虚無層

exit from society

vSワイルド27(大荒野・ナーフ①後・2021/5/10)雑翻訳

 NHKマイルは全ロスしましたが、まあ、いいレースでしたね

 

 大荒野の最初のナーフ(ジャンディス・バロフ、戦没者の剣、ペン投げ野郎、狂気のデッキ、遠方の番所、モアシャンの番所)の後から集計したデータをもとに評価しています。

https://www.vicioussyndicate.com/wild-vs-data-reaper-report-27/

クラス・アーキタイプ使用率

https://www.vicioussyndicate.com/wild-drr/wild-distribution/

 ラダーのどこであっても、メイジがメタを定義している。ダイヤモンド上位からレジェンドになると、メイジのプレイ率は30%になる。秘策メイジとAPMメイジが最も一般的なアーキタイプで、レノメイジもたまに登場する。ラダー上りでは秘策メイジの方が人気があるが、レジェンドになると一転してAPMメイジが最も人気のあるアーキタイプとなる。この2つのデッキは、すべてのランクで1位と2位のプレイ率を示している。

 次に人気のあるクラスはプリーストで、おなじみの2つのアーキタイプが一般的な選択肢となっている:レノプリーストとビッグプリースト。

 パラディンはしばらくの間、伝統的に1つしかアーキタイプのないクラスだったが、ナーフの巻き戻しと大荒野からの強力な新カードのリリースにより、複数の競争力のあるアーキタイプを手に入れた。新たなアーキタイプの1つは”タックス”パラディン。このデッキは大荒野のリリース時にメタを揺るがしたが、すぐに戦没者の剣と番所のナーフの巻き添えを食らった。もう1つはハンドバフパラディンで、これはレジェンドでも人気が出始めている。新参者に加えて、ワイルドの定番である奇数パラディンもある。

 多様性という点では、ウォーロックが他の追随を許さない。レノウォーロックはレジェンド内外で比較的高いプレイ率を維持しており、闇の睨視者ウォーロックの人気は少ないが、レジェンドでは少し持ち直す。また、キュートウォーロックという新参者がランクインしている。このデッキはアグロドルイドと似たようなプレイパターンで、より大きなスイングターンを得ることができる。

 ワイルドにおけるシャーマンは、大荒野によって救われた。すなわち、とあるアーキタイプがようやく関連性を見出せるようになった。マーロックシャーマンは完全に作り直され、デッキの約3分の1のカードが入れ替わり、魚人族のパワーレベルは大きくアップし、結果として人気も増加した。

 ドルイドは停滞しているようだ。星界配列コンボドルイドはかなりプレイされているが、あまり成功はしていない。アグロ、翡翠トークドルイドはメタの端っこに留まっている。

 大荒野と新しいコアセットでは、海賊ウォリアーがアップグレードされ、急襲やガラクロンドなどのアーキタイプが追加されたが、結果的には海賊ウォリアーがそこそこの数残るだけとなった。

 ローグの凋落が激しい。新拡張発売前にニトロブースト毒がナーフされ、キングスベインと奇数ローグに大きな打撃を与えた。その後、ナーフの巻き戻しと新エキスパンションが登場し、様々な種類のパラディンデッキに大きなバフがもたらされた。一般的に、ローグはパラディンの序盤のボード支配に対抗するのに苦労しているため、パラディンはローグへのカウンターとなっている。これにより、ローグのプレイ数は大幅に減少した。

 ハンターとデーモンハンターは高ランクではほとんどプレイされていない。どちらのクラスもナーフの巻き戻しからあまり恩恵を受けておらず、大荒野の新カードもあまり貢献していない。

パワーランキング解説

https://www.vicioussyndicate.com/wild-drr/wild-power-rankings/

 ワイルドのメタが大きく見直され、その結果、真新しいデッキがTier1のトップでデビューし、しかもぶっちぎりのトップとなっている。ハンドバフパラディンは、ワイルドフォーマットで最高のデッキであり、今まで見た中で最も壊れたデッキの一つ。ビッグプリースト以外のすべてのデッキに対して、有利から互角のマッチアップ。急襲パッケージはアグレッシブなマッチアップを支配する。ドローエンジンとバフされた突撃と「信念」は、遅いデッキに対してとんでもない量のバーストを与えている。これまでにも、優れたデッキが十分な活躍をしていないケースは多々あったが、これは明らかにぶっ壊れであり、あまりにも使われていない。一部のプレイヤーはこのデッキが強いことを知っていたが、ここまで劇的に変わるとは思っていなかった。

 おそらく、ハンドバフパラディンはTierS/Tier0のデッキと考えるべきであり、Tier1は闇の睨視者ウォーロックから始まる。タムシン・ロームと魔力のゴーレムが新たに収録される可能性もあり、闇の睨視者は、より多くのプレイヤーがこのデッキに慣れ親しんでいることと相まって、改良され続けている。睨視者ウォーロックのマッチアップの多くが、高いランクでは改善されていくことがわかる。

 秘策メイジは依然として非常に強力なデッキであり、レジェンドではAPMメイジが増加しているため、ダイヤモンドよりもさらに強力になっているようだ。人気の秘策メイジリストの多くは、このマッチアップを念頭に置いて作られており、結果として秘策メイジがこのマッチアップを完全に支配している。これはラダーでのAPMのパフォーマンスに重要な影響を与えている。

 レジェンドでのTier1は、3つのアグレッシブなデッキでまとめられている。マーロックシャーマン、海賊ウォリアー、タックスパラディン。マーロックシャーマンは非常に強力なアグロデッキで、他に類を見ないスノーボールの可能性を秘めており、ドルイドAPMメイジ、ビッグプリーストなど、ボード干渉手段の数が少ないデッキに対して強力なマッチアップを実現している。しかし同じ論法で、マーロックシャーマンをボードから突き放す能力を持つデッキ、例えばレノプリーストやハンドバフパラディンなどは難しいマッチアップになってしまう。

 海賊ウォリアーも強い性能を持っているが、ハンドバフパラディンやレノデッキに苦戦している。タックスパラディンは、遠方の番所戦没者の剣のナーフ後、多くのプレイヤーが諦めたデッキだが、バランス調整の後もTier1に落ち着いているようだ。

 Tier2は、ワイルドでは非常に久しぶりの広がりを見せている。奇数パラディン、奇数デーモンハンター、アグロドルイド、ディスカードウォーロック、そして新たに登場したキュートウォーロックなど、多種多様なアグレッシブなデッキが存在する。これらのデッキは、効果的にボード争いに勝てる他のアグロデッキ(Tier1にいるものたち)や、レノプリーストのような大量の除去を採用するデッキなどに負けるという、似たようなマッチアップ分布になる傾向がある。

 Tier 2の残りの部分には、ガジェッツァン・オリジナルのカバールレノデッキ3人組が含まれているが、それぞれがゲームの中で異なる役割を果たしている。レノメイジは、APMメイジを混乱させ、遅延させるための秘策パッケージである爆発のルーン、変身ポーション、およびアイスブロックの存在によって、主に強さと人気が上昇している。レノプリーストは、マッチアップ分布という点では3つの中で最も充実しているが、ハンドバフと闇の睨視者のエリート・デュオに苦戦しており、チャンスを得るためにはAPMメイジに対してタイミングよく精神与奪者イルシアを使う必要がある。レノウォーロックはレノプリーストよりもアグロデッキを対処する能力に長けているが、APMメイジや闇の睨視者などのアンチコントロール系のデッキに対してはパーセントで負けてしまう。おそらく、レノウォーロックの最大の強みはレノプリーストに強いという点だろう。

 最後に、今回のレポートの中で最も驚くべき結果をご紹介したい。これはおそらく現在の認識とは相反するものだろう。APMメイジは、このフォーマットで最も人気のある2つのデッキのうちの1つだが、そのデッキのパワーレベルはあまり良くないのだ。マッチアップの偏りと強力な破壊ツールの普及により、APMメイジの勝率はワイルドシーンに登場した当初と比べて大幅に低下している。秘策メイジという弱いマッチアップの存在により、ラダーで一貫して強いパフォーマンスを発揮できない。

 この観察上の勝率は、このデッキと対戦したときの感触や、ゲームに勝たれたときに生じる否定的な反応とは相反するものだが、そうした不満は正当なものだと認識している。しかし、改良の余地や、スキルの上限については、APMメイジには成長の余地があまりなく、Tier3に留まる可能性が高いというのが最初の印象。確かにいくつかのマッチアップはレベルが上がるにつれて改善されるし、APMメイジは他のデッキよりも学習曲線が急なタイプだが、集まったメタの敵意を克服できるほど抜きんでてはいない。そのスキルの上限は、黄金期の睨視者ウォロやチョッキンガーには及んでいない。

クラス別分析

メイジ

 メイジは間違いなく、ワイルドを代表するクラス。ダイヤモンド上位では、秘策メイジのプレイ率が他のクラスを完全に凌駕しており、APMメイジも僅差で続いている。レジェンドでは、APMメイジが最も多いデッキとなる。しかし、人気がすべてを語るわけではなく、このクラスの2つの主要なアーキタイプの間では、押し合いへし合いの争いが続いている。

 秘策メイジが存在しない世界を想像してみよう。ハイパーアグロが存在しない世界。ロウゼブが存在しない世界。妨害が存在しない世界。APMメイジが強そうだね。さて、現実に戻ろう。

 APMメイジの増加に対し、プレイヤーベースは非常に敵対的で効果的な反応を示している。25-75のマッチアップに定期的に直面するなら、ラダーで高い勝率を維持することはほぼ不可能であり、APMメイジにとっての秘策メイジがまさにその25-75である。また、そのマッチアップ以外でも、APMメイジにとってはまだ複雑な状況。コンボデッキのわりには、多くのアグロ相手に対してそれなりに強いが、それでも問題はある。一方で、圧倒的に支配できるようなマッチアップは特に多くない。APMメイジは大荒野の初期には大きな影響力を持っていたが、それによって形成されたメタの下では、そのパフォーマンスは精彩を欠いている。

 慣れ親しんできた通り、秘策メイジは非常にパフォーマンスが良く、「やや不利」以下のマッチアップがほとんどない。ジャンクへの対応にも優れており、あらゆる相手に対して勝ちのチャンスがある。

 しかしながら、ハンドバフパラディンは大きな障害となっており、克服の必要がある。秘策メイジの増加以来、パラディンは最強のカウンターとなっている。秘策メイジは確かに強いが、その強さは他のプレイヤーが間違ったデッキ(APM)を使っているせいでもある。

 最後に、レノメイジがいる。メイジの2大アーキタイプの影に隠れているが、レノメイジは未だに人気があり、勝率も充分高い。プレイヤーは、レノ秘策よりもレノ銀河の方に興味を持っているようだ。ハンドバフパラディンや闇の睨視者ウォーロックに苦戦することを除けば、充実した勝率になっている。

フレイムウェイカーAPMメイジ
モザキAPMメイジ
秘策メイジ
レノ銀河メイジ
レノ秘策メイジ

プリースト

 かなりの期間、2デッキ限定クラスであったプリーストに関しては、特に目新しいものはない。レノプリーストは新拡張のリリースではあまり変わっていないが、採用候補が豊富すぎるため、リストはますますキツくなっている。APMメイジの猛攻については、しばしばこのマッチにおいて勝ちボタンと化すイルシアのおかげで、何とか生き延びている。

 このアーキタイプでザイレラを活用しようとする試みはいくつかある。十分なサポートピースがあれば強力に見えるが、貴重なカードスロットを犠牲にする価値があるかどうかは、まだ分からない。

 ビッグプリーストは、APMメイジとの圧倒的な相性の悪さを目の当たりにして、羨望の眼差しを向けるしかない。しかし、一つだけ自慢できることがある。それは、このフォーマットの中で、他の方法では止められないハンドバフパラディンを止められる唯一のデッキだということ。このマッチアップを意識してか、大いなる解呪の採用が増えた。

 このアーキタイプへの関心が薄れてきていることは理解しているが、試してみる価値がありそうな提案の1つが「必死の祈り」。このカードに関する情報はまだあまり得られていないが、0マナのヒールはいくつかのマッチアップで非常に価値があるし、闇の睨視者ウォーロック(溶岩巨人)に対する遅延の可能性もある。

レノプリースト
ビッグプリースト

ウォーロック

 レノウォーロックは、あらゆるレベルにおいて最も人気のあるウォーロックのデッキ。チケッタスを中心としたゲームプランや、通常のバリュー中心のスタイルなど、様々なビルドが存在する。メタが全体的に速くなっていることを考えると、チケッタスには今はあまりメリットがないようだ。

 闇の睨視者ウォーロックは、ワイルドでは依然として非常に強力なデッキであり、その良さにくらべて特に過小評価されていると言えるだろう。プレイヤーは現在、巻き戻された魔力のゴーレム、ゼフリス、そして新しいタムシン・ロームから採用枠を選択している。

 キュートウォーロックは、横並びデッキの報酬である新しいコアのカード「破滅の儀式」の導入によってシーンに登場した、その名の通りの戦略。このデッキは、盤面にあふれる0マナの「キュートなミニオン」をすべて採用するとともに、強力なドローエンジンである「グルダンの手」で常にリロードできるようにしている。プレイパターンはアグロドルイドと非常によく似ており、爆発的な最初のターンを持っている点も同じだが、アグロドルイドが当然欲しがっているウォロヒロパを最初から持っている点が異なる。

 ディスカードウォーロックはここ数回のレポートでTier2に落ち着いている。リストはどれもほぼ完璧に改良済み。唯一の注目すべき違いは、ラッカリ・フェルハウンドとさかしまなささやきのどちらを使うかということ。

 悪魔ウォーロックは基本的にキューブ抜きのキューブロックであり、ヴォイドコーラーや髑髏、ビッグな悪魔に合わせて純粋な防御/妨害パッケージを採用したもの。これらのビルドの主な目的は、ラダーでのアグロ・マッチアップに対処すること。しかし、このデッキのアグロマッチアップへのパフォーマンスは実際のところ微妙であり、明確に有利なのはリソース勝ちが可能なレノデッキだけである。ついに、ヴォイドコーラーがワイルドでは遅すぎるというところまで来たのだろうか?

レノウォーロック
闇の睨視者ロック
ゼフリス睨視者ウォーロック
キュートウォーロック
悪魔ウォーロック
ディスコウォーロック

パラディン

 ハンドバフパラディンは今まで見た中で最も壊れたデッキの一つ。グライミー・グーンズは、ずっと長い間、詐欺を働いていたようだ。

 このデッキの唯一の不利は対ビッグプリースト(そしてビッグプリーストはハンドバフパラディン以外には弱い)。ミラーより悪いマッチアップがほとんどない。このデッキはほとんど全てのデキを完全破壊する。アグロデッキはバフつき急襲ミニオンで消し去られる。遅いデッキは、ミッドゲームでの安定したプレッシャーと無茶苦茶なレベルのバーストに対処できない。ロウゼブはコンボを阻止し、カードドローはデッキに持続力を与える。繰り返しになるが、ハンドバフパラディンは我々がこれまで見てきた中で最も壊れたデッキの一つであり、非常に過小評価されている。プレイヤーは、このデッキがどれほど嫌になるほど強いかということに気づいていないだけだ。

 現時点で、デッキには28枚の確立されたコアカードがある。最後のスロットでは、ロード・バロフ、仁義なき地回り、教団の新入会員、ヴァラニル、キャリエル・ローム、ランサック元帥の組み合わせが試されている。サロナイト鉱山の奴隷は比較的未検証だが、可能なオプションであると思われる。最終的には、何を使うかはあまり重要ではない。重要なのは、あなたがハンドバフパラディンをプレイすれば、ハースストーンというゲームでたくさん勝つことができるということだ。

 拡張の開幕週に2枚のカードがナーフされたにもかかわらず、タックスパラディンは今もTier1デッキである。睨視者ウォロや秘策メイジからAPMメイジやレノプリーストまで、様々なデッキにうまく対応できる。その弱点は、スノーボール式のアグロデッキに対してのみ。

 プレイヤーが使用しているほとんどのリストは、遠方の番所戦没者の剣のナーフ以降も全く変化していない。何はともあれ、タックスパラディンの強さを見る限り、同様のシェルを採用した、他の動員デッキのポテンシャルについても考えざるを得ない。

 永遠に過小評価されている奇数パラディンは、バランスの良いマッチアップ分布を維持しつつ、ジャンクデッキへの懲罰にも優れている。新年と塗油の騎士はこのデッキにとって大きな追加であり、安定したフィニッシュのポテンシャルを与えている。マーロックシャーマンとハンドバフパラディンの増加とローグの減少は、このデッキにとって最良のニュースではなかったが、それでもTier1には入る強さがある。

ハンドバフパラディン
タックスパラディン
奇数パラディン
聖典パラディン

シャーマン

 シャーマンはドン底にいたが、大荒野において全てのマーロックが再起動し、ワイルドでこのアーキタイプが完全に復活した。マーロックシャーマンはストレートな種族アグロデッキで、ボードを構築し、それにバフをかけてダメージを押し付けることを中心としている。その結果、APMメイジやビッグプリーストのような、効率的に盤面をコントロールできないデッキに非常に有利になる。炎霊術師フラァグルの導入と、それに伴う毒々フィンとラッシュウォーターの斥候とのシナジーにより、マーロックシャーマンは1ゲームに1~2回は盤面をスイングバックすることができるため、秘策メイジや睨視者ウォーロックなどのデッキとは比較的五分に近いマッチアップとなる。しかし、ハンドバフパラディンやレノプリースト/ウォーロックとのマッチアップに見られるように、除去の波が続くデッキには苦戦する。

 偶数シャーマンは歴史的に非常に強力な”アグロに強いアグロ”デッキ。炎の舌のトーテムを入れることで理論的には強くなるが、ハンドバフパラディンとの対戦やレノデッキへの苦戦がネックになっている。

 レノシャーマンは常にカルト的な人気を誇るデッキで、パワーレベルが低くても多くのプレイヤーがこのデッキを運用していた。今回のレポートでは、それが今でも続いていることを示している。レノシャーマンをプレイする理由は、単なる個人的な楽しみ以外にはない。Tier4に埋もれており、救いのあるマッチアップもない。

マーロックシャーマン
偶数シャーマン
レノシャーマン

ドルイド

 星界配列は、アヴィアナが担っていた、事実上のコンボ・ドルイドの実行者としての地位を引き継いだ。星界ドルイドは、数年前のナーガの海の魔女の成功を再現することを望んだ巨人デッキとして新拡張シーズンを開始した。このデッキが失敗すると、今度はマリゴスの実験が始まった。

 マリゴスドルイド星界ビルドは、以前のバージョンよりもはるかにマッチアップの偏りが少なくなっている。以前はアグロデッキがこのアーキタイプを完全に支配していたが、星界ビルドは、確かに対アグロは嬉しくないものの、より許せる範囲が広くなっている。コンボドルイドのデッキは、ワイルドフォーマットがあまりにアグロ環境だったためにしばらくのあいだ非常に弱かったのだが、星界ドルイドはTier3にいることがわかった。

 アグロドルイドは貪欲な読書家のナーフ以来、少し忘れられたアーキタイプになってしまった。草攻凶花が実験枠からコアシェルになっており、5マナというコストにもかかわらず非常に良いパフォーマンスを発揮している。このデッキは、ラダーでは特に優れたものではないが、そこそこの選択肢となっている。

 VSワイルドレポートは、毎回必ず「翡翠ドルイドはダメ」という同じことを言わなければならないという課題がある。翡翠ドルイドはダメです。一方、トークドルイドは姿を消したが、前回のレポートでの立ち位置を考えると、まだ競争力があるのではないかと推測している。

星界配列ドルイド
アグロドルイド
翡翠ドルイド
トークンドルイド

ウォリアー

 海賊ウォリアーは、全ランクでTier1の勝率を誇る、フォーマット最強のデッキのひとつ。しかし、その長所と短所は非常にはっきりしており、ラダーの中でも最も偏ったデッキの1つとなっている。

 海賊ウォリアーは、ハンドバフパラディン、防御系のウォーロック、プリーストに非常に弱い。逆に、コンボデッキやその他すべてのアグロ系に強い。海賊ウォリアーにとって幸いなことに、この分布は現在のワイルドにとって非常に有利。

 海賊ウォリアーは初日からかなり洗練が進んでおり、プレイされているリストを見ても、あまり大きな問題を抱えているようには見えない。デッキの総武器数には疑問もある。プレイヤーは、代わりにこのデッキの急襲バージョンを試してみたいと思うかもしれない。このデッキでは、お触れ役とストーンモールのイカリ係がブラッドセイルの甲板員と先導者の斧の代わりになる。これにより、同じような量のドローと序盤戦を提供しつつも、強力なロカラを簡単にサーチすることができる。このバージョンは全く新しいもので、まだ広く実験されていない。

 他のウォリアーのデッキはあまり出てこない。急襲ウォリアーラクロンドウォリアーは、スタンダードで見られる急襲ウォリアーのリストのように、「調整」を利用しようとするもので、さらに調査する価値がある。現段階では、奇数ウォリアーのストーリーと、フォーマットでの人気を得ることができなかった理由は周知の通り。

海賊ウォリアー
急襲海賊ウォリアー
急襲ウォリアー
ガラクロンドウォリアー
奇数ウォリアー
死人の手札ウォリアー

ローグ

 ローグは混沌のなかにいる。ニトロブースト毒のナーフは十分なダメージだったが、パラディンの増加はさらにダメージを与えている。

 前回のレポートでは、2つのローグデッキがTier1にランクインしていた。そのうちの1つはキングスベインローグだったが、このデッキはその後急激に順位を落としている。キングスベインは現在、ラダーの1%少々を占めており、Tier3にまで落ち込んでいる。2つ目は奇数ローグ。これはラダーからほとんど消えてしまっているが、これはこのアーキタイプにとっては新しい話ではない。

 ミルローグはほぼハースストーンのデッキとは別の何か。もしミルローグが何かと互角に戦えるようになったら、葉巻を取り出して祝杯をあげよう。

キングスベインローグ
奇数ローグ
ミルローグ
レノローグ

ハンター

 レノハンターはここ数週間、APMメイジのカウンターとしてニッチな使われ方をしてきた。このマッチアップは、低ランクから強いが、高ランクのプレイヤーが対APMを念頭に置いて構築することで、さらに良くなっていく。狙撃と感圧板を中心とした秘策パッケージは、APMメイジのプラン遂行を非常に難しくしている。

 しかし悲しいことに、このマッチアップだけではアーキタイプやクラス全体を支えるには不十分。レジェンドで最も人気のあるデッキに対して圧倒的に有利なマッチアップにも関わらず、それ以外の様々なデッキに対して苦戦しているため、レノハンターはTier3という低い順位に甘んじている。

 偶数ハンターは狙撃や感圧板を複数枚搭載しつつ、序盤のプレッシャーを高めることができるため、APMメイジに対してよりハードなカウンターになることができる。あまり広く普及していないが、競争力のある勝率範囲に入っていると推定している。

 ハゲタカのナーフ巻き戻しから数日の間だけ巻き起こった獣ハンターへの熱狂は消滅している。このドローエンジンは確かに可能性を秘めているようだが、このデッキはワイルドでインパクトを与えるにはいくつかピースが欠けているように見える。

レノハンター
偶数ハンター
獣ハンター

デーモンハンター

 奇数デーモンハンターは多くのプレイヤーが考えているよりも優れており、Tier2にしっかりと位置している。新拡張では特に目立った効果はなかったが、ナーフの巻き戻しによっていくつかの新しいツールを手に入れることができた。レプラノームと魔力のゴーレムはどちらも昔ながらのアグロの定番。悪運アホウドリもよく使われるようになった。この鳥はレノプリーストのマッチアップを劇的に変化させ、非常に不利なマッチアップから互角に近いものにした。

 ほかにもデーモンハンターのデッキがみられ、ワイルド限定のシナジーを利用した実験がいくつか見られる。旧ンゾスやブラックソーンを使ったレノデモハンが見られるが、可能性はあまりない。

奇数デーモンハンター

 お疲れ様でした