝率の高さは現環境での価値が高い。しかし、テンポローグの増加という予想外の妨害によって失速している。

 復活プリーストは同レベルではない。確かにイベント前とは違って使えるレベルには到達したが、クエストシャーマンへの不利が痛い。そして先週も言った通り、クエストは駄目。使えない。

プリースト:クラスレーダー
ブワンサムディーコンボプリースト
ンゾス復活プリースト

ドルイド

 エスドルイドはマリゴスからノミに戻りつつあり、勝率の改善に繋がっている。しかしノミ型の支配率はまだまだ低く、成績も本来のラインより低い。まだ半分以上がノミにしていない。

 とは言っても、たとえクエドルがポテンシャルをフルに発揮したところで、コンボプリやシャーマンなどに並ぶトップデッキになるには問題を抱えている。対コンボプリーストは非常に難しく、アグロシャーマンやハイランダーパラディンにも弱いことが判明。確かに今よりも強いが、シャーマンやプリーストよりは弱い。

ドルイド:クラスレーダー
エリーズクエストドルイド

メイジ

 予想通り、サイクロンメイジは弱さが判明して劇的に使われなくなった。ラダーで使うことはお勧めしない。酷い結果を何度も見たため。

 一方ハイランダーメイジは少し使用率が上昇。ンゾス型はルナのポケット銀河系と占星術師ルナを採用せず、より防御系のカードを入れる。コントロールウォリアーがほとんど使われていないため、より強欲になり、より対アグロのためのスロットを作ることが出来ている。

 その一方でJ4ckieがレジェ1位を取ったのはビッグスペル型で、ナーガの砂漠の魔女やパイロブラストを採用している。わかったのはこのコンボが現在のメタで非常に有効なことで、これによって試合が少し早く終わらせられるようになり、ンゾスを抜くことでMCTに怯えなくて済む。掲載のリストで変えたのは爆炎波(明らかに弱い)を凍結光線(明らかに強い)に変えたこと。爆炎波はシャーマンにはそこそこ強く、氏のリストは対シャーマンを強く意識していたための採用だが、爆炎波はシャーマン以外に弱すぎる。

メイジ:クラスレーダー
ンゾスハイランダーメイジ
ビッグスペルハイランダーメイジ

パラディン

 ハイランダーパラディンは現環境にまともな影響を少しでも与えられる唯一のパラディンデッキ。マッチアップ分布はよいが、主な弱点はテンポローグと復活プリースト。テンポローグは盤面支配が強く、復活プリーストは後半のバリューで押し切ってくる。

 ハイランダーパラディンはシャーマンに対して悪いデッキではないものの、クエストにせよアグロにせよ不利ではあるため、ハイランダーパラディンがメタブレイカーとなることは無いと考えている。

 構築の面では、ンゾスがシルヴァナスと守護者をお供に採用されることが増えている。嫌いではないが、これらが勝率を上げるのはすでに有利な相手が多い(クエドル、ハイランハンター、ウォリコン)

 聖なる怒りパラディンはこのゲームで唯一クエストシャーマンとアグロシャーマンの両方に有利なデッキ。と聞くとメタブレイカーに思えるが、実際は程遠い。マッチアップ分布は極端で、クエドルを含むいくつか非常に悪い相手があるため、いくらシャーマン有利でも打ち消せないほど弱い。

パラディン:クラスレーダー
秘策ハイランダーパラディン
聖なる怒りパラディン

ウォリアー

 ものごとはあまりウォリアーにいいように動いていないが、その苦戦の原因は理想メタにおけるパワーの低さというよりも、一時的なメタのゆがみ的な流行に対応する必要がある。

 たとえば断末魔ローグが増えている。このデッキはクソで、環境のほとんどのデッキに負けるが、例外的に勝てるのがコントロールウォリアーである。唯一の勝ち筋である半無限ンゾスは除去デッキであるコントロールウォリアーには完全に刺さるため全く勝てない。

 二番目の問題はンゾス構築。大会に登場したせいで、減るどころかむしろ構築を支配してしまった。BANフォーマットの成績がどうであろうとンゾス型のラダーでの成績は最低。対クエストシャーマンをより悪くするだけの巨大な罠。

 ウォリコンが苦戦している一方、アグロウォリアーはよくやっている。シャーマンズやコンボプリとも充分競い合える。復活プリーストの数だけ勝率が下がるが、それを除けばメタのほとんどのデッキに対して強いマッチアップ分布。

ウォリアー:クラスレーダー
挑発コントロールウォリアー
勇士アグロウォリアー

ハンター

 ハンターは事件のない一週間で、唯一の成功デッキである秘策ハイランダーハンター以外のアーキタイプは消滅しつつある。

 デッキの中もほとんど変化していない。ラダーで最良の選択肢の一つだが、完全ではない。復活プリーストを倒すのは苦労するし、ハイランダーパラディンもハンターに強い。いまのメタで最も急成長しているテンポローグも苦手な相手の一つ。しかしラグナロスと荒野の呼び声のおかげで、イベント前よりもクエドルには勝てるようになった。

ハンター:クラスレーダー
秘策ハイランダーハンター

ウォーロック

 死んだクラス。ズーウォーロックはギリギリでも使えそうな唯一のデッキであり、それも他のクラスのアグロデッキの完全下位互換。使う理由が全くなく、減少している。レジェンドでも1%程度。

 より遅いウォーロックはこのフォーマットにおける最低のデッキ。ンゾス、メックトゥーン、考古学、何であろうと弱い。

ウォーロック:クラスレーダー
手先ズーウォーロック

今週のメタブレイカ

 この項目ではシャーマンを禁止し、フェアなデッキのみを取り扱います。そうでないと我々自身が退屈で死んでしまう。

 そうすると答えは簡単:テンポローグは今週大躍進しており、上位デッキのパワーレベルに大きな影響を与えている。ラダーの下位にもいずれ伝わるだろうが、しかし一つの重要な疑問は残っている。テンポローグはシャーマンを安定して倒せるのか?

 現時点での答えはNOだが、しかしまだデッキは改良段階であり、様々な構築を含めた成績。将来は変わるかもしれない。

テンポローグ

 お疲れ様でした