虚無層

exit from society

vS196(大荒野ナーフ②後・2021/5/21)雑翻訳

 ヴィクトリアMの単勝以外全部外れて8700円ロスした話は、まだしてませんでしたかね?

 

・メモ 現拡張のナーフ

 ナーフ①:4月14日。狂気のデッキ、戦没者の剣、ジャンディス、ペン投げ野郎、遠方の番所、モアシャンの番所

 ナーフ②:5月12日。爽やかな湧き水、初登校の日、ヒステリー、カニライダー、マンクリック

 バフ(ナーフ②と同時):レイザーボア、暗黒審問官ザネシュ、自由なるエレメンタル、干満の大波、睡蓮に潜むもの、悪鬼の輪、混沌のデッキ、旋風の闘士、シールドメイデン、深き淵の神ン=ゾス

https://www.vicioussyndicate.com/vs-data-reaper-report-196/

クラス・アーキタイプ使用率解説

 一度はナーフの影響でプレイ数が減少していたパラディンは、すでにバランス調整前に近いプレイ数に回復しつつある。しかし、クラス内部の構成はパッチ前のメタとは全く異なるものになりつつある。以前は少数デッキだった聖典パラディンは、今では高レベルのプレイで最多のパラディンデッキになっている。秘策パラディンはパッチ前のものと、新たなン=ゾス型の2種類に分かれている。アグロパラディンは存在が消えつつある。

 ローグは、パッチ前に最も確立されていたクラスの1つであり、バランス調整の影響を受けにくいクラスであると考えられたのだろう。その結果、高レベルでの人気が高まった。ミラクルローグの使用率はトップレジェンドで飛躍的に高まり、今ではこのフォーマットでの最多デッキとなっている。続いて、毒ローグが中程度、秘策ローグが少数となっている。

 ローグと同様、プリーストもラダーが上がるにつれてプレイ率が上がり、ウォーロックが少ないトップレジェンドでは、コントロールプリーストが最も影響力のあるデッキの1つとなっている。コントロールプリーストは、そのビルドが非常に多様で、文字通り毎日のように新しいリストが登場している。ミラクルプリーストはまだ健在で、変妖プリーストはザネシュへのバフを受けて新たな実験を行っている。

 デーモンハンターは、パラディンのナーフの影響を大きく受けると予想されていたクラス。このクラスのプレイ率から判断すると、このクラスの状況は良好。レイザーボアとン=ゾスのバフを利用した断末魔デーモンハンターは、パッチ適用前からポテンシャルを発揮していて、メタゲームの有力な候補となっている。このデッキはまだ新しく、非常に実験的。トップレジェンドでは、生命奪取デーモンハンターが本格的にメタの構成員に戻ってきている。 

 スペルメイジは今でもラダー全体でかなり多数だが、パッチ前のプレイ率と比べれば減少している。トップレジェンドでのプレイ数が最も減少しており、半分になっている。多くのプレイヤーが詠唱者の循環のナーフを予想していたが、爽やかな湧き水へのナーフがこのデッキのパフォーマンスにどう影響を与えているか確認する必要がある。

 ドルイドは予想通り増加しており、中でもクッチャベラードルイドは、貪欲になっているメタを罰しようとしている。ピエロドルイドは、パラディンのナーフから恩恵を受けると予想されていたデッキで、遅くなったメタで輝いている。

 シールドメイデンのバフにより、眠っていたコントロールウォリアーがメタの中でより重要な存在として目を覚ました。クトゥーンはこのアーキタイプでほぼ100%の採用率となっており、続いてラトルゴアがちらほら登場している。急襲ウォリアーは変わらず、ラダー全体でそれなりに多い。

 ヒステリーへのナーフはプリーストのプレイ率には影響しなかったし、ウォーロックにも影響しなかった。コントロールウォーロックの数は若干減っているが、このアーキタイプはトップレジェンド以外ではまだかなり人気がある。記憶に新しいミルウォーロック以外にも、悪魔ウォーロックが混沌のデッキを試したり、ズーウォーロックが悪鬼の輪を試したりしている。

 フェイスハンターはおなじみの使用率パターンを示している。下位ランクで多く、ラダーを登るにつれてプレイ率が上昇し、ダイヤモンド上位でピークに達した後、レジェンドでは減少し、トップレジェンドでは非常に少ない。

 シャーマンはまだ死んでいるようだ。睡蓮に潜むもののバフを受けてエレメンタルシャーマンに興味を持っている人もいるようだが、おそらくあまり変わっていない。

パワーランキング解説

マッチアップ分布

パワーランキング

 バランスパッチでは何も変わらなかったという意見があるようだ。しかし、パラディンのデッキがメタのトップに立っているという点を除けば、状況は変わったと言っていいだろう。調べるべきことはたくさんあるし、私たちが異なるメタに入っていることを納得させるべき詳細もたくさんある。ただし、確かに顔ぶれはおなじみのものだ。

  • パラディン
    • パッチ前から既にかなり強かったが後回しにされていた聖典パラディンが、ゲーム内で最強のデッキとしての地位を確立しつつある。カニライダーのナーフの恩恵を受け、秘策パラディンとは全く異なるゲームプランを採用しているこのデッキのマッチアップの分布は、非常にバランスがいいように見える。
    • 秘策パラディンはバランス調整の影響を受けたが、これに弱いデッキを採用するプレイヤーが多いため、結果としてフィールドは有利になっている。秘策パラディンは非効率なデッキを罰するのが非常に得意なので、単体で見れば弱くなったにもかかわらず、その勝率は高いままだった。
    • しかし、これが全てではない。このアーキタイプにはまだ成長の余地があり、ン=ゾスへのバフによって使えるカードの幅がさらに増し、秘策パラディンには異なるレイトゲームのアプローチが提供され、非常に成功しているように見える。これは、カニライダーのナーフ前の標準的なパラディンよりも高いポテンシャルを持っている可能性がある。重要なことは、秘策パラディンはより貪欲になり、アグロデッキを破壊する圧倒的な序盤の脅威ではなくなったということ。メタの進化が終わる頃には、マッチアップの分布や弱点の大きく異なる、様々なデッキを見つけることになるだろう。
    • アグロパラディンはこのフォーマットから消えてしまいそうだ。カニライダーのナーフに適応するのが最も難しいデッキで、勝率は悪くないが秘策パラディンの完全下位互換であるため、プレイする理由を見つけるのが難しい。お下がりになってしまった。
    • 結局のところ、バランス調整はパラディンのゲーム序盤の優位性を抑えることに成功し、カニライダー/初登校の日/アダールの手といった、プレイヤーの主体性が著しく欠如した大勝負を取り除くことができた。しかし、パラディンの継続的な成功は、深い相乗効果のあるカードプールに起因している。将来にはミニセットが用意されているので、他のクラスが聖典や秘策パッケージと互角に戦えるツールを手に入れられることを期待している。
  • ローグ
    • ラクルローグの勝率はプレイ率と相関しており、プレイレベルが高くなるにつれて徐々に強力なパフォーマンスを発揮するようになる。マッチアップ分布は非常にバランスが取れており、どのマッチアップにも勝てると感じることができる。このことは、全体的な勝率に加え、心理的な価値をもたらしているようだ。
    • それに比べると秘策ローグはバランスが偏っており、いくつかのマッチアップ(パラディン)は特に有利となる一方で、他のマッチアップでは劣勢になる傾向がある。これにより、パラディンが多い場所では有利になり、トップレジェンドでは不利になる。
    • パラディンが見事に回復したせいで、毒ローグはあまり力を発揮していない。遅いパラディンデッキにも変わらず苦戦しているため、パラディンの内部アーキタイプ構成の変化も、毒ローグのメタでの立ち位置にはあまり影響を与えていない。
  • プリースト
    • コントロールプリーストはあまり変わっていない。ウォーロックが流行しているところではほとんどプレイできず、そうでないところでは大きな影響力を持っている。コントロールプリーストはトップレジェンドの多くのマッチアップを大幅に改善することができる。非常に複雑なデッキ。
    • ラクルプリーストも非常に複雑なデッキだが、パワーレベルはそこまでではない。初期の頃はそこそこの性能を発揮していたが、メタが効率的になるにつれて急降下した。
    • 変妖プリーストには……何かがあるかもしれない。あまり強力ではないかもしれないが、ザネシュへのバフはいくつかの実験を刺激し、私たちはそれなりのものを見つけた。重要なのは、全く新しいアーキタイプに過度に傾倒するのではなく、コントロールプリーストと同じ防御シェルにも頼ること。
  • デーモンハンター
    • 断末魔デーモンハンターは、除去に特化したコントロールデッキを支配するような、極めて脅威の多い構築でシーンに登場したが、こちらを上回るスピードを持つ相手には餌食になってしまう。このアーキタイプは弱いジャンクデッキを叩き潰す傾向があり、現在の勝率はかなり高いものの、将来的な展望としてはあまり良いものではない。トップレジェンドのパフォーマンスは急激に低下しており、近いうちに50%以下の領域に達するかもしれない。しかし現在の問題を解決する方法はあると思うし、欲張りな要素を減らすことで、時の試練に耐えることができるだろう。
    • 生命奪取デーモンハンターは、現在のメタではかなり良くなっている。まだまだ圧倒的な強さを持っているわけではなく、遅いパラディンのビルドに対しても苦戦を強いられているが、競争力は格段に上がっており、このデッキのファンの多くは、高レベルでこのデッキを使っても、圧倒的な不自由は感じないようになっている。
  • メイジ
    • スペルメイジのパフォーマンスの変化は、ある意味データによってのみ観察できるものであり、ラダーでゲームに参加している個人が発見するのは非常に困難。爽やかな湧き水のナーフによってスペルメイジが不利になったマッチアップの数は信じられないほど多い。デッキは全体的に弱くなり、その結果、どのレベルのゲームでも勝率が50%に届かない。この時点で、スペルメイジが過剰にプレイされていることは明らかであり、詠唱者の循環の心理的な影響により、デッキが実際よりも強く感じられている。
  • ドルイド
    • メタの女神はマルフュリオンにも微笑んだ。クッチャベラードルイドは非効率的なカードを大量に使用したデッキに非常に強いだけでなく、カニライダーのナーフ後は秘策パラディンに対しても強くなっており、また秘策パラの向かっている構築の方向性も、ドルイド側に有利なものになりつつある。このデッキは、状況が落ち着くにつれ、より敵対的なメタに直面することになるだろうが、メタとの関わり・競争力は維持できるだろう。
    • このクラスが得たものはそれだけではない、ピエロドルイドという実行可能で競争力のあるもう一つのアーキタイプがある。パッチ適用前はずっとメタの片隅にいたが、今ではピエロドルイドは重大な脅威となっている。パラディンに対する立ち位置は、カニライダーのナーフのおかげで劇的に良くなり(2ターン目のこのカードはドルイドにとって大きな苦痛だった)、メタの欲張り傾向に対するもう一つの答えになっている。カーニバルのピエロの4回の波を凌げるか?
  • ウォリアー
    • 急襲ウォリアーは依然として強く、非常にバランスがいい。ミラクルローグに対する最高の答えであり、プリーストが多いにもかかわらず高レベルでのパフォーマンスが非常に高いのはそのため。パラディンに対しては、聖典パラディンの増加や秘策パラディンのン=ゾスビルドへの移行により、立場が悪くなる可能性はある。しかし、全体的に見て、急襲ウォリアーはあまり悪いマッチアップがないので、かなり信頼できるラダー・クライマーとなっている。
    • コントロールウォリアーの状況は非常に興味深い。このデッキはシールドメイデンのバフのおかげでかなり強くなったが、偏ったマッチアップ分布と、一部の非常に不利な相手の存在により、安定した強さを発揮するにはまだ遠いようだ。しかし、このデッキには改善の余地がある。非常にシンプルな手段により、今のように一面的ではなくなるだろう(詳しくはクラス別セクションで)。超アグロデッキとの相性が良く、ミラクルローグやコントロールプリーストとの相性も良いため、トップレジェンドでの活躍の可能性もなくはない。
  • ウォーロック
    • チケッタスは弾丸を避けたかもしれないが、コントロールウォーロックは依然として非常に弱く、印象に残るものではない。チーム5は、ユーザーの不満を解消するためにデッキを削除するのではなく、この悪いデッキを楽しんでもらうことに意義があると判断したのだろう。
  • ハンター
    • フェイスハンターはパッチ初期の非効率的なメタにうまく対応している。しかし、聖典パラディンを筆頭に、いくつかのカウンターが非常に印象的で、増える可能性が高いため、このアーキタイプにとってはすぐに状況が悪化するかもしれない。デッキの勝率は、今までと変わらず、まずまずだが害のないところまで下がるだろう。フェイスハンターにとっての良いニュースは、秘策パラディンがもはや恐ろしいマッチアップではないということ。
  • シャーマン
    • シャーマンに必要なのは、いくつかのバフだけではない。新しいセットが必要なのだ。そうでなければ、勝負になりません。

クラス別分析

パラディン

 パラディンは今でも圧倒的な強さを誇っているように見えるが、バランス調整により、クラス内でのアーキタイプ比率は完全に変わっている。カニライダーのナーフと初登校の日の見直しにより、序盤戦が大幅に弱体化したため、それを補うために終盤戦の強化に力を入れようとしている。

 ラダーではかなり隅っこの選択肢だった聖典パラディンは、このフォーマットで最強のデッキとなった。カニライダーへのナーフは、より速いパラディンデッキに対するマッチアップを助け、1マナの初登校の日は純粋な"サイドグレード"だと考えられる。今回紹介する構築は、BabyBearが普及させたリストから少しだけ変更している。サムローはこのデッキにぴったりのカード。2枚目の救いの聖馬は裁きよりも価値があると考えられる(ローグのマッチアップでそれを感じることだろう)。神罰聖典を2積みにすることで、複数のレイトゲームマッチで大活躍する。ペン投げ野郎はあまり必要ではなく、代わりに正義の聖典を2枚運用するメリットがある(パラディンミラーやプリースト戦で素晴らしい)。

 秘策パラディンはラダーでいまだに大活躍しており、2つのバリエーションに分かれているようだ。聖なる盾&秘策型は、パッチ前のリストと非常によく似ている。カニライダーとマンクリックはもう入れる価値がないので、アージェントの守護者と盾情可憐な女騎士を採用することにした。彼女の粘り強さは、バフを繋げたり、バリュートレードに役立つ。

 新しいン=ゾス型は、改善の余地が大きく、さらに有望なものとなっている。このビルドは、早いマッチアップでは勝率を数パーセント犠牲にするが、ゲーム終盤では非常に強力で、コントロールプリーストや聖典パラディンなどのデッキとの相性が良く、高レベルでは優れた選択肢となる。

 ラダーでの一般的な構築では、2枚の裁きを含む6枚の秘策を採用し、信念は採用せず(!)、安全検査員で素引きした秘策をデッキに戻す。これは真逆のアプローチ。私たちは裁きよりも信念を優先し、塗油の騎士が非常に強力になるようにすべきなのだ。そうすれば、有徳の守護者は安全検査員よりもはるかに有用になる。

 この構築で気づいたことのひとつは、メリーゴーランド・グリフォンがいかに強力であるかということだが、このカードは安定して変妖することが難しい場合がある。このため、ナールの真槌に加えてドラゴンモーの飛行追跡者をもう1種の6マナドロップとして追加し、これによってレッドスケールのドラゴン使いを2枚、アレクストラーザとともに採用することができるようになっている。猛毒スコーピッドは悪くはないが、救いの聖馬は復活に適した獣を召喚するので、ン=ゾス型には必要ない。このデッキが人気を博していく中で、どのように発展していくのか見守っていきたい。

 アグロパラディンは、必ずしも悪いというわけではないが、他のパラディンデッキに比べて著しく弱いため、減少していきそうだ。このデッキはカニライダーに非常に依存しており、それがナーフの影響を最も強く受けた理由。代わりのバフのペイオフはアージェントのハッタリ屋だが、カニライダーほど良いものではないことはすでに分かっている。

パラディン:クラスレーダー
秘策聖典パラディン
ン=ゾス秘策パラディン
聖なる盾秘策パラディン
ハッタリアグロパラディン

ローグ

 最もバランス調整の影響を受けなかったクラスの1つであるローグは、高レベルのプレイにおいて非常に人気があり、ラクルローグは多くのトップレベルのプレイヤーが好んで使用するデッキとなっている。

 その理由は非常にシンプル。勝率はフォーマット最高ではないが、接戦のマッチが多く、他のデッキに比べてスキルの上限が比較的高いのが特徴。これにより、すべてのマッチアップが勝てると感じられるため、安心感がある。ただ、ウォリアーとプリーストは、このアーキタイプにとって一貫した問題を与えている。

 秘策ローグは、より対パラディンのマッチアップに特化しており、プリーストに対しても優れたパフォーマンスを発揮する。ただし、速いマッチアップを犠牲にすることになる。また、ローグ側がプレッシャーをかける必要があるのに秘策パッケージはその計画に貢献しない、といったマッチアップもある。

 毒ローグパラディンへのナーフを生かすことができなかった。というのも、パラディンはまだ非常に強く、ゲームプランが遅くなっても毒ローグを支配しているからだ。聖典パラディンはアグレッシブなパラディンデッキと同様、致命的なカウンターとなる。また、クッチャベラードルイドとフェイスハンターに長年悩まされており、ラダーのほとんどで推奨されない、非常に偏ったデッキになっている。

ローグ:クラスレーダー
アレクスミラクルローグ
ときめき秘策ローグ
纏い毒ローグ

プリースト

 コントロールプリーストは、バランス調整前と似たような状況にある。トップレジェンド以外では非常に弱く、レジェンドではウォーロックの数が非常に少なくなり、また高レベルでは他のマッチアップが改善されるおかげで正当な競争相手となるが、それでもフィールドから狙われる傾向にある。また、ミラクルローグや生命奪取デーモンハンターの普及により、トップレジェンドでのイルシアの重要性が増していることに関しては注意が必要。

 他にも多くのカードがこのアーキタイプで実験されている。掲載のリストに含まれていないカードは、マッチアップによっては状況的に強力だが、他のマッチアップでは足手まといになる、より狭い用途のカードであることを意味する(オニクスの魔術書士、必死の祈り、名付けられざるもの、糾弾などが例)。コントロールプリーストは、一般的に多くの実験が行われている。ここ数日でン=ゾスの新しいビルドが登場したが、まだ適切に評価する機会がなかった。これがさらに増加し、有望であれば、来週にでも紹介したい。

 ラクルプリーストは、パッチの最初の数日間はいい感じだったが、それ以降はずっと沈んでいる。パラディンは、このデッキにとって大きな問題。

 変妖プリーストは、ザネシュへのバフを受けて増加したが、そこには何かがあるかもしれない。私たちは、ワンド職人/スコーピッドによるコントロールプリーストの序盤の展開と、サムローとザイレラによる強力なスウィングを維持しつつ、変妖パッケージを上に乗せたビルドに期待を寄せている。カーニバルのピエロは、ン=ゾスに勝るとも劣らない強力な勝利条件を提供する。

プリースト:クラスレーダー
巨人コントロールプリースト
ラリーミラクルプリースト
ピエロ変妖プリースト

デーモンハンター

 バランス調整はデーモンハンタークラスに多大な恩恵をもたらした。パラディンの強さと人気は健在だが、そのスローで、アグレッシブさのないプレイスタイルは、断末魔デーモンハンターのようなアーキタイプにとって、はるかに扱いやすいものとなっている。このデッキはパッチ後に多くの支持を得ており、一般的にみられるビルドについては多くのことが言えそうだが、定着する可能性を十分に示している。

 重要なポイントは、ラダーに見られる断末魔デモハンはあまりにも貪欲すぎるということ。メタが例外的に遅い場合を除いて、武器ダメージと審問官があれば遅いマッチアップにじゅうぶん勝つことができるので、それ以上バリューを増やす必要はない。ン=ゾス、アラール、テイラン、フェルスクリーマー、狂戦士といったカードは、速いマッチアップでは大きな障害となり、グルダンの髑髏も弱くなる。ブラックソーンは5ドロップを召喚せずとも強力であり、わざわざ単体で弱いカードを入れる価値はない。

 今回のリストは、このデッキで最も有望なカードの1つであるフェルスティールの剣精を中心に構築されており、そのゲームプランは欠片デモハンを模倣している。刃の貴婦人を起動するためのアタックバフと、アルドラキ・ウォーブレードによる回復に重点を置いている。空を翔けるトビウオは、ダークスピアの狂戦士のような純粋なスタッツは持っていないかもしれないが、盤面に即効性があり、相手の顔への道を切り開き、自分を殺すこともない。フェルスティールの剣精は多くのダメージを出すことができ、審問官でのフィニッシュに十分なほど相手のライフを下げることができる。断末魔デモハンの主な弱点は、昔の欠片デモハンに比べてAOEが不足していることで、火葬のオーラのような双方効果のカードを運用しない限り、対処するのは簡単ではない。

 生命奪取デーモンハンターも非常に良くなっており、トップレジェンドでは勝率50%に近づいているが、パラディンにはやはり苦戦している。メタの中でのデーモンハンターの位置は、ダークムーンフェアの頃に近いものになっている。純粋なコンボ・ビルドが今の主流だが、ひとつ提案がある。ウーズは、その豊富なカード・ドローにより、このデッキが常に運用しやすいテックカードであり、パラディンのマッチアップ(戦没剣、真槌、神罰)ではかなり重要になるだろう。毒ローグやウォリアー(防塁)に対する有用性を加えれば、ウーズは価値あるものになるかもしれない。グレイヴ投げは、より速いマッチアップのためのオプション。

デーモンハンター:クラスレーダー
刃の断末魔デモハン
スタンダード生命奪取デモハン

メイジ

 一般的な認識とは裏腹に、爽やかな湧き水のナーフはスペルメイジのパフォーマンスに非常に大きな影響を与えることが証明された。マッチアップの多くが悪化し、どのランクでも勝率はマイナスになった。詠唱者の循環を引くことへの依存度は以前よりも増しており、循環がないゲームは非常に悲しいものとなっている。

 我々は引き続きシューティングスターの2枚運用を推奨する。パッチ前よりもフレイムストライクに比べてさらに良くなっている。フレイムストライクは、パラディンがボードクリアに強くなったことであまり役に立たなくなった。特にミラクルローグ、フェイスハンター、クッチャベラードルイドとの対戦ではシューティングスターの効果は絶大。

メイジ:クラスレーダー
シューティングスター・スペルメイジ

ドルイド

 バランス調整により、ドルイドクラスに新たな兆しが見えてきた。

 クッチャベラードルイドは、不安定なメタを利用して、メタのトップ近くに躍り出ている。対戦相手がより効率的になってくればある程度落ちてくるとは思うが、それでも成功している有力な選択肢であることには変わりない。現在のフィールドに対しては、可能な限りボードの粘着性を高めたいので、ビルドについては何も変更する必要はない。

 ピエロドルイドは劇的に改善され、序盤のカニライダーの吹き飛ばしに破壊されることはなくなり、パラディンのマッチアップははるかに許容できるものになった。さらに、遅いパラディンのデッキはドルイドにランプやゲームプランを開発する時間を与えている。超アグロ(クッチャベラードルイド、フェイスハンター)に対してはまだ問題があるが、遅いマッチアップへの有利によって相殺されている。遅いマッチアップに関しては、人気が高まっているヤシャラージュの採用は妥当だと思われる。

ドルイド:クラスレーダー
クッチャベラートークンドルイド
よくばり型ピエロドルイド

ウォリアー

 急襲ウォリアーは、パラディンほどカニライダーの変更の影響を感じてはいない。序盤のツールとしてはカニライダーに大きく依存していなかったため。パレードのリーダーやロカラと共にカニライダーで序盤から吹き飛ばすというオプションが消えたのは痛いが、カニライダーはこのデッキではほとんどが中盤のスイング用のカードであり、それは今でも変わらない。その結果、名誉の盾の性能が低下したので、代わりにテント・トラッシャーを採用することにした。

 コントロールウォリアーは、シールドメイデンへのバフのおかげで生命の兆しを見せている。5マナのシールドメイデンは非常に強力であることが証明されており、この変更の影響は将来的にもっと劇的に感じられるようになるだろう。現在コントロールウォリアーは、非常に欠点は多いが、改善の余地がある有望なデッキ。

 ラダーで人気のビルドの主な問題点は、ラトルゴアの不在。クトゥーンが入る理由でもある対プリーストに過剰な関心が寄せられているせいだが、ラトルゴアは複数のマッチアップで非常に重要であり、これをカットするのは違法。体育学の予習の序盤の実用性など、ラトルゴア/無貌/テイランのパッケージに秘められた終盤の能力に比べれば、大したものではない。これらのカードを加えることで多くのマッチアップが好転するので、ぜひとも多くの人に試してもらいたい。

 Zyriosによって初めて導入された斬新なカードにマグゼリドンがあるが、多くの重要なマッチアップでその性能に感銘を受けた。デッキの核となるカードだと思われる。

ウォリアー:クラスレーダー
トラッシャー急襲ウォリアー
メイデンコントロールウォリアー

ウォーロック

 今回のパッチで変わらなかったことがあるとすれば、それはメタにおけるウォーロックの立ち位置だろう。コントロールウォーロックはまだかなり弱く、成長する余地はあまりない。不利だらけのマッチアップ分布により、ほとんどのレベルのプレイでTier4になってしまった。私たちは、現在のフィールドに対してできる限りのパフォーマンスを発揮できるようにリストを更新したが、奇跡は期待できない。捻じれし冥界は新しいパラディンのビルドに対して重要になるはずで、フレックス枠は往餓術師と魂抽出の二択に分かれている。

 混沌のデッキを使った実験はどれもひどいものだったし、ズーウォーロックはプレイできないままだし、ミルウォーロックがどれだけひどいかはみんな知っている。このクラスはスキップ。

ウォーロック:クラスレーダー
チケッタスコントロールウォーロック

ハンター

 フェイスハンターはもともと成長途中のメタを捕食するものであり、環境序盤は好調で、時間が経つにつれて衰退していくことが予想される。これはまさに今も起こっているようだ。ハンターは非効率で欲張りなデッキを罰することによって強くスタートしたが、メタが落ち着き、強力なデッキが増加してくると、フェイスハンターには敵対的なフィールドになるはずだ。ラダーでは十分な活躍が期待できるが、覇権を握ることはないだろう。このゲームプランには、安定的なカウンターが多すぎる。

 このクラスの他のアーキタイプは本当に存在しない。ハンターのフェニックス年セットはひどいもので、現在の主要なアーキタイプたちは信じられないほど充実した大荒野セットに支えられている。他のハンターのデッキを見るためには、新しいカードを手に入れなければならないだろう。バランス調整だけでは十分ではない。

ハンター:クラスレーダー
踏み潰すフェイスハンター

シャーマン

 シャーマンはまだ死んでいる。いくつかのカードにバフをかけることで、将来的には変化があるかもしれないが、シャーマンの問題は、現在のカードプールでは解決できない。このクラスは、勝ち筋と、対戦相手に真のプレッシャーを与えるメカニズムを求めている。スロールは真っ当な補完カードには飽き飽きしている。彼はシャダウォック、血の渇き、そして一夜漬けのようなドローを求めている。シンプルな話だ。

シャーマン:クラスレーダー

今週のメタブレイカ

 現在のメタにおいて、パラディンは依然として最強のクラスであるかもしれないが、そのプレイ方法は劇的に変化しており、聖典パラディンがトップに出たことがその証拠。ローテーション後のパラディンのカードプールは、複数のナーフを受けても十分に力を発揮できるものであり、この柔軟性を得るうえで最も重要なパッケージの1つが聖典パッケージだ。

 フレーバー豊かで、防御性能が高く、レイトゲームのパンチ力もある聖典は、これまで一面的で迷子だったクラスに、デッキの強固な基盤を与えた。これは、ドラゴン年の間、ローグが悪の手先を使って成功を収め、それが翌年にも持ち越され、メタでの地位を確固たるものにした話に似ている。

 シャーマンは、同じような出来事が自身の膝元にも届くことを願うばかりだ。

聖典パラディン

 お疲れ様でした