虚無層

exit from society

vSワイルド19(ウルドゥム、発見調整後)雑翻訳(2019/9/29)

 ワイルドです ホワイトメイン以来久々の記事となりますが、ウルドゥムから立て続けにバーンズナーフ、発見調整と来たので書きかけの記事を泣く泣く捨てた夜もあったのでしょう。想像するだけで胸が詰まります。

https://www.vicioussyndicate.com/wild-vs-data-reaper-report-19/

クラス使用率

 ワイルドのラダーは大きく2つに分けられる。レジェンド以下とレジェンドでは大きく環境が異なる。

 レジェンド到達まではメイジが非常に多い。ランク4-1では3割にものぼる。そしてアルネス秘策メイジは2割、ダントツでワイルド最多のアーキタイプ。ウルドゥムで強化されたレノメイジはランク4以上では8%。クエストメイジは一瞬流行ったが招来のナーフおよびアルネスメイジに弱いため環境の2%にまで減った。

 レジェンド到達後はメイジの割合は25%未満に減少。しかしデッキ内訳が大きく変わり、レノメイジが最多になり、アルネスメイジはレノよりすこし少ない数になる。ラダーではほぼ見ないエグゾディアメイジはレジェンドでは少し増える。

 ウォーロックは今でも大量のアーキタイプを抱えた人気クラス。レジェンド外では今拡張でゼフリスが追加されたレノロックが主に人気。レノの後ろにチョッキンガー、メックトゥーン、キューブ、暗黒の刻、偶数とズーがある。レジェンドでは全く状況が異なり、チョッキンガーウォーロックが全体の13%を占めるほど増え、上位ではメイジの2デッキを両方抜いて最多デッキとなる。

 シャーマンの使用率はランクによって変わる。偶数シャーマンがメインではなくなり、偶数とマーロックに分かれ、現在はさらに増えて4つのアーキタイプがみられる。ウルドゥム追加以降、レノとクエストが参加した。レジェンドでは偶数が最多で、次点がレノ。マーロックは消える。

 数か月前のクリスタル学強化以来、メカパラディンが強いラダーデッキとして参戦していた。ウルドゥムでメカパラは本格的に人気を獲得し、これまでメジャーだった奇数パラを抜いた。アルネスメイジに強力なAoEが追加されたことで奇数パラのパワーレベルが下がり、プレイヤーの興味も薄れたと思われる。しかし後でも述べるように、実はそれほど弱いわけではない。

 プリーストの人気は全てのレベルで崩壊した。理由はバーンズのナーフ、それによるビッグプリーストの消滅。特にランク4以上で顕著。また、ウルドゥムの追加カードはワイルドのプリーストにはそれほど影響を与えなかった。また、発見調整によってネザースパイトから諜報員やダスクが出る確率が下がったため、ドラゴンプリーストも弱体化。

 ローグの存在感も同様に縮小。すべてのランクで奇数ローグが減少。ウルドゥムの追加カードによって泥棒ローグの人気が上がったが、もっぱら低ランクでの現象。

 ドルイド、ハンター、ウォリアーはワイルドでは最下層。翡翠ドルイドドルイド唯一の固定デッキで、後には実験デッキがごちゃごちゃ続いている。ハンターではメカハンターが最も多く、強いデッキで、少数だがレノハンターもいる。ウォリアーがどん底で希望もないように見える。挑発ウォリアーは新カードを貰ったが人気は続かなかった。海賊ウォリアーは死んでいないが、他に統計を取れるデッキはない。

パワーランキング論議

 新しいメタの支配者が現れた。しかしそれは多くのプレイヤーが最良だと思っているアルネスメイジではない。チョッキンガーウォーロックである。高レベルのプレイヤーがデッキを改良しプレイングを最適化したため、勝率が跳ねあがっているのが観測できる。ウルドゥムでの大きな追加カードは炎の災厄。強くて軽い盤面除去。これによって生存力が大幅に上がり、様々なコンボを狙えるようになった。

 多くのプレイヤーがチョッキンガーウォーロックのことをかつてのナーガの海の魔女デッキになぞらえている。(相手)プレイヤーの介入の余地なく巨大な盤面スイングをつくることができ、一体でもメカを残せばOTKの可能性というおまけまでついている。しかし、このたとえでもチョッキンガーウォーロックには過小評価。このデッキのマッチアップ分布は素晴らしく、高レベル帯では完璧に近く、またプレイングスキルによる天井も高い。たとえばチョッキンガー対アルネスメイジも。チョッキンガーが有利。ナーガウォーロックと違ってこのデッキはアグロにも勝てる。実際負ける相手がいない。最悪のマッチアップがミラー戦。ゲーム全体でベストのデッキであり、Tier1を超えたTierSと呼ぶにふさわしい。

 アルネスメイジも間違いなく非常に強い。炎の護りと魔力のフラックメイジによって従来弱かった横並び対策が強化され、マッチアップも改善した。勝率は全レベル帯で非常に高いが、ランク4-1では(他のランクよりは)弱くなる。単純に、人気すぎて対策されるため。

 メカパラディンの人気上昇は偶然ではない。全レベルで安定のTier1、様々なメタデッキとと戦える。またアルネスメイジに有利なのが大きい。

 奇数ローグはプレイヤーベースに過小評価されている。今でも全ランクで最良デッキの一つであり、メイジに若干苦労する以外は確実にTier1。おそらく勝率ほどに人気でないのは、これが通常ラダーで考慮しない「悪いデッキ」に対してめちゃくちゃ強いから。そしてワイルドでは悪いデッキも結構多い。

 偶数シャーマンは株が下がった。奇数ローグよりもメイジに弱いため、ほとんどのランクでティア2。しかし、レジェンドではチョッキンガーが増えることで成績が良くなる。退化のおかげでこのマッチはある程度行ける。

 奇数パラディンはまだ強く、帆トンdのランクでティア1。今やアルネスメイジの強いカウンターではないものの相性は僅差で、アルネスの存在は奇数パラの可能性を潰すものではない。ウォーロックに苦戦するためレジェンドでは弱くなる。

 レノメイジはワイルドに来てから最も強くなっている。昔からアグロに強かったが、ゼフリスという追加の勝ち筋のおかげで遅い相手とのマッチアップも改善した。レノメイジはTier1に上がり、レジェンドではチョッキンガーのせいでTier2になる。

 マーロックシャーマンは力を大きく失った。アルネスメイジに非常に弱いのでランク4-1で使いづらく、使用率が大きく下がった。しかしアルネスがそれほど多くないレジェンドではプラスの勝率に戻る。

 Tier3はほとんどハンターとウォーロックで構成されている。少し驚いたのは、スタンダード限定と思われたレノハンターがワイルドでもかなりのポテンシャルを見せていること。メカハンターは奇数偶数に弱いためTier3。レノ、メックトゥーン、キューブといった遅いウォーロックは微妙で、またチョッキンガーに勝てないので高ランクではより悪くなる。一日もやればみんなチョッキンガーになる。

 ビッグプリーストはバーンズのナーフで完全崩壊、Tier4になった。レノプリーストも同じく苦戦しており、プリはワイルド史において最弱の時代を迎えている。クエスト&レノシャーマンも足場を見つけられず、泥棒ローグはネタデッキ。ミルローグは引退済み。

クラス別分析

ドルイド

 ここ数か月苦しい時期が続いており、ラダーで見かけるのも難しい。使用率の高いデッキはひとつもなく、実験を繰り返しては失敗している。

 翡翠ドルイドが基本的に主力デッキだが、それですらパワーランキングに載せられないほど使用率が低い。少数のサンプルからTier3だと推定される。ウルドゥムのポイントは奇数偶数の減少。翡翠ドルイドは奇数偶数に強い傾向があるため、有利な相手が減少したことになる。ハイランダーデッキの増加によって翡翠殺しのガイストが増えているのも悲劇的。

 ウルドゥムの新カードでドルイドに使われそうなのは洪水。翡翠のレイトゲームをさらに加速するドローエンジン。究極の侵蝕に追加し、魔力の暴帝やアヌビサス守護者とシナジー。Malekith氏の構築はこれらのために樫の召喚パッケージを抜いている。

 ちなみにTarbo36氏は洪水を使ってトグワグル&天体配列ハイブリッドコンボドルイドでアジアレジェンド1位を取っている。

Malekith氏の翡翠ドルイド
樫の召喚入り翡翠ドルイド
Tarbo36氏のトグワグル天体配列コンボドルイド

ハンター

 過去の拡張では様々なデッキ構築の方向がある万能クラスとして脚光を浴びていたハンターだが、今回は選択肢が限られている。

 メックハンターは今もクラス内最強のデッキで、最も多いデッキでもある。広く横に並べ、メタルトゥースリーパーで強化するアグロデッキ。また超電磁によって縦も厚くでき、チョッキンガーやジーヴスによってリロードもできる。メックハンターのアグロミラーに弱い問題は今も続いており、特に奇数偶数には弱い。しかしクラフトの安さやプレイングが簡単なためにワイルド初心者に向いている。

 いま増えてきているのはレノハンターで、過去にも少し使われてはいたが、今拡張でついにゼフリスと恐竜使いブランという強力なサポートを手に入れたデッキ。既にスタンダードで、ハンターが強力なハイランダー向けのツールを持っていることは知られている:秘策パッケージ、強力なテンポプレイ、除去、高バリューのヒーローカードであるズルジンなどによって、非常に柔軟に動くことができ、攻めの動きも守りの動きもできる。まだ実験段階だが、適切に改善されていけばかなり戦えるデッキになることが予測されている。このデッキのTierを更に押し上げるブレイクスルーの到来が待たれる。

Yaowayy氏のレジェンド18位メカハンター
DuwinHS氏のレジェンド418位レノハンター

メイジ

 ウルドゥムはメイジにとても親切で、ジェイナを黄金時代に導いた。古参のアーキタイプが壊れカードを与えられてエリートの領域に参入。

 アルネスメイジはこのゲームでも最強のデッキのひとつで、あらゆるランクで文句なしにTier1級の勝率を誇る。レジェンド手前では圧倒的に人気で、他のデッキに大幅に差をつけて数が多い。ウルドゥムから4種類の新カードが確定採用されために、積み上げてきた22枚の精鋭に対して8枚もの激強カードが叩きつけられた形。特に、魔力のフラックメイジと炎の護りによってかつては悪夢だった横並びデッキに耐性ができた。雲の公子はボードスイングとしても顔面に撃っても強い。古代の謎でさらに秘策サーチが追加され、デッキのドロー力をかなり安定させた。

 レノメイジは数拡張分Tier4に溜まっていたがついにトップに。全てのカードのなかで最も強く、汎用性の高いカードである偉大なるゼフリスが登場し、遺物学者レノと共に、もともとあったカザカスと旧レノに並ぶコアカードとして参入。しかしコア以外の構築は幅が非常に大きく、プレイヤーによってアルネスなどテンポ系のカードや、ンゾスなどコントロール、ルナポケとビッグ系、それらの混成など、好き勝手に構築されている。そしてこの幅の広さがあるからといって、このデッキがジャンクではないのが重要。これらの3つの型はどれも強力。

 よりマイナーなものでは、エストメイジは前環境では高レベル帯では最も多いデッキだった。現在は使用率は地に落ち、少ないサンプルからパワーレベルもTier4だと推定される。クエスト中の探検家は手に入れたが、アルネスメイジとの相性の悪さはどうしようもない。取り残されたデッキ。

 最後に、過去数年のアイコニックなコンボデッキだったエグゾディアメイジだが、悲しいことにクエストメイジと同じ理由でメタの最末端にぶらさがっている。このデッキでアルネスメイジに突っ込むのは自殺と同義。

標準アルネスメイジ
Vlue氏のレジェ1位ルナポケレノメイジ
GetMeowth氏のコントロールレノメイジ
アルネステンポレノメイジ
クエストメイジ
エグゾディアメイジ

パラディン

 パラディンは過去数か月で重要な変化を経た。メックパラディンは現在クラス内で最も多いデッキ。ウルドゥムのカードがこの変化を起こしたのではなく、継続的な改良、有利なメタ、そしてクリスタル学バフ以来のこのデッキの強さがようやく理解されたことに原因がある。グロウストーンの技術者はデッキの発生当初は広く使われていたが、やがて大部分のリストから削除された。

 メックパラディンはラダーで最良のデッキのひとつで、全てのレベル帯でTier1の勝率を誇る。有利マッチが非常に多いが、特筆すべきは最人気デッキのアルネスメイジに有利なことだろう。メックパラディンはほぼ間違いなくアルネスメイジに対する唯一の最強カウンターデッキ。ただし一方で、チョッキンガーウォーロックに不利なために真の支配者にはなれない。特にチョッキンガーの多いレジェンドでは下がり気味。

 奇数パラディンは勝率と使用率ともに少し低下したが、今でもかなりできている。拡張前からリストに変化はないが、アルネスメイジとの相性の変化には注意。拡張以前の奇数パラディンはアルネスメイジの強力なカウンターだった。しかし炎の護りと魔力のフラックメイジの登場により、大幅に変化して五分にまで持ち込まれている。とはいえ今でも非常に安定したデッキであり、一部の誤解とは異なり決して弱いデッキではない。

メックパラディン
MrDopeHead氏の奇数パラディン

プリースト

 何年もの間コミュニティに文句を言われ続けた結果、ついにバーンズがナーフされる。ワイルドでもっとも有名かつ議論を呼んだカードにヤキが入れられ、同時にプリーストも降格。悲劇。

 ワイルドのプリーストで最も使われたデッキであり、1年半前はワイルド全体でも最も使われたデッキのひとつであったビッグプリーストは最も強いムーブを強烈に弱体化され、結果としてデッキもTier4に落ちた。ほとんどのデッキが6ターン目までに決着をつけられる攻撃力をもち、勝てるのはレノ系だけという状況になり、ビッグプリーストはメタの外に弾き飛ばされた。

 他のデッキとしてはレノプリーストがあるが、ビッグより強いとも言いにくい。贖罪やゼフリスといった相性のいい新カードは貰ったものの、これだけでは充分な競争力がなく、レノプリーストもまたTier4。どのマッチアップもバランスよく不利。プリの拡張ではなかったということ。

ビッグプリースト
Memnarch氏のレノプリースト

ローグ

 ローグはメタにおける状況があまり変化しておらず、言えることがあまりない。

 奇数ローグは全てのレベル帯で最強デッキの一つ。奇数ヒロパは序盤のボード争いに驚くべき安定をもたらし、その得られたボードから顔面ダメージを生産する。悲しいことにラダーの最強デッキたちに対してはあまり強くなく、それがあまり使われていない理由だろう。奇数ローグは「弱いデッキを殺す」ことに特化している。

 キングスベインローグはシーンから消えたようだが、一方で泥棒ローグが現在同じ立ち位置にいる。正確にはプレイスタイルが異なるものの、泥棒ローグのシステムは吸血毒ナーフ前の遅い旧キングスベインローグに似ている。幽霊カトラスとティンカーの刃砥ぎ油による、独特のダメージシステムが構築に組み込まれている。

 しかしこの手のデッキによくある通り実践は理論のように行かず、泥棒ローグは現状トップメタデッキのどれにも勝つことができない。面白いデッキで多くのプレイヤーに愛されているがあくまでもネタデッキであり、ミルローグと同じ運命(シーズンのたびに試されるが、いつまでもTierの底)をたどっている。

Niko_HS氏の6位奇数ローグ
Burnt氏のミルローグ
Reno_Jackson氏の泥棒ローグ

シャーマン

 偶数シャーマンは以前のように支配者ではなくなったが、今でも非常に強い。プレイヤーは雷雲を採用し、大量のトークン生成とオーバーロードシナジーで戦うデッキに引き寄せられている。バーストとスノーボール能力の両方をもつヴェッシーナとも非常に相性がいい。

 悪党同盟環境はマーロックシャーマンにとってのオアシスだった。ビッグプリーストとクエストメイジが多く、マロシャーの序盤序盤スノーボールはこれらのデッキをエサにしてきた。ウルドゥムではアルネスメイジによって真逆の立場に立たされており、受け身のデッキはメタから除外されてしまっている。結果として、アルネスメイジが多いレジェンド手前地帯ではマーロックシャーマンの成績は大幅に落ちる。しかし、それ以外の地帯でなら、マロシャーはもう少しマシなTier2におさまる。新カードではミーラックが大きな収穫で、序盤の安定が大幅に向上した。

 レノシャーマンはダメ。前拡張のシャダウォックシャーマンを懐かしむあまり、プレイヤーは様々なアプローチでレノシャーマンを試しているがどれも注目に値するほどの成功を得ていない。クエスト、翡翠、クトゥーン、進化などのバリエーションが試されている。掲載のリストはそれらを排して純粋なシャダウォックコンボのデッキにしており、これが一番強い。将来特定の構築に収束するのか否かは興味深い。

 エストシャーマンもまた様々な実験を試されており、一番成功しているのは翡翠型。クエストシャーマン自体は新しいデッキだが、過去に翡翠シャダウォックシャーマンという非常に似たデッキがあった。強力な安定したレイトゲームを持っており、レノなど遅いデッキに対して強いが、アグロには苦戦する。

flugel11775氏の偶数シャーマン
マーロックシャーマン
シャダウォックレノシャーマン
翡翠クエストシャーマン

ウォーロック

 今回のワイルドレポートも大量のウォーロックデッキと共に。強力なヒロパから様々なデッキ。しかしながらクラスの多様性は若干ミスリードで、実はチョッキンガー以外大して強くない。プレイヤーはまだ気づいていない。

 前回のレポートではチョッキンガーウォーロックの秘められた可能性について語ったが、当時はまだ構築が進んでいなかった。そして炎の災厄が鍵となってポテンシャルが解放され、デッキの改良とプレイヤーベースの成長による凄まじい勝率上昇によって、チョッキンガーは真の怪物と化した。

 このデッキのマッチアップ分布は常軌を逸しており、ひとたび高レベル帯に到達すれば、チョッキンガーは本質的に無敵と化す。一般的なマッチアップで最も悪いのがミラーになる。しかも、このデッキはカード選択の面で更なる改良の余地があると我々は考えている。覚えておくべきなのはマナカーブを出来るだけ低く保ち(ヒロパを使うため)つつ、出来るだけ多くのドローを採用すること。したがって、ターゲットダミーやスケートロボといったカードは想定ほど使われていない。メックトゥーンはレノなどの遅いデッキに対する追加のフィニッシャーだが、不可欠ではない。(掲載のリストは不採用だが、入れたければヒールロボを抜くといい)

 多くの人々に愛されているノロックは今も人気のデッキ。ゼフリスだけでなく、今拡張で相性のいいカードが沢山追加されている。腐った商人、リフトクリーヴァー、カルトゥートの守護者など。しかしレノロックはチョッキンガーのパワーに完全敗北しており、上位帯には存在しない。

 メックトゥーンウォーロックは特にアップグレードがなく、アルネスメイジとチョッキンガーウォーロックに全然勝てない(チョッキンガーもメックトゥーンを採用しており、旧デッキを窓際に追いやった趣がある)ことで勝率が急落した。レノジャクソンとゼフリスを採用する実験もある。その他は前回記事と変わらない。

 キューブロックも他のウォーロックと同じく、チョッキンガーを目の前にして使う意義が見いだせないでいる。またアルネスメイジを代表としたアグロに弱いという問題もいまだ健在。新しい構築では炎の災厄と、暗黒の契約の代わりに凄まじき力と各種卵ミニオンを採用することで序盤のシナジーを出し、より攻撃的な開始ができるようになっている。腐った商人も対遅いデッキ向けの充分なバリューカード。

 ズーは新しい卵を手に入れ、一部のプレイヤーは病魔のハゲタカを利用するため自傷ダメージの採用も試している。しかし、ワイルドのズーはやはりトップデッキと戦うには「フェアすぎる」という印象。

 最後に人気のコイン投げデッキ暗黒の刻ウォーロック炎の災厄は元からあるインプ並べとかなりシナジーがあり、序盤のアグロの盤面を除去できる回が増えた。しかし、デッキ生来の不安定さと、チョッキンガーコンボを持っていないという理由で末端デッキに。

Hijo氏のレジェ2位チョッキンガーウォーロック
ceilingxcat氏のレノロック
Alpha110氏のメックトゥーンウォーロック
Hijo氏のレジェ5位卵キューブロック
ズー
暗黒の刻ウォーロック

ウォリアー

 「ウォリアー」、それはワイルドでは知られざるクラスの抽象的概念であり、1セクション割くほどの価値もない。弱いので。

 言及できる程度に使われている唯一のデッキが海賊ウォリアーであり、それも少数サンプルだけでめっちゃ弱いと分かっている。かつて王だったデッキだが、もう何年も構築が更新されておらず、時の重みで潰れている。ツーデンランスは研究の価値があり、デッキを改良してくれるかもしれない、とは言っておく。

 より遅いウォリアーはひどいもの。遅いウォリアーの基本戦術である「全てを除去」は、ワイルドでは標準の(ほぼ)無限バリューに対して効力がないため。ウォリアーがワイルドのトップデッキと戦うためには真剣に助けが必要。

海賊ウォリアー
DeoxyAcid氏の海賊ウォリアー

 お疲れ様でした