vS204(風集うストームウィンド・2021/8/13)雑翻訳
https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-204/
追記:グラフについて
本レポートに掲載されているスクリーンショットは、利用可能なデータのすべてを網羅しているわけではありません。各グラフをクリックすると、より多くのフィルタリング・オプションを含む、オリジナルの"tableau"ファイルに移動することができます。また、以下のようにウェブサイトのツールバーからもこれらのグラフに移動することができます。
クラス・アーキタイプ使用率解説
風集うストームウィンドが発売されて以来、クエストメイジが話題になっている。このデッキはすべてのラダー・ランクで爆発的に普及し、メタを席巻した。しかし、最初のビッグバン以来、このデッキは衰退している。低ランクでは依然として人気だが(プラチナ以下では環境の20%)、ラダーが上がるにつれて徐々に減少し、トップレジェンドでは13%になっていることがわかる。
ハンドバフパラディンは、拡張版の3日目に大きな盛り上がりを見せ、ラダー全体でプレイされるようになり、ゲーム内で最も人気のあるデッキの1つとなった。他のパラディンのアーキタイプはあまり目立たず、クエストパラディンはもっぱら低ランクでのみ使用されている。
シャーマンはメタのかなりの部分を占めており、エレメンタルシャーマンはドゥームとノールの両方のバリエーションが早期から改良されている。クエストシャーマンもラダー全体で目立っており、さまざまなデッキリストが実験されている。
ウォーロックは競技シーンに帰還し、2つの主要アーキタイプが多くプレイされている。クエストウォーロックはよりコンボに特化した戦略で、既にいくつかの変遷を経ている。ほとんどのズーウォーロックは、これもまた連続クエスト「悪魔の種」を採用しているが、タムシンに頼る前の早い段階から多くのプレッシャーをかけることができる、より積極的な構築を行っている。ハンドロックの時代は訪れていない。
フェイスハンターは、大荒野からデッキリストの変化が最も少ないデッキかもしれないが、そんなことは成功率には関係ない。普段の傾向とは逆に、ストームウィンドのフェイスハンターは高レベルでも減少の兆候がなく、トップレジェンドでも依然として非常に人気が高い。クエストハンターの流行は数時間だけ続いたが、その後デッキは大きく使用が減少し、ラダーではほとんど見られなくなってしまった。
ローグは拡張が出て以来、大きく変化した。当初、ガジェッツァンの競売人を採用したワイヤーミラクルローグがもてはやされたが、その後このデッキは衰退した。そしてクエストローグのプレイが増加し、このクラスの主要なアーキタイプとなった。毒ローグも少々見られる。
ドルイドはスタンダード・フォーマットの中では最も多様性のあるクラスかもしれない。クエストドルイドは拡張初日に爆発的にプレイされたが、3日目には減少し始めた。アナコンドラドルイドは少しプレイが見られ、続いて挑発ドルイドの実験が行われている。ピエロ、星界配列、トークンドルイドなど、他のアーキタイプはほとんどプレイされていない。
生命奪取デーモンハンターは最後の決闘を完全に受け入れており、ほぼすべてのビルドでクエストを採用している。このデッキは、これまでと同じプレイパターンを今回も見せており、下位のランクでは少しプレイされ、レジェンドになるとようやく本格的にプレイされ、そこでは最も目立つ選手のひとりとなっている。断末魔デーモンハンターは、このクラスのもう一つの強力なアーキタイプだが、その使用率は非常に控えめ。生命奪取型でないクエストデモハンの存在数は非常に少ない。
プリーストは、大荒野の時とは全く違うクラスのようだ。コントロールプリーストは死に絶えた。クエストプリーストは低ランクから抜け出せない。シャドウプリーストは多くの実験を行い、最終的にはこのデッキを非常にアグロ的な方向に導いた。高レベル帯では、このアーキタイプはより洗練されたものになっており、プリースト版フェイスハンターと言っても過言ではない。この記事が書かれている間にも、このデッキの人気は上昇し続けている。
ウォリアーは、現在のスタンダードでは希望が持てないと思われるクラスで、メタが進んでいるトップレジェンドでのプレイ率はごくわずか。トップレベルのプレイヤーがこのように早い段階でクラスに見切りをつけるのは良い兆候ではない。レイトゲーム・フィニッシャーが増加したことにより、(アグロ的なアプローチを余儀なくされている)クエストウォリアーを含め、このクラスのレイトゲーム戦略が弱体化している。急襲ウォリアーはほとんどプレイされていないが、これが新メタの圧力で崩壊しているとは限らない。
パワーランキング解説
はじめに、気をつけておきたいこと:
- アグロデッキは、弱いデッキ構築を罰するため、環境序盤に輝く傾向がある。
- 構築の改良や変化といった文脈を無視して勝率だけを見ると、誤解を招く恐れがある。私たちは、改良が進み、弱いビルドがなくなった後のデッキの上限を推定・評価しなければならない。
- 勝率は全体的にインフレ状態であり、これはワイヤーローグのような悪いデッキがまだ一般的で、多くのプレイヤーにイージーウィンを献上しているためである。
- 現在コミュニティではバランス調整が話題になっているので、このセクションでもそれについて説明し、このフォーマットのバランスの決定が複雑な理由を説明したい。メタの多様性や、すべてのクラスの競技性に多くのポテンシャルがある。確かにいくつかの問題は存在するが、反射的なナーフでメタを吹き飛ばすと、より悪い状況を招く可能性がある。我々としては、開発チームがここで時間をかけてくれたことを賞賛する。その理由は、このまま読んでいただければわかるだろう。
- メイジ
- 拡張版の1日目には、クエストメイジの勝率は60%に迫る勢いだった。それによってこのデッキは大きな標的となり、高レベルでは勝率が50%以下にまで落ち込んだこともあったが、その後回復に向かった。プレイヤーが注目を外して、他の、より成功したデッキを叩くようになったため。
- クエストメイジはかなりマッチアップの偏ったデッキで、その使用率の高さはメタに大きな影響を及ぼしている。アグロを促進し、8ターン目以降を見据えるようなレイトゲーム戦略を締め出している(ただし、そういうデッキはこれだけではない)。
- そうは言っても、このデッキは他の戦略が強力になりすぎないように牽制しているため、これを完全に殺してしまうと、複雑な状況になる可能性がある。詠唱者の循環のナーフは、見た目ほど単純な話ではない。
- パラディン
- ハンドバフパラディンはかなり強そうに見える。マッチアップ分布は恐ろしいほど強いが、兆候としてスキルの上限が低く、高レベルではより効果的なカウンターが出現するため、勝率が悪くなる傾向がある。デッキパワーが一段抜けていることを考えれば、メタが落ち着いた後も、このデッキが強力であり続ける可能性は十分にある。しかし、メイジがナーフされる場合、メイジはこのマッチアップをうまく処理できるほぼ唯一のクラスなので、パラディンも同時に対処されるだろう。
- それだけではない。秘策パラディンは、サンプル数は少ないものの、スタンダードで最もポテンシャルが高いデッキのひとつ。私たちはとあるビルドを監視しており、これはハンドバフパラディンよりも強くなるかもしれない。要チェック。
- シャーマン
- エレメンタルシャーマンは、この拡張のトップ3に入る有力選手。早期に確定したビルドと強力な追加要素のおかげで、このアーキタイプはどちらのバリアントも環境で仕事をしている。
- 良いニュースは、エレメンタルシャーマンの改善可能性が比較的低いことで、他のデッキがデッキリストを調整することでいずれ追いつく可能性があること。しかし、開発チームがハンドバフパラディン(シャーマンのカウンター)に対応するバランス調整を決定すれば、エレメンタルシャーマンもやはり打撃を受ける可能性がある。
- そしてクエストシャーマン、ストームウィンド第1週の最高のクエストデッキである。そのマッチアップ分布は非常に有望で、目を見張るものがある。クエストメイジとクエストウォーロックの両方のマッチアップに苦しんでいるにもかかわらず、これほどまでに強いというのは驚くべきことであり、これらのカウンターデッキを完全に消滅させた場合における懸念材料にもなっている。それら以外のデッキに対しては、圧倒的な強さを誇っている。
- ウォーロック
- クエストウォーロックがTier4? このデッキはすべて誇大広告であり、嘘なのか? それは正確ではない。初期のデッキリストは非常に弱いことが証明されているが、不調なリストの海の中で、1つのビルドが軌道に乗り、スタンダード最強デッキの1つになる可能性がある。そう、改良後のクエストウォーロックはTier1になる可能性を秘めている。よってクエストウォーロックの現在のデータはその強さの指標としては正しくなく、このメタブレイカー・バリアントが定着するのを待ってから判断すべきだ。
- 強くて粘り強いクエストウォーロックは、レイトゲームデッキを締め出すという点ではクエストメイジと同じくらい歪んでいるので、これも外部からの干渉が必要になるかもしれないデッキ。ナーフが早かったら、おそらくこれには対応できなかっただろう。
- そしてズーウォーロックが登場。これもまた、同じくパワーハウスになりうるクエストデッキ。改良の余地は姉妹クエストデッキほど高くはないが、トップティア勢と充分渡り合えるだけの可能性がある。すでにTier1にかなり近いところにいる。
- ハンター
- パラディンがラダー下層の王である一方、フェイスハンターはより高いレベルで力を発揮する。トップレジェンドで最高パフォーマンスのデッキであり、それもぶっちぎりのトップ。このデッキは、人気のクエストデッキの多くをカウンターできる優れたデッキだが、単に未改良のメタを利用しているだけではない。そのマッチアップ分布は全体的に非常に優れており、バランスがいい。ハイパーアグロデッキであり、拡張版の初期段階であることから、より洗練されたメタでは多少は勢いを失うことが予想されるが、それでも充分強い可能性がある。バランス調整の際にフェイスハンターが放置されるとは考えにくく、特にシャーマンが何らかのナーフを受ける場合はなおさら。
- クエストハンターは不発に終わり、このクラスの中で探求できるものは他にあまり残っていないように見える。今回の拡張も、やはりレクサーの選択肢はフェイスハンターしかないようだ。
- ローグ
- クエストローグはかなり強く、競争力がありそうだ。かなりバランスの取れたマッチアップだが、メイジとハンターには苦戦している。バランス調整の後にメタに忍び寄るデッキの一つかもしれないが、過度に心配する必要はなさそう。すでに比較的洗練されているので、改善の可能性はそれほど高くない。
- ワイヤーローグは非常に悪い。クエストメイジとクエストウォーロックには強いが、それ以外のほぼ全部で死んでしまう。消えていくだろう。
- 毒ローグは、初期のメタで、ジャンキーなデッキや人気のクエストデッキを打ち負かして楽しんでいる。クエストメイジとのマッチアップは、レジェンドではほぼ80対20となっており、これが成功の大きな要因となっている。マッチアップ分布は大荒野と似ていて、非常に偏っている。遅いデッキには非常に強いが、ミニオンのプレッシャーには完全に転がされてしまう。メタの変化に非常に敏感なので、初週の繁栄がこれからも続くとは思えない。
- ドルイド
- クエストドルイドは拡張初日にはTier 1に見えたが、パラディンの増加によってすぐに崖から落下した。このマッチアップは15-85なので、パラディンに多く遭遇する場合ラダーでうまくやるのはかなり無理がある。このデッキは、ミニオンが少ない初期のメタを利用していたが、対戦相手がボードに一貫したプレッシャーをかけ始めたことで、欠陥のある戦略であることが露呈したと考えている。多くのデッキがそうしているし、またアグロでなくともクエストドルイドに勝つことはできる。
- アナコンドラは強くなったようだ。まだパラディンには苦戦しているが、以前より勝てるマッチアップになっている。現在のスタンダードでは、このデッキのメガパワープレイに対処できるような除去重視のデッキがあまり存在しないため、その勝ち筋は非常に効果的。
- 挑発ドルイドは当初は絶望的に見えたが、だんだんポジティブな方向に発展し始めた。このアーキタイプを改善するためには多くの作業が必要だが、我々はまだこれを見限ってはいない。他のプレイ率の低いドルイドのアーキタイプも見捨ててはいない。トークンドルイドや配列ドルイドは、まだメタについて何かを語ることができるかもしれない。ピエロドルイドは遅すぎるかもしれない。
- デーモンハンター
- 生命奪取デーモンハンターは高レベルになるほど顕著な改善が見られ、特にトップレジェンドでは勝率がプラスに転じており、さらに勝率が日に日に上昇し、やや心配になってくるレベルにまで達している。他のクエストデッキとのフィニッシュレースにきわめて強く、他のデッキよりもはるかに早くフィニッシャーを着地させており、それも明らかに開発チームの意図よりも早いようだ。フィニッシュのために、カートラスをプレイする必要さえもないことが多いのだ。クエストメイジやクエストウォーロックと同じように、デーモンハンターは非常に速いクロックを要求し、他のレイトゲームの戦略を阻害してしまうため、対策が必要になるだろう。
- 断末魔デーモンハンターはあまりプレイされていないようだが、レジェンドへの登りではかなりの強さを発揮する。高レベルでは悪化するのはよくあることだが、ラダー全体では競争力を維持している。間違いなく成功できる。メタのパワーアップにもついていけている。
- プリースト
- シャドウプリーストは本物。このデッキのパフォーマンスは日々向上しており、そのピークに達する高レベルではデッキの改良が完了しつつある。我々は、シャドウプリーストの弱いビルドがなくなっていくにつれ、その強力なパフォーマンスが他のランク帯にもすぐに浸透していくことを予想している。このデッキは、強力な防御を持たないレイトゲームデッキにとっては脅威。このデッキは非常に偏っており、現在の不安定なメタがこのデッキのパフォーマンスを向上させていると言うこともできるだろう。しかし我々は、このカードは混乱が収まった後も競争力を維持できる可能性が高いと考えている。今、アンドゥインに遭遇したら、対フェイスハンターのようにマリガンしなければならない! これは今までに経験したことのない事態だ。
- 除去ベースの勝ち筋は時代遅れになった。クエストメイジとクエストウォーロックがフォーマットの柱である限り、除去デッキはラダーで許容できるレベルの成績を出すことは出来ない。これはコントロールプリーストにとっては死刑宣告。チャンスを得るためにはより速い勝ち筋を見つけ、また、これらのデッキが減速する必要がある。
- ウォリアー
- ウォリアーでも同じようなことが言える。コントロールウォリアーに可能性は一切ない。クエストの勝ち筋はあまりにも遅すぎる。大荒野のメタだったらかなりうまくいったかもしれないが、ストームウィンドのメタでは絶対に無理。
- しかし、だからといってウォリアーが死んだわけではない。忘れ去られたアーキタイプである急襲ウォリアーは、今でも良いレベルで機能している。また、これまで完全に無視されてきたため、改善の余地は大きいと考えている。一部のクエストデッキとのマッチアップがプレイヤーを怖がらせているようだが、このデッキは充分に実行可能だと考えている。バランス調整が行われれば、急襲ウォリアーが活躍する可能性はさらに増えるだろう。
- では要するに、来週のバランスパッチに何を期待すればよいのだろうか?
- クエストメイジ、クエストウォーロック、生命奪取デモハンの勝ち筋は環境を制限しており、その着地も早すぎる。これらは検討されるだろう。
- フェイスハンター、ハンドバフパラディン、エレメンタルシャーマンの爆発力も検討すべき。
- バランス調整による連鎖的影響で、特にデッキが削除されるような場合、クエストシャーマンのようなデッキが爆発的に増える可能性がある。一部のデッキをあまり厳しくナーフしないほうがよいというインセンティブ。
- このメタは、非常に多様で成功する可能性を秘めている。すでにかなり多様性があり、現在のいくつかの問題点が調整によって解決されれば、ホームランになるかもしれない。しかし、完璧な変更を行うのは難しい仕事になるだろう。
クラス別分析
メイジ
クエストメイジは拡張一番乗りを華々しく飾っていたが、その後は落ち着いてきており、環境もこれを牽制している。このデッキはプレイスタイルもメタへの影響も非常に偏っているため、勝率に関わらずナーフされる可能性が非常に高い。今回は、詠唱者の循環が弾を避けるとは考えていない。
クエストメイジのビルドに関しては、驚くほど画期的な変更といったものはない。プレイヤーは、アペクシス・ブラストをカットして競売人やワンド泥棒にするという実験をしている。現在のラダーの環境では、アペクシス・ブラストはまだ運用する価値のあるまともなカードだが、代行や時代のスペルメイジほどの強さはない。
我々が気に入っているカードは、最後の調整枠における予熱。この0マナ呪文は、クエストの進行において価値が高く、クエストフェーズから次のフェーズへの移行にも役に立つ。アイスバリアはデッキの核。増加する対パラディンを考慮しても、退化の矢は過大評価。
パラディン
ハンドバフパラディンは、ストームウィンドで非常に良いスタートを切った。このアーキタイプ、そしておそらくクラス全体での成功の鍵は、バトルマスターと信念によるフィニッシュコンボ。相手に一定の圧力をかけるために、毎ターン脅威を展開し続ける必要はない。2体のミニオンを盤面に残すだけで、回復の難しいバーストダメージを仕掛けるには充分。忍耐強く、生き残ることに集中し、盤面を取り返せるようにしておこう。
言うまでもなく、バトルマスターはこのデッキでは完全にオーバーパワーであり、このカードは間違いなく2枚採用するべき。守りのローブは、メイジや他の呪文中心のデッキに対して脅威を残すのに役立ち、その点では教団の新入会員よりも効果的。序盤の聖なる盾ミニオンは、プリズム宝石細工キットからスノーボールするために重要。重荷運びラバは、バフの乗る手札枚数を維持するのに役立つ。
コーネリアス・ロームやテイラン・フォードリングはあまり良くない。これらのカードは、現在のメタには遅すぎるようだ。ヴァリアンのほうが、カードドロー効果に加えて、即座にボードスイングができるので、より価値が高い。
クエストパラディンはあまり期待できないようで、我々の発売前のビルドよりも優れた特筆すべき開発は行われていない。私たちはリストを微調整し、闇への抵抗を追加し(ペイオフがもっと欲しい)、ペン投げ野郎1枚(クエスト進行においてそれほど優れていない)とコーネリアス・ローム(遅すぎる)を取り除いた。
しかし、パラディンが出来ることはこれだけではない。WuLingの秘策パラディンが出した結果は、本物の兆候を見せている。繰り返しになるが、このデッキはただ一つのマインドで作られている。バトルマスター/信念に繋げることだ。
パラディン:クラスレーダー
ローブ・ハンドバフパラディン
バトマス秘策パラディン
新兵クエストパラディン
シャーマン
エレメンタルシャーマンは、ストームウィンド初期のメタのもう一人のフロントランナー。大荒野の時と同じように、ドゥーム型とノール型に分かれている。ドゥーム型は、盤面外からのバーストダメージに弱い「OTK」デッキとの対戦に適している。一方、ノール型は、より伝統的なハースストーンのデッキとの対戦に適している。現在のところノールバリアントの方がわずかに優れているが、これはメタによって異なり、どちらのビルドも一般的には非常に効果的。
ノールビルドでは、競売ハンマーが予想していたほどゲーム序盤の強力な武器にはならないことがわかった。序盤の手札に必要なカードは3枚。慟哭の蒸気、焚き付けのエレメンタル、鍛冶場生まれの花崗岩だ。他の全てのカードはそのパワーレベルには到底及ばないので、我々はむしろレイトゲームでより活躍しやすい、バリュー系の2マナミニオン(荒ぶる雨雲)を採用している。
ドゥームビルドについては、大荒野時代と同じようなコンセプトが成功している。呪文は岩穿ちとストーム・ストライクのみを採用する。これらはダンジョニアでサーチされる。現在のリストでは、そのダメージを最大化するためにノート取りを使用している。教団の新入会員や遠方の番所などのテックカードは悪くないが、必須でもない。
クエストシャーマンも有望で、スタンダードで最強のクエストデッキの1つとして定着しそうだ。クエストを完了させようとするとマナが足りなくなることが多いので、軽いオーバーロードカードをすべて入れておくのがベストな構築だと思われる。これには、クエストの進行を間接的に促進する始原学の予習や、投資機会も含まれる。始原のダンジョニアは一貫して発動するわけではないが、それでも入れる価値のあるカード。土砂崩れは今はあまり強くない。
進化シャーマンは飛び立っていない。小っちゃなおもちゃは恐ろしい追加要素で、このアーキタイプでは非常に強力なカードのように見え、将来的には問題を引き起こすかもしれない。しかし、このアーキタイプ自体は、ハースストーン・コミュニティの多くの人たちが安心しているように、現在のところ強力ではないようだ。
シャーマン:クラスレーダー
ノール叩きエレメンタルシャーマン
ドゥームエレメンタルシャーマン
オバロクエストシャーマン
おもちゃ進化シャーマン
ウォーロック
ウォーロックはメタに凱旋したが、拡張初期のデータはそれを反映したものにはなっていない。
クエストウォーロックの初期のビルドは、魂の盗み魔を中心に、いくつかのドローパッケージ(競売人やグルダンの手)を加えたものだった。これらのビルドは非常に弱く、ラダーのクエストウォーロックの大部分を占めているため、その勝率はTier4の領域となっている。
しかし、NoHandsGamerは魂裂破、血の欠片のブリストルバック、大荒野のクズ拾いを使った、別のビルドを広めた。このバリエーションははるかに強力で、Tier1の可能性がある。このデッキは肉の巨人とバトルグラウンドのバトルマスターを採用しており、これはこのビルドで最も重要なパッケージかもしれない。これによってウォーロックはクエスト報酬以外でフィニッシュが可能となり、実際にその方法で勝つケースが多い。ゴールドシャイアのノールとアネザロンは強力で、このデッキを「ハンドロック」の方向にさらに推し進めている(この調整はZyriosによって広められた)。「悪魔の種デッキ」ではなく、「肉の巨人デッキ」として扱うこと。
ズーウォーロックはすでに非常に印象的で、さらに成長の余地があるように思われる。クエストウォーロックと同じく、このアーキタイプは魂の盗み魔に夢中になっているが、このカードを入れた構築は今のところがっかりなものになっている。早々に盗み魔を見切りたいわけではないないが、とりあえずは現時点でより強力なバリアントを紹介する。
ズークエストウォーロックで理解すべき重要なことは、その勝ち方について。よりアグレッシブにプレイしてもいいが、中盤から後半にかけて成功するための準備をして、クエストを最大限に活用することにメリットがある。マリガンは欲張るべきであり、肉の巨人がいかに早くディスカウントされるかを過小評価せず、2ターン目のヘックルファング・ハイエナで満足してはいけない。2枚の空飛ぶほうきによって、ゲーム中盤に闇の睨視者を使った大型スイングを仕掛けることができるし、クエスト後にナイフ売りから出るダメージは最高。このデッキのプレイスタイルは、あなたが覚えているであろうスタンダードのズーウォーロックよりも、ワイルドの睨視者ウォーロックに似ています。
ウォーロック:クラスレーダー
ハンドクエストウォーロック
ズークエストウォーロック
ハンター
また起きてしまった。新たな拡張パックが発売された後、フェイスハンターだけがこのクラスの競争力のある選択肢となっている。ただ、競争力がある、というのは控えめな表現かもしれない。フェイスハンターは、ラダーの高レベルで、かなりの差をつけて最高パフォーマンスのデッキのようだ。防御力の低いデッキが散見する序盤の不安定な環境を、容赦ないダメージで破壊している。
ラダーでフェイスハンターをうまく運用するには、新しいカードはほぼ必要ない。唯一、狙い撃ちはその価値があり、とても強い新カード。フェルモーはまだデッキから省くには強すぎる。プレイヤーがこのカードをカットしようとするたびに、このカードはこれまでに何度も引き下がることを拒否してきた。2マナ枠ではくねくね怪異よりも若干優れているように見える。
クエストハンターは不発に終わった。戦える可能性はほとんどなく、プレイヤーからも見放されてしまっている。
ハンター:クラスレーダー
いつものフェイスハンター
がっかりクエストハンター
ローグ
クエストローグは、進化するメタの中でかなりまともな位置にいる。このアーキタイプでの意外な発見は、SI:7潜入工作員がプレイアブルだということ。すべてのSI:7カードには「祈願」効果がついているため、4マナ5/4は引いて嬉しいカードではないものの、クエストを進めて勝ち筋にたどり着くのに役立つ。このデッキでは、メインのゲームプランを推進しないカードはどれも役に立たない。しかし、バトルグラウンドのバトルマスターは例外的に、勝ち筋が起動した後、それをより悪用することができるので、非常に有効。
しかしながら、特定の対戦相手に合わせるための柔軟性も持ち合わせている。教団の新入会員は、コンボ型で呪文中心のデッキに対して役立つ。景品横取り野郎は、より速いミニオンデッキに対して有効。どちらもすべての対戦相手に有効というわけではない。黄色いマークのフレックス枠のカードと入れ替えることができる。
ワイヤーローグは、かなり悪いデッキのようだ。実験の沼から飛び出たデッキは見当たらず、このアーキタイプの憂慮すべき弱点を解決するようなビルドも出てきていない。お勧めしません。
毒ローグは人気のOTKデッキのいくつかを消し去るため初期にはうまくいっていたが、アグロデッキの成功や、毒ローグの獲物のいくつかが総合成績も残念であることなどは、あまり良い兆候ではない。その非常に偏ったマッチアップ分布を考えると、ある程度メタが変化することによって完全に崩壊してしまう可能性がある。
ローグ:クラスレーダー
SI:7クエストローグ
サメワイヤーローグ
ワイヤー毒ローグ
ドルイド
クエストドルイドは、クエストメイジをはじめとする「ソリティアデッキ」への回答として、非常に強いスタートダッシュを切った。しかし、ミニオン戦略が急速にメタに戻ってきたことで、大きな苦戦を強いられている。特にパラディンのマッチアップは大きな問題となっている。
ベストのビルドは、拡張前に推測していたものと大きくは変わらない。呪文を多用した菌々財宝のシェルが最適なアプローチのようだ。McBanterFaceがリストを調整し、グローフライの群れと草攻凶花を入れた。セナリウスの結界はマナコストが8なので現在のメタでは優れていない。
アナコンドラドルイドはパラディンのマッチアップが悪くないため、パラディンメタではより強く見える。結果として、これからのドルイドデッキの中で最強のものになるかもしれない。このビルドは、亀は万年を除き、大荒野の終わりの頃とほとんど変わらなかった。亀はとても良い追加要素だ。
挑発ドルイドは当初は振るわなかったが、新たな展開によって戦える可能性が出てきた。今回は、最も期待できるリストを紹介する。貪欲な読書家は、手札を高速消費するデッキの性質をうまく補完する。また、エルーンの巫女やレイザーメインの戦闘衛兵とのコンボのために、多くの2ドロップが必要。カラスとリスはせいぜい1ドロップで、マリガンで取るのは避けるべきだろう。これらは1ターン目にはほとんど役に立たない。巫女と戦闘衛兵を探しに行くこと。レイザーメインの戦闘衛兵はこのデッキにおける詠唱者の循環。2ターン目にこのカードを使うと、ゲームに勝てる可能性がはるかに高くなる。
星界配列ドルイドにビッグニュース! 今やこのゲーム最悪のデッキではなく、いくつものアーキタイプがこの部門で何マイルもリードするようになった。真面目な話をすると、サンプル数が少ないにもかかわらず、最近では星界配列に弱いクエストデッキが普及しているため、はるかにプレイしやすくなっている。これがどのくらい続くか見てみよう。
ドルイド:クラスレーダー
スペルクエストドルイド
亀アナコンドラドルイド
巫女挑発ドルイド
もうWorstではないDeck(※星界配列ドルイド)
デーモンハンター
生命奪取デーモンハンターは最後の決闘をビルドにうまく組み込み、ついにグルダンの髑髏を使わなくなるほどになった。これは驚くべきことで、発売前の我々が完全に過小評価していたものだ。
ビルドには髑髏もないし滑空もない。滑空はやはり悪いカード。連続クエストのフェーズを完了させる能力は、非常に軽いドローと、交換可カードの組み合わせにかかっている。タスクピアサー/商売人はかわいいミニコンボ。二段ジャンプ/霊視力も心に留めておくべきカード。敏速の秘印は、各フェイズ完了の準備に最適。ごく最近見つけた最も有望なカードは、ギルドの商人。このカードはこのデッキにおいて信じられないほどの効果を発揮し、イセリアル改造屋よりもはるかに優れている。というのも、このカードはクエストを進めるのに役立ち、交換可タグのおかげでカートラスで確実にディスカウントでき、追加の呪文ダメージ+2になる。使ってみてほしい、きっと実感できるだろう。
断末魔デーモンハンターは古い大荒野のデッキということで無視されているが、このデッキは拡張初期としては非常に良いパフォーマンスを見せている。今回は、現在のメタに非常に適したビルドを掲載している。遠方の番所は必須。教団の新入会員は役に立つ。ン=ゾスは遅すぎる一方、激昂のフェルスクリーマーによって審問官を早く出すことが大いに推奨される。これはフェルスティールの剣精を変妖することもできる。基本的には、より速くプレイし、より早く顔を殴ることを目指している。
デーモンハンター:クラスレーダー
クエスト生命奪取デモハン
フェルスクリーマー断末魔デモハン
プリースト
アンドゥインはとても怒っている。彼の愛するコントロールプリーストは、現在のメタのリーサル力・不可避性の高さによって消し去られてしまった。このアーキタイプは、ストームウィンドで登場したいくつものレイトゲーム戦略に対抗できるチャンスさえない。消耗戦はもう通用しないのだ。このアーキタイプの掲載ビルドを運用することはお勧めしないのだが、積極性とプレッシャーを高める方法に取り組んできた(肉の巨人、エレクの乗騎)し、これまでに見た他のビルドほど悪くはない。
完全なる闇、それがアンドゥインの復讐であることが証明された。シャドウプリーストは、ハースストーンの歴史の中でこのクラスが見たことのないようなハイパーアグロによって成功を収めている。このデッキはエルフの射手を使用している。エルフの射手! しかもそれがある程度効果を発揮している(ただし、おそらく最適リストには入らない)。シャドウプリーストはスタンダードで最もアグロなデッキで、フェイスハンターと同じくらい素早く相手を殺すことができる。
このデッキを支えているのは虚無に触れし従者。このカードは実際非常識で、試合のどの段階でも驚くほど強い。デッキリストは26枚前後までは固まっているようだが、残りの4枚については議論がある。クルティラスの従軍司祭は、従者でスノーボールできるので気に入っている。ナイフ売りは、盤面を失ったときに貴重なリーチを提供してくれる。旅商人やドラゴンモーの監督者はあまり好きではありません。読心術師も良いかもしれない。
プリースト:クラスレーダー
アグロシャドウプリースト
巨人コントロールプリースト
ウォリアー
ストームウィンド・メタのもう一つの犠牲者であるクエストウォリアーは、ジャガーノートが基本的に8ターン目までに殺してくるデッキには効果のない勝ち筋であるため、不発に終わった。ウォリアーは、少しずつ得られる利益を活用することが中心のクラスだが、それは現在のフィールドではうまく機能しない。コントロールウォリアーは明らかに死んでいるし、ビッグウォリアーも影響を与えるほどの速さはない。
このクラスが完全に死んでしまうのを防いでいる唯一の例外は、急襲ウォリアー。このデッキは非常に良いパフォーマンスを見せているが、断末魔デモハンと同じく、プレイされていない。ストームウィンドには、急襲ウォリアーを置き去りにするような、ピカピカでエキサイティングな新しいオプションがたくさんある。派手なものを求めていないのであれば、掲載のリストで十分。新カードはタダ乗せ船乗りと重荷運びラバだけだが、どちらも素晴らしいアップグレード。
ウォリアー:クラスレーダー
アグロクエストウォリアー
ラバ急襲ウォリアー
兵卒ビッグウォリアー
今週のメタブレイカー
このメタには2つ以上のメタブレイカーがおり、このセクションではそれを正当に評価することができない。探求すべきことがたくさんあり、さらなる発見があるに違いない。毎日のように物事が上がったり下がったりしている。プレイヤー層が対応しきれないほど、実験できる選択肢があるように感じる。このレポートでは、多くのアーキタイプの改良プロセスを加速させ、その可能性を見ることができるよう、多くのデッキリストを提供した。
しかし、こうした発見をしようとしている人たちを皆殺しにしたい時にどのデッキが一番効果的なのかは、我々も知っている。
フェイスハンターは今までとはオーラが違う。もはやトップレベルのプレイで軽視されるそこそこ強力なデッキではなく、ストームウィンドの第1週目に競合を完全に吹き飛ばし、大差で最高のラダーデッキの座を獲得した。しかも、たった1枚の新カードでそのすべてを成し遂げたのだ。
ワイヤーローグのプレイヤーに感謝します。皆様のおかげでこれが実現しました。
お疲れ様でした