虚無層

exit from society

vS深淵に眠る海底都市・事前評価の☆4とクラス総評だけ雑翻訳(2022/4/09)

 全カードは間に合わないので一部だけやります

https://www.vicioussyndicate.com/the-comprehensive-voyage-to-the-sunken-city-preview/

デーモンハンター

踊り食い:4点

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 このカードの存在が、すべてのデーモンハンターのデッキにナーガ族を採用する理由になる。0マナ3ダメージ、顔にも飛ばせるバーンスペルは非常に優秀で、ナーガのミニオンをプレイした直後にプレイすることができる。非常に汎用性が高く、異端カードの邪魔にならず、緊急時にはコストを払って使うのもそれほど悪くない。また、《レディ・サセーノ》との相性も抜群なので、ナーガパッケージを使った低速コンボ戦略でも活躍するだろう。とにかく非常に優秀。

レディ・サセーノ:4点

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 魅力的な、構築の中心になるカード。このカードはスノーボール系の脅威としても、フィニッシャーとしても使うことができる。相手盤面が空の時にはフェイスを殴るので、複数の呪文とコンボして相手に大きなバーストダメージを与えることができるだろう。相手盤面が空でない場合は、呪文を活用して擬似的なAOEツールとして機能し、相手の盤面を荒らし、盤面を取り返すことができる。サセーノはこれからのデーモンハンターにとって重要な人物になるだろう。現在存在するすべての競技的デモハンデッキで採用されるはずだ。

クラス総評

拡張カード:6位
全クラスカード:10位

 痛みにはさまざまな種類がある。筋肉痛がある。頭痛もある。あるいは、《グルダンの髑髏》がローテ落ちした後にデーモンハンターのデッキを構築するという痛みも。

 デーモンハンターは、ローテーションによって非常に多くの重要なカードを失っており、それを補うには並外れた新拡張が必要だった。このクラスはいくつかの良いカードを手に入れはしたが、それらは今回の大きな損失を補うものとは思えないし、コアセットの変更もほとんど効果を発揮していない。

 我々は『降魔の狩人』、『スクロマンス学院』、『ダークムーン・フェア』の喪失を埋め合わせなければならない。このクラスは登場の年には非常に力を発揮していたが、今はその泉がやや乾いてきている。

 面白いものはあるが、一番セオリークラフトに苦労したクラスでもある。断末魔デーモンハンターは髑髏のおかげで粘ることができていたが、そのフィニッシュ・ポテンシャルは高くはなく、その点はアグロデーモンハンターも同様。『たまに海底探査でリロイジェンキンスを拾ってくるアルカナイトリーパー』は強いかもしれないが、強くないかもしれない。

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 あるいは、《レディ・サセーノ》、《グレイヴシャーク》、《踊り食い》のおかげで、フェルデモハンが競技プレイに値するビルドを見つけられるかもしれない。また、《複数攻撃》でジェイスをもう少し強化することもできるだろう。《滑空》を失った連続クエストが環境に存在できるかは疑問。

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 イリダンは全く希望がないわけではないが、次のフォーマットでは下位に甘んじることになるかもしれない。

ドルイド

海獣化:4点

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 このカードは基本的に0マナの《追跡術》。海底シナジーを無視したとしても、ドルイドデッキがこれを採用しないことなどあるだろうか? もしランプ系ドルイドデッキをプレイするなら、このカードはゲーム後半に引けば高マナカードを安定して引くことが出来るカードであり、序盤で引けばその時プレイできるカードを引く可能性を上げられる。アグロ系ドルイドではマナカーブが全体的に低いので、この拡張で手に入れた海底シナジーをサポートするために採用する可能性が高い。何にでも入れられる。『月明かりの導き 2.0』だ。

クラス総評

拡張カード:3位
全クラスカード:5位

 ドルイドもまた、ローテーションで多くの基盤となるカードを失ったクラスであり、次環境の強さに関しては多くの人が心配している。しかし、ドルイドは生き残るために必要な強力なセットを手に入れたように思える。《海獣化》は、すべてのドルイド・デッキがプレイすることになる、全体的な安定性を高める重要なカード。また、コアセットの変更によっていくつかの素晴らしい追加要素を得た。《生きている根》と《自然の怒り》はこのクラスのゲーム序盤の除去を助け、5マナの《滋養》はガフの飽くなき過剰繁殖への渇望を部分的に軽減することができるかもしれない。

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 この拡張で登場する可能性のある新しいアーキタイプは、巨人ドルイド、あるいは”ウォータードルイド”と呼べるだろう。高コストの呪文を唱えることに特化し、《ナーガの巨人》を展開するという可能性には、我々は特に期待している。《ヒレのフレンズ》、《オニクシアの鱗》、《海の巨人》により、ランプ系ドルイドのデッキに必要な、ボードスイング能力を手に入れた。

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 アグロ系のドルイドもまた、草攻凶花の損失はかなり痛く、このセットで多くのサポートが得られたとは言えないが、それでも生き残るだろう。《アズシャラの庭園》は、ミニオン重視の挑発ドルイドに適しているかもしれない。獣ドルイドは草攻凶花の代わりに《野生の心》を使わなければならないが、《ヒレのフレンズ》のおかげで海の巨人を活用することもできる。

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 そして最後に、やはり《カザカサン》だ。我々は嘘はつかない。確かに大量のカードを失うが、我々は次環境のこのデッキをセオリークラフトし、それを気に入っている。以前のような、素晴らしきランプサポートによる序盤からの爆発的カザカサン・プレイは不可能かもしれないが、このカードのゲーム後半のフィニッシュ力そのものは健在。スタンダード環境は全体的にパワーが落ちるため、感覚的にはほぼ変わらないかもしれない。

ハンター

有刺投網:4点

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 これは、ナーガをプレイすると2倍になる《魔力の一矢》。《魔力の一矢》がクエストハンターのコアカードになるのに十分な性能を持っている以上、これは確実に、おそらく小型のナーガパッケージと一緒に採用されるだろう。しかし、《有刺投網》はアグロ系のハンターデッキとも相性が良い可能性が高く、このセットにはアグロ系ハンターを後押しするカードが他にもたくさんある。必須カードになる可能性が非常に高い。

クラス総評

拡張カード:9位
全クラスカード:8位

 我々は伝統的にハンターの力を過小評価しがちだが、その得意分野を熟知してもいる。拡張初週にフェイスハンターが勝率チャートを席巻しても不思議はない。また、クエストハンターが良い結果を出しても不思議ではない。それ以外のデッキが出てきたら驚くべきことだ。

 フェイスハンターは多くの重要なカードを失ったが、1マナミニオンにバフをかけてスノーボール式に盤面を形成し、相手の顔面を直接ダメージカードで撃つというおなじみのゲームプランを保つことはできる。必要な犠牲は《踏み潰すサイ》だけだった。むしろその直接ダメージを《対弓のテラーコイル》のおかげで倍増できる。

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 クエストハンターは《有刺投網》を手に入れた。このカードは単純に《魔力の一矢》の3,4枚目として考えても強く、デッキ中最強のカードになるだろう。クエストを進行させる1マナの呪文こそ、このデッキが望むすべてだ。《必中の一矢》がコアセットに追加されたことも助けになるだろう。

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 ビッグ獣ハンターは微妙なところ。《ン=ゾスの魔石》がない。《守護獣》がない。《ふれあい動物園》もない。このアーキタイプが競争力を得るには、《銛撃ち銃》と《ヒドラロドン》を存分に使いこなさなければならないだろう。幸運を祈る。

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 なので結論を言うと、ハンターは大丈夫だが、ある意味で衝撃を受けるほど、現在と全く同じ光景になるかもしれない。

メイジ

スパイトラッシュのセイレーン:4点

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 これはこの拡張セット全体でも最もエキサイティングなカードの1つであり、メイジ・クラスにおけるナーガ族についての考え方を変えるものかもしれない。マナクリスタルを得るのではなくリフレッシュするだけだが、5~6ターン目という早い段階からコンボができるという可能性は非常に魅力的。軽い呪文があれば、盤面がナーガ・ミニオンで完全に埋めつくされるまで連鎖を続けられる可能性がある。また、このカードはまったく新しい戦略の中心となり、何らかの必殺コンボを導くこともできそうだ。《魂の盗み魔》を思い起こさせる。不気味だ。

クラス総評

拡張カード:2位
全クラスカード:3位

 ジェイナ、おおジェイナ……なぜ貴方はいつもこのゲームの”マナ”という仕組みを嘲笑うのか?

 メイジは強く見えるが、その中心にあるのは《スパイトラッシュのセイレーン》。このカードは《魂の盗み魔》と同じような方法で波紋を呼ぶと思われ、おそらく攻撃としての方法ではなく、防御・盤面の巻き返しといった方法になるだろう。これを出したターンのOTKは不可能だろうし、特に遅いマッチにおいて、セイレーンをうまく活用した適切な勝ち筋を発見しなければならない。

 セイレーンにできることは、ナーガの仲間たちとともに見方の盤面を作り、相手の盤面を吹き飛ばすこと。その画像から、セイレーンは当初、異なる流派の呪文を唱えることでマナをリフレッシュするものだったと推測される。仮にそれが本当だとしたら、ミニオンへの能力変更は非常に良いものだったと言えるだろう。

 しかし、メイジは他にもやれることがある。メカメイジはたいそう可愛らしく見える。競争力があるかどうかはわからない。その理由のほとんどはメカプールの質だが、もしうまくいくとしたら、《メカ・シャーク》と《海底ゲートウェイ》の力のおかげだろう。この2つの組み合わせは、盤面の逆転を可能にしたり、シンプルに多くのフェイスダメージを与えたりすることができる。

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 それから、絶妙なラインのものもある。《ブリザード》のコアセットへの帰還に注目。《魔導師ドーングラスプ》や《山火事》と組み合わせて、ビッグスペル系の戦略を強化することになるだろう。《物知りヨウム》はより恐ろしくなる。《カレクゴス》、《放火魔》、《終末予言者》、《苦痛の侍祭》 も一騒ぎに加担することになるだろう。

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 ナーガが好きなら、まずはこのクラスだ。

パラディン

御苑の御恩:4点

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 これは次環境で”神聖パラディン”を組む最大の理由になるかもしれない。《不滅の守護者像》(画像は総評欄↓)のおかげで、このカードは確実に0マナまで下げることができ、その時点で大きなボードスイングをもたらすことができる。しかし、我々が《御苑の御恩》の可能性に特に興奮しているのは、パラディンの新しいOTKフィニッシャーが可能になるからであり、それはセオリークラフトの記事でご覧いただきたい。構築の中心となる強力なカードであり、速いデッキに対するマッチアップでの逆転に使えるだけでなく、遅い相手を仕留めるための主要なコンボ・ピースとしても機能するかもしれない。是非ご覧あれ。

リバイアサン号:4点

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 このカードはシンプルに、大きなボードスイングを生み出すことができるスタッツの塊である。4/5急襲と4/2の急襲、どちらも聖なる盾持ちというのは、7マナにしては強力な盤面影響力を持つと言えそうだ。これと《無貌の変性者》を比較するだけでもかなり強そうだが、おまけで海底探査したあとにデッキの底から特定のカードを引くことができるという複合能力がついてくる。全てのパラディンデッキがこのカードの採用を真剣に検討するだろう。追加のシナジーを持たなくとも、単体のカードとして非常に優秀。

クラス総評

拡張カード:4位
全クラスカード:6位

 パラディンは、このクラスの歴史の中で最も印象的なカードパッケージの1つである『聖典』を失なったが、何ができるだろうか? いやしかし、何をするにしても、うまくやれそうだ。

 パラディンパラディンらしく、盤面にスタッツのあるミニオンを積み上げ、そこにバフをかけ、相手の顔面にミニオンを突っ込むということをやる。古き良きハースストーンの姿だ。『メカパラディン』はまさにそのようなデッキ。勝率チャートで上位に入っても不思議ではないが、その一直線的で単純なゲーム性から、ラダーを支配するにはやや限界があるかもしれない。もちろん単に失敗する可能性もある。

 バフパラディンは少し安定し、マッチアップの偏りが少なくなりそうだ。《権威の祝福》を失ったのは大きいが、《ライトフォージのキャリエル》は、特に「盤面重視のゲームプレイ」が一般的になれば、尊重すべきカードである。《御苑の御恩》と《不滅の守護者像》の組み合わせは、いくつものデッキを完全にシャットダウンできる非常に強力なコンボになるはずだ。

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 《御苑の御恩》というカードは、パラディンのプレイングを大きく変化させる可能性も持っている。ついにパラディンにおいてコンボデッキが再誕するかもしれない。《平等》へのバフ、そして《一閃の光》、《熱狂する火霊術師》、《苦痛の侍祭》の復活は、そのための大きな一歩と言えるだろう。我々はまた、この種のアーキタイプにおける《聖巻き寿司》の重要性を崇拝している。

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 そして、《レノ・ジャクソン》がいる。レノパラディンはワイルドで非常に競争力のあるデッキなので、キャリエルとレノのシナジーはスタンダードでも嵐をもたらすかもしれない。我々は、相手をゲームから閉め出すそのポテンシャルを懸念している。

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 では、その答えを光の王ラグナロスに聞いてみよう。『生きろ、虫ケラ!!』

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プリースト

とりかへばや:4点

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 ミニオンをサーチする『魔力なる知性』で、しかも大幅なスタッツ・スイングの可能性を秘めている。あるいは《隠蔽の帳》と比較して、ストレートな上位互換だと結論付けるのもいいだろう。例えば、カザカサンデッキでこれをプレイし、8/8の《ライトモーのネザードレイク》を引くことができる。ビッグプリーストでこれをプレイして、通常よりも早くスタッツを踏み倒すこともできる。しかし、最もシンプルな使い方は、スタッツ交換能力を完全に無視し、プリーストで3マナで2体のミニオンを引けるようになったという事実に注目することだ。これは、ミニオンが少なく呪文が多い「ミラクル」プリーストデッキの安定性を高めることになる。このカードはあらゆるデッキに採用されるだろう。

侍女:4点

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 このカードはプリーストをローグ級のカードドロー中毒者のクラスに変身させる。《現地連絡員》のようなカード。ドローパワーの上限は例ほど大きくはないが、発動がはるかに簡単で、このクラスには(現地連絡員と同じく)特定のミニオンを安定して引く手段を得たため、条件はそれほど厳しくない。環境初期には少し活用しにくいかもしれないが、プリーストが時間とともに軽い呪文を手に入れれば入れるほど、このカードはプリーストの戦い方を完全に変えていくことになるだろう。

プリーステス・ヴァリシュ:4点

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 ヴァリシュは、ワイヤーローグと同じくらい素早くカードを引くことができる、新しいミラクルプリーストデッキの可能性を大きく広げる存在。彼女がマナクリスタルをリフレッシュする「だけ」であるのは良いことで、少しでも追加の効果があったならば想像を絶するほどの壊れカードになっていただろう。非常に汎用性が高く、このカードを悪用するためにはほとんど何の条件も必要としない。いくつかの呪文をプレイするだけで、ウィスプにマナビスケットがついてきて、1ターンに5~6マナを獲得してそのままゲームに勝利するような状況もあり得るだろう。このカードが、即座にインパクトを与えることはないにせよ、将来のある時点でフォーマットのメタを定義する要素にならないとしたら、我々はショックを受けるだろう。問題はその時が”いつ”来るのかであって、”来るか来ないか”ではない。

クラス総評

拡張カード:5位
全クラスカード:4位

 プリーストは非常にエキサイティングなセットを手に入れたが、おそらくコアセットを見れば、もっとエキサイトすることになるだろう。《ノースシャイアのクレリック》、《光熱のエレメンタル》、《太陽の砕片ライラ》、そして火霊術師/侍祭/トルヴィアが復活し、プレイヤーは「内なる炎」コンボプリーストの復活の可能性に沸き立っている。《侍女》、《とりかへばや》、《女王近衛兵》、《プリーステス・ヴァリシュ》の追加は、その希望をさらに膨らませている。プリーストは今、ローグよりも素早くカードをドローすることができるかもしれない。除去で盤面を制圧する能力は質が大幅に低下したものの、コンボの可能性は大きく向上した。

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 しかし問題もある。プリーストの未来を予想するのはとても難しいのだ。その理由のほとんどは、ある重要なピースが欠けていること。《神授の霊力》だ。この驚異的なカード・ドローパッケージを使ったところで、どうやってゲームを終わらせればいいのだろうか? いずれは解明されるかもしれないが、この難問はセオリークラフト中に明らかになった。深刻なフィニッシャー不足だ。

 沈黙プリーストにも同様の問題が浮上する。これは、ハースストーンの歴史の中で一度だけ競争力を持ったアーキタイプ。今回いくつかの素晴らしいツールを手に入れたが、それでもまだ十分ではないかもしれない。

 フィニッシャーの不足といえば、もっと遅いプリーストの戦略に解決策を見出すかもしれない。カザカサン・プリーストは《ドラコニッド諜報員》を手に入れ、中盤のゲームが補強された。このデッキは『オニクシアの巣』の間ずっと不調だったが、おそらく全体的にパワーが下がる新環境では、より有利に戦えるだろう。クエスト・プリーストは最も劇的で明確なフィニッシャーを持っているし、また、《レノ・ジャクソン》が最も意味を持つアーキタイプの1つだ。結局のところ、私たちはマナカーブに沿ってカードをプレイし、そして生き残りさえすればよい。このシナジーのために、特別なことをする必要はないのだ。

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 また、ミラクルプリーストの構築を改良すれば、次環境のトップティアデッキが誕生するだろう。あるいはこの誇大広告はまったくの無駄になるかもしれないが、いずれにせよすぐにわかる。

ローグ

釣りバカフィッシン:4点

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 このカードは今後2年間、多くのローグデッキに入る可能性があるが、少なくとも海賊ローグにとっては確定採用カード。”海底シナジー”の付いた《追跡術》で、非常に軽く、確実に《海底に眠る船》を探査ドローすることができる。1マナのカードでコンボを発動するのは、《ワンド泥棒》の長きにわたる働きを見ればわかるように、とても簡単なことなのだ。

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ハカジキ:4点

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 海賊ローグ用の3マナ4/3武器で、海底探査もある。このカードの唯一の厄介な点は、《海底に眠る船》を探査する場合、この武器の追加アタックを得られないことが多いということ。しかし、大きな問題ではない。すぐに好きになるだろう。3マナ12ダメージは、武器バフのない《自己研磨の剣》よりも優れている。超強力。

スウィフトスケイルのトリックスター:4点

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 この拡張セットの中で最もクレイジーなカードの1つ。このカードの存在によって、《逃げ足》や《煙幕》といったカードが構築レベルになった。無条件4マナの《ドラゴンキャスター》であり、ウルトラぶっ壊れでない唯一の理由は、ローグにはメイジが持つような重い呪文がないこと。それでも、このカードがいずれ構築に入り、大量のマナを踏み倒してキモムーブをするようになるのは間違いない。海賊ローグでさえ、《アズシャラの船》や《サメの餌食》と一緒に採用することを強く検討するだろう。ワイルドでは即採用の可能性が高い。構築の常識を歪めるパワーカード。

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海底賊:4点

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 ヴァイルスパイン・スレイヤーは史上最も強く最もインパクトのあるローグのカードの1つだったが、海底賊は間違いなくそれ以上。この除去能力は断末魔を起動しないので、本質的には沈黙効果。対戦相手が脅威を海底探査によって戻してくる可能性があるのは事実だが、必ずしも海底探査の対象として望ましいとは言えない大型高コストのミニオンを除去することになる場合が非常に多い。また、海賊なので《カトラスの運び屋》で引けるし、ヴァイルスパイン・スレイヤーよりも1点攻撃力が高い。狂気のカード。

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ダイオウガニ:4点

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※攻撃力バフはミニオンと武器、両方に乗るようです。

 このカードを出してすぐの盤面インパクトについて考えてみよう。本体の効果で追加攻撃を持つ、『4/1急襲』の《ダイオウガニのハサミ》を2枚搭載している。ハサミが相手にぶつかって死に、武器フォームの爪を手に入れ、それを他の場所に振ってからもう1つのミニオンのハサミで急襲し、死んで次のターンに使う武器をもう1つ手に入れることができる。全体として、このカードは急襲ミニオンで8ダメージを与え、武器から4ダメージを与え、さらに次のターンに武器から2または4ダメージを与える。これら全てが6マナ6/5の上に乗っているのだ。これはつまり、ローグ式のAOEツール。狂気的な逆転と除去のポテンシャルを持つ。最大の欠点は、《ハカジキ》との組み合わせが難しいこと。気にするようなことだろうか? いや、《メガ無貌の変性者》と《カートラス》のハイブリッドカードの前に、その程度のデメリットは些末でしかない。

クラス総評

拡張カード:1位
全クラスカード:2位

 ローグのセットはアルタラックのシャーマンセットに似ている。一つの大型パッケージのカードが一つの主要な方向性を支え、マンモス級のサポートカードたちによって推し進められている。海賊ローグはややクエストウォリアーと似ているところがあるが、特に勝ち筋と除去の選択肢に関しては、もう少し複雑なゲームプレイができるかもしれない。その最上位に位置する《海賊提督フックタスク》は、基本的に連続クエストの報酬のようなもの。面白いことに、本家の連続クエストと同じ数の海賊を必要としている。特に遅いマッチアップで彼女のパワーは発揮されるだろう。

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 しかし、ここで海賊ローグについて1点。《ハカジキ》があまりにも強いため、フックタスクをプレイする前に勝つことが多いだろう。このカードは3マナで12ダメージを与える。つまり相手は死ぬ。

 《ダイオウガニ》と《海底賊》は、ウォリアーにはない、非常に強力な除去とスイングターンを提供する。《アズシャラの船》は隠れ身によるダメージ保証の価値が高い。《フィレファイター》はミスタースマイトと組み合わせると悪趣味なほど強く、《カトラスの運び屋》と《釣りバカフィッシン》は全体的な安定性を高めている。このデッキは怖い。

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 おそらく1つの批判は、このセットにおける他のシナジーのカードに関しては、強いものはあまりないということ。かつて人気のあった泥棒アーキタイプは、コアセットでは《テス・グレイメイン》と《ヘンチ・クランの強盗》以外のサポートをあまり受けておらず、それらは特に素晴らしいカードでもない。しかし、《スウィフトスケイルのトリックスター》はとんでもないカードで、今すぐにワイルドを壊さないまでも、おそらくいつかは壊すことになるだろう。《逃げ足》や《煙幕》を構築レベルに変え、新しいアーキタイプを誕生させることができる。

 これらを総合して考えると、ヴァリーラはトップに近い存在になるはずだ。

シャーマン

珊瑚の番人:4点

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 『コボルトの迷宮』に登場し、メタを定義していたハンターの5マナ呪文、《エメラルドの呪文石》を覚えているだろうか? それが手札になくてもアップグレードできたらどうだろう? それをアップグレードするために弱い秘策をプレイする必要がなく、ただ構築レベルの、バリューの高い呪文をいつでもプレイするだけでいいとしたら? 3マナでそれを次のターンに繰り返したり、効果を倍増させる方法(《スバラシインコ》《ブラン・ブロンズビアード》)があったら? サーチできたなら? 場に出るミニオンのうち1体は体力が1多いとしたら? あるいはもし将来、シャーマンに再び魔力呪文が与えられるかもしれないという、より高いポテンシャルを持っているとしたらどうだろう?

 当然メタを定義することになるだろう。

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クラス総評

拡張カード:7位
全クラスカード:7位

 シャーマンのセットには、中途半端という表現が一番しっくりくる。強力なカードもあれば、胡散くさいカードもある。我々は、このフォーマットにおけるシャーマンのパワーは、そのほとんどがアルタラックのセットによってもたらされると考えている。ローテーションから見えてくる主な問題は、シャーマンのフィニッシュ能力。ボルナーとヤシャラージュのコンボはなくなり、バーンシャーマンにあったバースト量もなくなった。クエストシャーマンもおそらく死んでいる。

 シャーマンは何をすればいいだろう? おそらく珊瑚の番人をプレイすることになるだろう。このクラスはすでに《マルチキャスター》のおかげで呪文系統の多様化と相性がいいので、既存の構築に沿った”エメラルドの呪文石”を手にしたことは、おそらく最高の追加要素だろう。シャーマンは珊瑚の番人/スバラシインコのおかげで常に盤面を埋めることができるし、《グラッグ》や《ベアロン》のようなカードと合わせて、帰ってきた《血の渇き》をフィニッシャーとして使う方向性を推進するだろう。

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 《血の渇き》を得たことで突然アグロ系のシャーマンデッキに存在意義が生まれたので、これは大きな意味がある。《錨のトーテム》と《肉食の魚群》は、速いデッキの美味しいコンボ。問題はカードドローかもしれないが、そこで我々はマーロックシャーマンが《ガーロックの荒らし屋》というインパクトのある中立の新カードによって競争力を取り戻す可能性を気に入っている。

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 また、特定のフィニッシャーを全く入れないという選択肢もある。ゲーム終盤のリーサルを失うのであれば、おそらく最善の方法は永遠にバリューを生み出しつづけることであり、シャーマンはブランとボルナーのおかげでその能力を十分に持っている。雄叫びのバリューはとんでもないものになり、『大荒野』のコントロールプリーストのバリュー生成に匹敵するものになるかもしれない。

 ローグがニュー・ウォリアーで、プリーストがニュー・ローグなら、シャーマンはニュー・プリーストなのかもしれない。

ウォーロック

※星4は無し

クラス総評

拡張カード:10位
全クラスカード:9位

 ウォーロッククラスには大きな疑問がある。ローテーションによって《悪魔の種》が実質死亡し、フクロウウォーロックのサポートも一部死亡したため、このクラスが競争に勝つために何をしなければならないのかがわからない。

 『呪いウォーロック』はデザイン段階からこの強さだったわけではないだろう。このアーキタイプは開発中にナーフされた疑いが強い。なぜなら、このアーキタイプがプレイするはずのカードはどれも1マナ多くかかるように感じられるからだ。ブラン、ゾーラ、アズシャラなどの補完的なパーツによるポテンシャルはあるが、その提案は非常に楽観的な考えであるように思える。このデッキが良いものに仕上がったら驚きだが、開発中にナーフされるほど強かったのであれば、もしかしたら人類を驚かせるかもしれない。

 我々はマーロックウォーロックの方を好む。レイトゲームに向けてのスケーリングが強い。防御に徹し、魚人の波をあしらおうとするデッキ相手なら、こちらのバフは手に負えないレベルになれる。問題はマーロックウォーロックのゲーム序盤だ。おそらく、マロウォロから序盤のボードコントロールを奪うのは簡単だろうから、早いマッチアップではウォロ側が《エサバケツ》をプレイしたあとに盤面を取り返せるかどうかにかかっている。

 それ以外は? フクロウウォーロックはローテーションを生き残り、『機雷ウォーロック』に変身できるだろうか? バックファイアとツアーガイドなしでミスリルロッドを機能させるのは難しいだろう。コンボパーツはそのままある。ダメージの可能性は確かにある。ただ、適切なサポートカードを見つける必要がある。『レノウォーロック』については、あまり楽観視できない。リアルな勝ち筋がないのだ。レノジャクソンがスタンダードで強かったのは、カザカスを相棒に得た後のたった4ヶ月間でしかなかったことをみんな忘れている。今はハイランダーの見返りが十分にない。『悪魔ズー』は恐らく死んでいる。『インプギャングのボス』と『ヴォイドウォーカー』だけでは仕事にならない。

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 なので皆様、エサバケツを囲み、マーロックの神に祈るのです。

ウォリアー

※星4は無し

クラス総評

拡張カード:8位
全クラスカード:1位

 ウォリアーは、『海底都市』セットから何も得られなかったかもしれないのだが、それでもなお競争力を持つことができていると思われる。何も得られなかったがそれ以上のものを得たので、その未来は素晴らしい、あるいは見方によっては恐ろしいものになる。

 まず、スタンダード環境が全体的にパワーダウンしているという点。コンボ等のリーサル性は大きく低下する。OTKは消えたり、パワーを失ったりしている。そうなるとミニオンが強くなり、よって除去が強くなる。除去が強くなり、ボード展開に効果的に対抗できるならば、必要なのは適切な勝ち筋であり、それを1枚のカードで得ることができれば、それだけで最高のシナリオだと言えるだろう。ということで『カザカサンウォリアー』を構築してみたが、とてもとても良さそうだ。ローテーションを経たデッキにはとても見えない。隠し武器/斧刀講というドローを失ったが、《止めの一撃》《強打》《シールドブロック》を手に入れた。これらの追加は大きい。また、失ったカードドローの一部を補う効果的な手段も持っているといえる。

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 そしてクエストウォリアー。《黒曜石職人》だけでなく、いくつかの中立カードの追加のおかげで、ゲーム序盤のパワーが大幅にアップした。クエストを達成するための安定性とスピードが格段に上がるだろう。実際、3マナ以上かかるカードは2枚だけだろうと考えている。ジャガーノートは毎試合7ターン目に降りてくるし、《ミスター・スマイト》もより頻繁に使えるようになるだろう。このデッキは直線的で一面的かもしれないが、それでも素のパワーによって上位に食い込むことができるだろう。

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 ウォリアーはシンプルに強く、それ以外の勝ち筋も使うことができる。皮肉なことに、このフォーマットに残された唯一のOTKの1つはウォリアーのもの(ガルヴァンガー)なのだ。《ジン・アズシャリの炎》で踏み倒しデッキが組める。ビッグデッキも組める。ウォリアーには様々な勝ち方が用意されているが、おそらく結局はカザカサンを選ぶことになるだろう。

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 盤面ベースのメタを望んでいたのか?覚悟しておいた方がいい。ハッ、武運を。

中立

深淵の融合体:4点

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 あらゆるデッキで採用される。種族デッキをプレイしているなら、タフな2マナでありながら優れたバリューソースとなる。同じ種族のミニオンを発見する2マナ2/3は正気ではない。もちろん、ボード上にミニオンがいる必要があるので、自動ホームランとはいかない。しかし、種族デッキの多くが同ターンに出せる軽いミニオンや、特に生き残りやすいミニオンを持っていることを考えると、現状でも非常に発動しやすいと言えるでしょう。史上最高の融合体。

剣匠オオカニ:4点

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 現在のメタで大きな波紋を呼んでいるオオカニは、今後も人気カードになることが予想されるが、もし「盤面メタ」に移行し始めると、対フィールドのパワーが少し下がってしまうかもしれない。盤面にミニオンが多い環境では、オオカニと盤面トレードすることによって、そのカウンター能力を防ぎやすくなる。『深海都市』環境の初日に全てのデッキに入れるといった予定はない。今のところは。

 

 お疲れ様でした